1999年のテレビ (日本)

1999年のテレビジョン放送：変化と話題に満ちた一年

1999年（平成11年）の日本のテレビ界は、既存の人気番組の刷新や長寿シリーズの終了、そして新たなヒット番組の誕生が相次ぎ、大きな節目を迎えました。

年明け早々、1月にはテレビ朝日系で新たな時代劇枠に代わる『木曜ミステリー』がスタート。京都を舞台にしたサスペンスドラマを中心に制作され、「京都枠」として視聴者に親しまれるこのシリーズは、2022年まで続くことになります。同じくテレビ朝日系では、1982年から続いた特撮『メタルヒーローシリーズ』が『テツワン探偵ロボタック』の終了をもって17年の歴史に幕を下ろしましたが、その直後には石ノ森章太郎原作のリメイク版コメディドラマ『燃えろ!!ロボコン』が放送を開始しました。

アニメ界では、フジテレビ系でデジタルモンスターをテーマにした『デジモンアドベンチャー』が放送開始され、以降人気シリーズとなります。また、朝日放送・テレビ朝日系では、後に長く愛される魔法少女アニメシリーズとなる『おジャ魔女どれみ』がスタートしました。

春の改編期には、長年親しまれた番組がいくつか終了しました。テレビ東京系で14年半続いた情報番組『タミヤRCカーグランプリ』、フジテレビ系の朝のワイドショー『ナイスデイ』が17年の歴史に終止符を打ちました。日本テレビの日曜昼の顔であったビートたけし司会の公開バラエティ『スーパージョッキー』も16年以上の放送を終え、「ジョッキーシリーズ」全体の歴史に幕が下ろされました。TBSでは大規模な情報・報道番組の改編が行われ、『いちばん!エクスプレス』や『エクスプレス』が新設されました。

フジテレビでも朝のワイドショーが刷新され、『情報プレゼンター とくダネ!』が放送開始。フリーキャスターの小倉智昭を司会に据えたこの番組は、2021年まで続く長寿番組となりました。同じくフジテレビでは、午後の情報番組『ビッグトゥデイ』が縮小され『2時のホント』となり、夜の報道番組『FNNスーパーニュース』も時間を拡大し、キャスター陣を刷新するなど、情報・報道番組の大型再編が注目を集めました。

子供番組にも大きな動きがありました。NHK教育テレビの長寿番組『おかあさんといっしょ』が、歌のおにいさん・おねえさん、体操のおねえさんの交代を含む23年ぶりの大規模リニューアルを実施。ミニ人形劇に「スプー」が登場し、番組の看板キャラクターとして人気を博しました。また、『天才てれびくん』も『天才てれびくんワイド』としてリニューアルしています。

1999年を象徴する出来事として、NHK教育テレビ『おかあさんといっしょ』のオリジナルソング「だんご3兄弟」が大ヒットし、社会現象となりました。CDシングルは1999年のオリコン年間売り上げ第1位を記録しています。また、政財界の話題がワイドショーを賑わせた「ミッチー・サッチー騒動」もこの頃から頻繁に取り上げられるようになりました。

秋には、日本テレビ系のクイズ番組『マジカル頭脳パワー!!』が9年の歴史に幕を下ろし、それに先立つ『スーパークイズスペシャル』も終了しました。テレビ朝日系では政府広報番組『あまから問答』が28年の放送を終えています。

新番組では、フジテレビ系の恋愛バラエティ『あいのり』や、毎日放送の関西ローカル大型情報番組『ちちんぷいぷい』がスタートし、それぞれ人気番組へと成長しました。また、尾田栄一郎の漫画を原作としたテレビアニメ『ONE PIECE』がフジテレビ系で放送を開始し、現在まで続く人気シリーズとなりました。

報道の面では、茨城県東海村で発生したJCO臨界事故が、NHKや民放各局によって終夜体制で伝えられました。また、フジテレビの番組『愛する二人別れる二人』に出演した一般人が番組内容を巡って自殺した問題が発覚し、番組が打ち切りとなるなど、メディアの倫理が問われる出来事も発生しました。

11月11日には、平成11年11月11日にちなみ、かつて深夜の人気番組だった『11PM』が一夜限りの特別番組として復活し、歴代司会者が顔を揃えました。

年末には、GLAYの「Winter,again」が大賞を受賞した『第41回日本レコード大賞』や、ミレニアムへのカウントダウンをテーマにした『第50回NHK紅白歌合戦』が放送されました。フジテレビ、テレビ朝日、TBSは日をまたぐ長時間の年越し特番を放送し、テレビでのカウントダウンが賑わいました。

この年の視聴率では、日本テレビが6年連続で年間視聴率三冠王を達成しています。また、消費者金融のCMが深夜枠だけでなく全日に解禁されるなど、広告の規制緩和も進みました。

1999年は多くの放送局が開局・放送開始から節目の年を迎え、とちぎテレビが開局するなど、テレビ業界全体の構造も変化を見せた、まさに多事多難かつ活気に満ちた一年でした。

1999年の主な高視聴率番組（ビデオリサーチ関東地区調べ）

テレビドラマ・映画
金曜ロードショー・もののけ姫（日本テレビ）：35.1%
新春ドラマスペシャル・古畑任三郎VS SMAP（フジテレビ）：32.3%
すずらん（NHK総合）：30.4%
魔女の条件 (TBS)：29.5%

スポーツ
大相撲初場所12日目（NHK総合）：29.4%
プロ野球中継・中日対巨人（NHK総合）：29.0%

アニメ
サザエさん（フジテレビ）：28.2％

その他、多数の特別番組やレギュラー番組の拡大版スペシャルが放送され、視聴者の関心を集めました。

この年は、インターネットの普及が進む一方で、テレビが still なお主要なメディアとして強い影響力を持ち、社会の出来事や人々の話題の中心を担っていた時代を色濃く反映しています。

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