AXIA A1

AXIA A1（アクシア エーワン）

AXIA A1は、富士フイルムがかつて展開していたオーディオブランド「AXIA」から、1991年（平成3年）から2006年（平成18年）にかけて販売されていた、音楽録音および一般録音用のコンパクトカセットテープです。

概要

A1は、ノーマルポジション（TYPE I）のテープを採用した、低価格帯のLH（Low-Class Low Noise High-Output）グレードに位置づけられる製品です。音楽録音だけでなく、会議や講演の記録など、幅広い用途に対応できるように設計されていました。

この製品は、1988年（昭和63年）から1990年（平成2年）まで製造・出荷されていた「UP」の後継モデルとして登場しました。UPからの進化として、より高品質な録音性能と使いやすさを追求していました。

特徴

A1の最大の特徴の一つは、発売当初から採用されていた、通常よりも20%薄いコンパクトなカセットケースです。これにより、持ち運びや保管が容易になり、ユーザーにとっての利便性が向上しました。

発売当初は日本国内で生産されていましたが、1993年（平成5年）のリニューアル以降、150分用を除き、海外生産に切り替えられました。これは、製造コストの削減と生産能力の向上を目的としたものでした。

販売終了

2005年（平成17年）12月末をもって、AXIAブランドの他の個人向け記録用メディア製品とともに、A1の製造と出荷は終了しました。その後は、市場に残っていた流通在庫のみが販売され、2006年9月には公式サイトでの掲載も終了し、完全に販売が終了しました。

バリエーションと競合製品

A1には、カラーバリエーションモデルとして「A1 COLOR」が存在していました。さらに、A1の横展開商品として、ハイポジション（TYPE-II）用の「A2」も発売されました。これにより、ユーザーは自身のニーズに合わせて製品を選ぶことができました。

当時の市場には、A1の競合製品として、TDK AE（そのOEM製品であるパナソニック PXを含む）、マクセル UR、ソニー HF、ビクター RZなどが存在していました。これらの製品は、それぞれ特徴的な音質や価格帯で、市場でのシェアを競い合っていました。

総括

AXIA A1は、その薄型ケースと手頃な価格帯で、多くのユーザーに支持されたカセットテープでした。音楽録音から日常の記録まで、幅広い用途に対応し、カセットテープ文化の一翼を担いました。

参考文献

* ONTOMO MOOK stereo編 カセットテープ完全アルバム 僕たちの青春を彩ったカセットテープのすべて 2023年（令和5年）12月1日発行 （音楽之友社） ISBN 978-4-276-96368-9

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