81式自動歩槍

81式自動歩槍：中国製アサルトライフルの詳細

81式自動歩槍（81式自动步枪）は、中国で開発・製造されたアサルトライフルです。「歩槍」とは中国語で小銃を意味します。

開発経緯と概要

81式自動歩槍は、7.62x39mm弾を使用する63式自動歩槍を元に開発され、1981年に中国人民解放軍に採用されました。これは、AK-47を国産化した56式自動歩槍の後継として期待されたものです。しかし、全ての部隊への配備が完了する前に旧式化し、その後、より新しい95式自動歩槍や03式自動歩槍への更新が進められています。

前身である63式は、56式半自動歩槍（SKSカービンの国産版）をベースにしています。SKSカービンのショートストロークピストン方式のガス圧利用方式を継承しつつ、ボルト閉鎖方式をティルティング・ボルト方式から56式自動歩槍を参考にしたターンロックボルト方式に変更しました。さらに、ガスバイパス部分にガスレギュレーターを追加、弾倉を着脱式の箱型弾倉に変更、全自動射撃機構を追加するなどの改良が加えられました。

しかし、63式は連射速度の調整のためにガスレギュレーターを追加したものの、SKSやAKと比較して連射時の集弾性の改善は限定的でした。また、SKSカービンと同型の曲銃床では反動の制御に限界があり、当時の中国工業界の技術水準からくる工作精度の問題も抱えていました。

これらの問題を解消するため、63式の技術的な欠陥や不備を改善するとともに、近代的なアサルトライフルの形態（直銃床や独立したピストルグリップの追加など）への再設計が行われました。その結果、1981年に81式自動歩槍として採用されることになりました。

AK-47やその派生型では、引き金の直前に弾倉口があり、用心鉄（トリガーガード）と弾倉止め（マガジンキャッチ）が一体化しています。これに対し、SKSや63式を母体とする81式では、引き金・用心鉄と弾倉口・弾倉止めが離れているのが外見上の特徴です。銃身先端にはライフルグレネード用のアダプターがあり、M203に類似したアンダーマウント方式のグレネードランチャーも存在します。

各型および派生型

81-1式自動歩槍（81-1式自动步枪）: 56-2式自動歩槍と同じサイドスイングストックを備えたモデルです。
81式班用軽機槍（81式班用轻机枪）: 銃身を延長、折りたたみ式二脚を追加、銃床を大型のものに変更した分隊支援火器です。75連ドラムマガジンなどを使用します。AK-47におけるRPK軽機関銃に相当します。
87式自動歩槍（87式突撃歩槍）: 使用弾薬を7.62x39mm弾から、新型の5.8x42mm弾へ変更したモデルです。銃床は側面折り畳み式に、ハンドガードは樹脂製に変更されています。87A式自動歩槍の開発を経て、後の95式自動歩槍開発の母体となりました。
Type 81 "Tactical": 2012年に中国人民武装警察が使用していることが確認された近代化改修型です。ハンドガードが上下左右の4面にピカティニー・レールを備えたものに変更されており、光学照準器やタクティカルライト、グリップポッド（二脚内蔵型フォアグリップ）などが装着されています。
81式A型(Type 81 A): 2018年の珠海中国国際航空宇宙博覧会に出品された近代化改修型です。ハンドガードがKeymodスロットを備えたアルミニウム製のものとなり、レシーバー上面にはピカティニー・レールが装備されています。ストックはAR系列互換の伸縮式になっています。

運用国

中国
カンボジア
スリランカ
スーダン
アルジェリア
ジブチ
ミャンマー
ネパール
パキスタン
バングラデシュ
ニジェール
タンザニア
ルワンダ


ミャンマーでは、かつてG3の後継ライフルとしてライセンス生産の計画がありましたが、トライアルでイスラエルのIMI ガリルに敗れて実現しませんでした。現在はトライアルにおいて少量輸入した物や、民兵組織から鹵獲した物を一部部隊で使用しています。一方、中国の影響下にあるワ州連合軍やカチン防衛軍といった民兵組織では相当数使用されているとみられています。

もう一度検索