3Delight

3DelightNSI（スリーデライト エヌエスアイ）は、高度な物理ベースレンダリングを可能にするレンダラーであり、かつてRenderMan互換レンダラーとして知られた3Delightの後継にあたります。

歴史

2000年、3DelightはRenderMan互換でありながら、当時主流であったREYESレンダリングとレイトレーシングを組み合わせたハイブリッドレンダリングに対応した先駆的なレンダラーとして登場しました。当時、本家である「PhotoRealistic RenderMan」(PRMan)がハイブリッドレンダリングに対応していなかったことから、3Delightはより柔軟なレンダリング手法を求めるユーザーに支持されました。

2013年には、3Delight 11でパストレ―シングモードが標準となり、さらに高度なレンダリング表現が可能になりました。ただし、REYESモードも引き続き利用可能で、ユーザーは用途に応じてレンダリングモードを選択できました。

2018年、3DelightNSI 1.0が登場し、従来のRenderManインターフェースに代わる新しいインターフェース「Nodal Scene Interface」(NSI)が導入されました。このNSIは、レンダラーとアプリケーション間の連携をより柔軟にするものであり、オープンソースのHydraNSI（hdNSI）を用いることで、Universal Scene Description（USD）のHydraに対応したソフトウェアからも3DelightNSIを利用できるようになりました。

搭載・対応ソフトウェア

現行

搭載
Katana 3.0以降：Katanaは高度なルックデベロップメントツールであり、3DelightNSIとの連携により、高品質なレンダリングが可能です。
DAZ Studio：DAZ Studioはキャラクターアニメーション制作ツールであり、3DelightNSIによるレンダリングによって、よりリアルな表現が可能になります。

対応
Maya：Mayaは業界標準の3Dモデリング・アニメーションソフトウェアであり、3DelightNSIとの連携によって、高度なレンダリングが可能になります。
Houdini：Houdiniは高度なVFX制作ツールであり、HydraNSIを介してSideFX Solarisとも連携し、3DelightNSIを使用できます。なお、HoudiniのRenderManレンダリング機能では、3Delight 9.0までのみ対応しています。
Cinema 4D：Cinema 4Dには専用のプラグインが用意されており、3DelightNSIを利用したレンダリングが可能です。Cinema 4D R20以前のバージョンでは、Cinema 4DのRenderManレンダリング機能であるCineManが3Delightでのレンダリングに対応していました。
Universal Scene Description (USD)：HydraNSIを通じて対応しています。USDは、3Dコンテンツの交換と共同作業を容易にするためのフレームワークです。

過去

RenderMan互換レンダラーであった時代には、RenderManインターフェース出力に対応する多くのソフトウェアから3Delightを使用することができました。

対応
3ds Max: Autodesk 3ds Maxは、かつて3Delightをサポートしていましたが、現在は直接の対応は終了しています。

採用例

3Delightは、数々の映画制作において使用されています。以下はその一部です。

ナルニア国物語
X-MEN:ファイナル ディシジョン
ファンタスティック・フォー ［超能力ユニット］
ファイナル・デッドコースター
スーパーマン リターンズ
シャーロットのおくりもの (2006年)

これらの映画において、3Delightの高度なレンダリング機能が、リアルで高品質な映像表現に貢献しました。

参考情報

NSI - Nodal Scene Interface - A flexible, modern API for renderers
https://nsi.readthedocs.io/en/latest/

3Delight for Hydra - GitLab
* https://gitlab.com/3delight/3delight-for-hydra

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