2006年の気象・地象・天象

2006年の気象・地象・天象

2006年は、世界中で異常気象が多発した年でした。日本では、豪雪や猛暑、異常な高温など、様々な気象現象が観測されました。以下に、その詳細をまとめます。

世界の天候

2006年の世界の天候は、北極振動やラニーニャ現象、エルニーニョ現象などの影響を受け、各地で異常気象が発生しました。

1月: ヨーロッパ東部やロシアで低温と大雪。
2月: 日本で大雪。
2月、5月: ラニーニャ現象により、フィリピンを中心に大雨。
4月～8月: 中国で大雨や台風の上陸が相次ぎ、洪水が発生。
7月: 朝鮮半島や日本で低気圧や梅雨前線による大雨。
6月～7月: ヨーロッパ中西部で熱波。
7月: 北アメリカ西部で熱波。
8月: 北アメリカ北東部で熱波。
8月以降: エルニーニョ現象により、アフリカ東部で大雨、オーストラリア東部で干ばつ。

特に、ヨーロッパや北アメリカでの熱波は記録的な高温となり、合わせて2,000人以上が死亡する事態となりました。また、アフリカ東部の大雨では1,000人以上が死亡しました。

年平均気温は、シベリア内陸部やオーストラリア北部沿岸部を除き、世界的に高い傾向にありました。特に、インド東部から中国東部、アラビア半島、西ヨーロッパ、アフリカ北西部、北ヨーロッパ、カナダの北極海沿岸、中米などで顕著に高くなりました。

全世界の平均気温は、1971～2000年の平均に比べて+0.30℃高く、1891年以降で5番目に高い気温となりました。

日本の天候

2006年の日本は、8月から10月を除き、全国的に曇りや雨の日が多く、日照時間が少なめでした。特に、冬から春にかけては、低温や大雪に見舞われ、夏は猛暑、秋は異常な高温となるなど、変動の大きな一年でした。

1月: 北日本と東日本で低温、西日本で平年並み、南西諸島で高温。
2月: 全国的に気温が高かったものの、日本海側では大雪。
3月: 上旬は暖かかったが、中旬から寒気が南下し、西日本と南西諸島で低温。
4月: オホーツク海高気圧の影響で全国的に低温。
3月～6月: 日照時間が少なく、低温傾向。
7月: 上旬を中心に冷夏気味、梅雨明けが大幅に遅れる。
8月: 一転して猛暑となり、日照時間も平年を上回る。
9月: 気温がかなり高く、降水量は平年並みか少なかった。
9月〜11月: 寒気の流れ込みがほとんど無く、異常な高温。11月に入っても夏日、真夏日を観測する季節外れの陽気の日もあった。
10月: 上旬に大雨、その後は高温少雨。
10月下旬: 関東・東海で大雨。
12月: 冬型の気圧配置になる日が少なく、暖冬。

特に、1月には記録的な豪雪となり、各地で観測史上最高の積雪量を記録しました。また、7月には梅雨前線の影響で各地で豪雨となり、土砂災害も発生しました。さらに、9月は異常な高温となり、11月に入っても夏日を観測する日がありました。

主な出来事

2006年には、以下のような主な気象・地象・天象に関する出来事がありました。

1月:
前年からの大寒波により、記録的な豪雪。
サウスサンドウィッチ諸島南方沖でM7.4の地震。
ロシア極東で-66度を記録。
南岸低気圧の通過により関東地方で大雪。
2月:
千葉県北西部を震源とするM5.1の地震。
八丈島で60年ぶりに積雪。
新潟県津南町の積雪が416cmとなり、観測史上最高に。
アメリカ合衆国東海岸で大雪。
静岡市で2月の観測史上最高気温を記録。
フィリピン・レイテ島で大規模な土砂崩れ。
アフリカのモザンビークでM7.5の大地震。
3月:
前年12月～1月の大雪を「平成18年豪雪」と命名。
関東地方で春一番。
春の寒波。
北海道の雌阿寒岳が小規模な噴火。
日向灘でM5.5の地震。
アフリカ、トルコ、シベリアなどで皆既日食。
4月:
台湾でM6.4の地震。
九州北部から紀伊半島、房総半島で大雨。
ロシアコリャーク自治管区中部でM7.6の地震。
5月
埼玉県熊谷市や東京都練馬区などでこの年初めての真夏日。
トンガでM8.0の地震。
台風1号がフィリピン、中国、ベトナムで被害。
インドネシア ジャワ島でM6.3の地震。
6月:
大分県西部地震が発生。
7月:
台風4号が台湾、中国で被害。
インドネシア ジャワ島沖でM7.7の地震。
梅雨前線の影響で日本各地で豪雨。
九州地方の豪雨で、一部降り始めからの雨量が1000mmを越える箇所も。
7月15日～24日の豪雨を「平成18年7月豪雨」と命名。
各地で梅雨明け。
8月:
台風6号、8号が中国南部に上陸し、洪水などの被害。
アメリカ合衆国やカナダで熱波が終息。
9月:
台風13号が長崎県に上陸、宮崎県延岡市では竜巻も発生。
台風15号がフィリピン、ベトナムで被害。
10月:
発達した温帯低気圧の影響で、東日本と北日本を中心に暴風雨。
11月:
北海道佐呂間町でF3の竜巻が発生。
千島列島沖でM7.9の地震、津波が発生。
台風21号がフィリピン、ベトナムで被害。
12月:
北陸地方、山陰地方、九州北部で平年より遅い初雪。
発達した低気圧により関東～東北で荒天、24時間の降水量が12月としては非常に多い200mm前後に達した。
台湾南方沖でM7.2の地震。
強い冬型の気圧配置となり、東海以西の太平洋側・瀬戸内側の各地で初雪。


2006年は、世界中で異常気象が多発し、自然災害が相次いだ年でした。日本でも、記録的な豪雪や猛暑、大雨などが発生し、気象変動の影響を強く感じさせる一年となりました。

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