ATRAC Audio Device

ATRAC Audio Device（ATRAC AD）は、ソニーによって開発されたオーディオフォーマット規格であり、音楽コンテンツを記録・再生するために用いられます。この規格は、従来のATRACフォーマットの制約を解消し、より柔軟なメディア対応を実現しました。

概要

従来のATRACファイルは、メモリースティックオーディオファイルフォーマットとして、記録媒体がメモリースティックに限定されていました。しかし、ATRAC ADは、この制限を撤廃し、HDD、内蔵型フラッシュメモリ、SDメモリーカードなど、多種多様な記録媒体で利用可能となりました。この柔軟性により、ATRAC ADは幅広いデバイスへの搭載が可能になりました。

従来のメモリースティックでは、MagicGateと呼ばれる技術を用いて機器認証を行っていましたが、ATRAC ADではこの技術を使用しません。代わりに、端末に固有の情報を利用して機器認証を行うため、よりセキュリティの高い運用が可能となっています。

ATRAC ADは、2004年6月に正式発表されましたが、その採用は同年5月発売のVAIO Pocketから始まっています。現在では、ソニーのウォークマンシリーズだけでなく、SDメモリーカードを利用する携帯電話にも採用されており、その汎用性の高さを示しています。

当初、ATRAC ADでサポートされていた音楽コーデックはATRACのみでしたが、ウォークマンの対応コーデック拡大に伴い、現在ではMP3、WMA、AAC、LPCMといった多様なコーデックにも対応しています。ただし、これらのコーデックを利用するためには、再生機器側がそれぞれのコーデックに対応している必要があります。

対応製品

ATRAC ADに対応する主なソフトウェアには、以下のものがあります。

• - SonicStage
• - CONNECT Player
• - BeatJam
• - X-アプリ
• - Sound it!

また、主な対応機器としては、以下のものが挙げられます。

AV機器

• - ウォークマン（ネットワークウォークマン）(NWD、NWZシリーズを除く)
• - VAIO Pocket
• - アイワ XDMシリーズ

PDA端末

• - ソニー mylo

カーナビゲーションシステム

• - HDDカーナビゲーションシステム XYZ
• - CRASVIA (クラリオン)
• - Smoonavi (クラリオン)
• - Gollira (三洋電機)
• - carrozzeria (パイオニア)
• - AVN (富士通テン)

携帯電話

• - MUSIC PORTER X
• - SO905i
• - WX310K

これらの製品群からも分かるように、ATRAC ADは、幅広い分野の機器で採用されており、音楽再生の基盤技術として広く普及しています。

関連項目

• - メモリースティック
• - メモリースティックオーディオ
• - MagicGate
• - OpenMG
• - SonicStage
• - x-アプリ

外部リンク

• - One Stop Site for Formats
• - オーディオフォーマット規格 ATRAC Audio Deviceの紹介

これらの外部リンクから、ATRAC ADに関するより詳細な情報を得ることができます。

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