21号族

21号族：名門サラブレッド牝系の歴史

21号族は、クイーン・アンのムーナム・バルブ・メアを始祖とするサラブレッドの牝系一族です。この牝系は、長年にわたり優れた競走馬を数多く輩出し、競馬史にその名を刻んできました。日本においては、タマモクロスやミヤマポピーといった人気・実力ともに兼ね備えた名馬が21号族に属しており、その知名度も高いと言えるでしょう。

21号族の系譜をたどると、イギリスで活躍した名馬から、アメリカへと渡り、そして再び世界へと広がっていった歴史が見えてきます。その過程において、血統登録をめぐる興味深いエピソードも存在します。

特に重要なのが、セリマという牝馬です。セリマは1745年（または1746年）にイギリスで生まれ、後にアメリカへ輸出されたとされています。しかし、セリマの子孫はイギリスには残らなかったため、初期のジェネラルスタッドブックには記載されていませんでした。

セリマの子孫であるフォックスホールがイギリスで活躍し、大レースを制覇したことで、1891年のジェネラルスタッドブック第5版にようやくその存在が追記されることになります。この際、セリマは15号族の牝馬の子孫として登録されました。

しかし、後世の研究により、セリマが実際には21号族に属する可能性が高いことが明らかになってきました。現在のスタッドブックは修正されていませんが、本稿ではセリマとその子孫を21号族として扱います。

セリマの子孫はアメリカで大きな成功を収め、特にA4と呼ばれる系統は、アメリカンナンバーの中でも最大の勢力を誇ると言われています。A4以外にも、ベイタウン、ハノーヴァー、そして前述のフォックスホールなど、数多くの優れた競走馬を輩出しています。

このように、21号族の歴史は、イギリスとアメリカという二つの国を舞台に、幾多の困難や紆余曲折を経て発展してきたと言えるでしょう。血統登録上の混乱や、長期間にわたる系譜の解明といった過程からも、その歴史の奥深さを感じることができます。

21号族は、名馬を輩出し続けた実績と、複雑で興味深い歴史を持つ、サラブレッド界において重要な牝系一族です。その系譜を辿ることで、競馬の歴史や血統の奥深さ、そして人間の努力と情熱に触れることができるでしょう。

本稿では、21号族の主要な系統や代表的な競走馬についてさらに詳細な情報を提供し、その魅力を多角的に明らかにすることで、読者の皆様の理解を深める一助となることを願っています。今後の研究によって、さらに多くの事実が解明され、21号族の歴史がより鮮やかに浮かび上がってくることが期待されます。

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