61型フリゲート

61型フリゲート（ソールズベリー級）

61型フリゲートは、イギリス海軍が運用していたフリゲートの艦級であり、ネームシップの「ソールズベリー」からソールズベリー級とも呼ばれます。この艦級は、当初スループとして計画されたものが、フリゲートへと種別変更されたという経緯を持っています。

開発の経緯

1944年12月、グドール造艦局長は新型スループの必要性を検討し始めました。翌1945年度計画では、毎年2隻の建造が要求されました。これらのスループは、平時には海外領土の警備、戦時には船団護衛を主な任務とすることが想定されていました。

1945年1月には、対潜戦課長が防空護衛艦（A/A型）と対潜護衛艦（A/S型）の2つのバリエーションに基づく建造を提案。その後、航空管制艦（A/D型）が追加されました。これは、航空母艦の覆域外で、地上基地から発進した戦闘機の掩護を受ける場合、戦隊が独自の航空管制能力を持つ必要があったためです。

1945年1月末の参謀部の要求では、ドック入り後6ヶ月経過し、満載状態で25ノットの速力を発揮し、18ノットで4,500海里を巡航できることとされました。この要求を満たすには、25,000～30,000馬力の主機関が必要とされました。しかし、防空型はやや鈍足になることが明らかになりました。航空管制艦は当初、防空護衛艦に異なる艦種符号を与えただけでしたが、1945年8月には小型巡洋艦並みの航空管制室が必要とされ、設計が大きく変更されました。

また、新型の対潜戦艦艇の要請が高まったため、1945年4月には、これらのスループがフリゲートに種別変更されました。

航空管制艦として建造されたのが、本型である61型フリゲートです。当初は1945年度計画で対潜型と共に建造が開始される予定でしたが、建造数の削減、対潜型の建造優先、そして設計の遅延が重なり、実際の建造は1955/56年度計画まで遅れました。この際、防空護衛艦として建造されたのが41型（レパード級）でした。

設計

基本設計は41型と類似していますが、41型が大型化を繰り返したのに対し、61型は若干艦型が小さくなっています。しかし、計画当初の基準排水量1,400トン以内という要請は達成できませんでした。

主機関としては、当時利用可能だったディーゼルエンジンが採用されました。これは潜水艦用の高速ディーゼルエンジンを元に発展させたもので、1947年から詳細設計に入り、1949年に試作品が完成しました。最終的には、アドミラルティ・クロスレイASR.1ディーゼルエンジン8基で2基の推進器を駆動する方式が採用されましたが、それでも出力不足であり、最大速力は23ノットに妥協されました。

電源としては、「ソールズベリー」は出力360キロワットのディーゼル発電機4基を搭載しましたが、電力の余裕が少ないことが問題となり、「チチェスター」「リンカン」では単機出力を500キロワットに増強、「ランダフ」では更にディーゼル発電機のうち1基を出力600キロワットのガスタービン発電機に変更しました。

装備

航空管制・レーダーピケット艦として、長距離対空捜索レーダーの960R型レーダー、長距離高角測定レーダーの983型レーダーを搭載する予定でしたが、船体の余裕が少なかったため、983型の搭載は見送られ、従来の277Q型レーダーが搭載されました。

当初の計画では、装備の更新は3段階に分けて行われる予定でした。

ステージII：1954年就役の艦から適用予定
4.5インチ連装砲から70口径3インチ連装砲への換装
70口径40ミリ機銃の搭載
射撃指揮装置の更新 - Mk.VIからMRS-3へ、またGDS-2からGDS-3へ
ステージIII：1957年就役の艦から適用予定
CDS戦術情報処理装置およびDPT戦術データ・リンクの搭載

しかし、70口径3インチ連装砲は性能不足のため、CDSやDPTはコスト増加のために搭載されませんでした。また、70口径40ミリ機銃もイギリス海軍での採用が中止されたため、代わりにシーキャット個艦防空ミサイルが一部の艦に搭載されました。

同型艦一覧

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参考資料

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関連項目

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