2015年のル・マン24時間レース

2015年のル・マン24時間レース概要

2015年のル・マン24時間レース（仏: 24 Heures du Mans 2015）は、フランスのサルト・サーキットで6月13日から14日にかけて行われた。これは、フランス西部自動車クラブ (ACO) によって統括される83回目の開催で、FIA 世界耐久選手権（WEC）の第3ラウンドでもあった。レース2週間前の5月31日には予選テストが実施された。

予選結果

予選で見事なタイムを記録したポルシェ・919ハイブリッドの18号車は、ニール・ジャニ、ロマン・デュマ、マルク・リープのドライバーコンビによってポールポジションを獲得した。決勝レースでは、18号車からシフトしたニック・タンディ、アール・バンバー、ニコ・ヒュルケンベルグが19号車で優勝した。彼らは2位のポルシェ17号車に対して1周差をつけ、ポルシェにとっては1998年以来となる通算17度目の総合優勝を達成した。3位には前年優勝のアウディ7号車が入り、アウディ勢としては最も好成績を収めた。

各クラスの見どころ

LMP2クラスでは、KCMGが提供したオレカ-ニッサン47号車が、リチャード・ブラッドリー、マシュー・ハウソン、ニコラ・ラピエールによってクラス優勝を飾った。彼らは終始レースをリードしつつも、ミスからの影響で2位にはJOTAスポーツが迫ってきた。

LMGTE Proクラスでは、コルベット・レーシングの64号車が優勝。レース中、激しい首位争いを繰り広げていたが、AFコルセ・フェラーリ51号車のガヤイボックスの不具合により後半戦でほぼ独走状態となる。その結果、2011年以来のクラス勝利を手にした。

LMGTE Amクラスでは、ポール・ダラ・ラナが駆るアストンマーティン98号車が、優勝寸前でのクラッシュによりリタイア。在籍中の混戦を制したのはSMP・レーシング72号車だった。

サーキット改修とルール変更

レース開催前には、サーキットの改修が行われ、スローゾーンの速度制限が80km/hに引き上げられた。また、新たに照明システムが導入され、マーシャルをサポートするためのゾーン数が増加した。この年からは、ハイブリッドカーに雨用フラッシュライトの装着義務が設けられるなど、レースの安全性を向上させる取り組みがなされていた。

エントリーとリザーブ

この年のエントリーは、FIA世界耐久選手権からの35台、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズからの13台など、合計56台が名を連ねていた。リザーブチームは7チーム設けられ、特定のカテゴリーのみで出場権が与えられた。

決勝レースの進行

決勝レースは晴天のもとスタートし、ポルシェ・919ハイブリッドが早々に先頭争いを繰り広げる。レース中にはオイル漏れやクラッシュによるセーフティカーの導入が相次ぎ、各チームの戦略が試される場面も見られた。特にアウディ7号車のロッテラーは、2位からトップに上がり、ポルシェ勢に追いつく場面もあった。

レースが進むにつれて、ポルシェ19号車が次第に競争をリードし、最終的には2台のポルシェがワン・ツー・フィニッシュ。アウディが敗北を喫する形となり、トヨタは期待外れの結果となった。日本のワークスチームである日産は、周回数不足により完走扱いとなることはなかったが、レースの経験を次に生かすとした。

結果と評価

2015年のル・マン24時間レースは、ポルシェの強さが際立った一方で、アウディの競争力も示される結果となった。また、国内外のさまざまなチームが参加する中で、日本の耐久レースシーンも新たな挑戦を迎えた。これにより、次回以降のル・マン24時間レースへの期待が高まることだろう。

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