Amazon.comの合併・買収リスト

Amazonの買収戦略：多角化の軌跡

Amazon.comは、電子商取引の巨人として知られていますが、その成長の背後には積極的な買収戦略があります。1998年から現在に至るまで、Amazonは数多くの企業を傘下に収め、事業領域を拡大してきました。この文章では、その買収の歴史を詳細に見ていきましょう。

1998年：創業初期の買収

1998年、Amazonは事業拡大の足がかりとして、以下の企業を買収しました。

PlanetAll: リマインダーサービスを提供する企業で、Amazonの顧客管理戦略に貢献しました。
Junglee: XMLベースのデータマイニングスタートアップで、Amazonのデータ分析能力を強化しました。
Bookpages.co.uk: イギリスのオンライン書店で、Amazon UKの基盤となりました。
Telebook (www.telebuch.de): ドイツのオンライン書店で、Amazonドイツのオンラインストアに統合されました。
Internet Movie Database (IMDb): 世界最大の映画データベースで、Amazonのエンターテイメント事業の重要な一部となりました。

1999年：事業領域の拡大

1999年には、Amazonはさらに多様な企業を買収しました。

Alexa Internet: ウェブサイトのトラフィックデータを提供する企業で、Amazonのマーケティング戦略を支援しました。
Accept.com: 金融サービス企業で、Amazonの決済サービス開発に貢献しました。
Drugstore.com: オンライン薬局で、Amazonは40%の出資を行い、後に持ち株を売却しました。
GeoWorks: 無線通信企業で、Amazonのモバイル戦略の基礎となりました。
Pets.com: オンラインペット用品販売で、Amazonは54%の株式を取得しました。
LiveBid.com: インターネットオークションソフトウェア開発企業で、Amazonのオークション事業を支援しました。
e-Niche Incorporated: Exchange.com、Bibliofind.com、Musicfile.comを含む企業で、Amazonの専門分野における販売を拡大しました。
HomeGrocer.com: オンライン食料品店で、Amazonは35%の株式を取得しました。
Gear.com: スポーツ用品オンラインストアで、Amazonは49%の株式を取得しました。
Tool Crib of the North: オンラインツール販売企業で、Amazonの品揃えを拡充しました。
Convergence Corporation: ワイヤレスデバイスのインターネット接続ソフトウェア開発企業で、AmazonのIoT戦略に貢献しました。
MindCorps Incorporated: ウェブベースのデータベースアプリケーション開発企業で、Amazonのウェブサービスを強化しました。
Della.com: ギフトレジストリサービスで、Amazonは20%の株式を取得しました。
Back to Basics Toys: カタログ玩具ストアで、Amazonの玩具販売を強化しました。
Ashford.com: 高級品小売業者で、Amazonは16.6%の株式を取得しました。
Leep Technology Inc.: オンラインデータベースクエリツールおよびCRMソフトウェア開発企業で、Amazonのデータ管理能力を向上させました。

2000年代：電子商取引の強化

2000年代に入ると、Amazonは電子商取引分野をさらに強化しました。

2002年: CDNowオンライン音楽小売業者を買収し、音楽配信サービスの基盤を築きました。
2004年: Joyo.com中国の電子商取引サイトを買収し、中国市場への足がかりとしました。
2005年: BookSurge, Mobipocket.com, CreateSpace.com, Smallparts.com書籍のオンデマンド印刷、電子ブック、DVD配信、工業部品の分野を強化し、事業の多角化を進めました。
2006年: Shopbop女性向けデザイナーズ衣料品アクセサリーの小売業者を買収し、ファッション分野にも進出しました。
2007年: dpreview.com, Brilliance Audioデジタルカメラレビューサイトとオーディオブック出版社を買収し、Amazonのコンテンツ分野を拡大しました。

2008年以降：多様な分野への進出

2008年以降、Amazonはさらに多様な分野への買収を進めました。

2008年: Audible.com, Fabric.com, Box Office Mojo, AbeBooks, Shelfari, Reflexive Entertainmentオーディオブック、ファブリック販売、映画情報、古書販売、書評、ゲーム開発など、幅広い分野に参入しました。
2009年: Zappos, Lexcycle, SnapTell, Stanza靴とアパレル、電子ブックリーダー、画像マッチングのスタートアップなど、オンライン小売とテクノロジー分野への投資を拡大しました。
2010年: Touchco, Woot, Quidsi, BuyVIP, Amie Street, Toby Pressタッチスクリーン技術、オンラインディスカウント、ベビー用品、オンラインフラッシュセール、音楽配信、出版社など、多様な企業を買収しました。
2011年: LoveFilm, The Book Depository, Pushbutton, YapオンラインDVDレンタル、書籍販売、モバイルアプリ開発、音声認識技術など、エンターテイメントとテクノロジー分野の事業を強化しました。
2012年: Kiva Systems, Teachstreet, Eviロボット工学、オンライン教育プラットフォーム、音声認識技術など、テクノロジー分野への投資を継続しました。
2013年: IVONA Software, Goodreads, Liquavistaテキスト読み上げソフトウェア、書評サイト、電子ペーパー技術など、ソフトウェアとコンテンツ分野を強化しました。
2014年: Double Helix Games, comiXology, Twitchゲーム開発、デジタルコミック、ライブストリーミングなど、エンターテイメント分野への投資を強化しました。
2015年: Annapurna Labs, 2lemetry, ClusterK, Shoefitr, Safaba, Elemental Technologiesチップ設計、IoT、クラウド技術、シューズフィッティング技術、翻訳システム、映像処理など、テクノロジーとデータ分野を強化しました。
2016年: NICE, Curse, Inc., Biba Systemsソフトウェア、ゲームコミュニティ、コミュニケーションプラットフォームなど、テクノロジー分野を強化しました。
2017年: Harvest.ai, Thinkbox Software, Do.com, スーク・ドット・コム, ホールフーズ・マーケット, GameSparks, Graphiq, Wing.ae, Body Labs, Goo Technologies, Blink Home, DispatchAI、ソフトウェア、オンライン市場、食料品スーパー、ゲーム開発、データ可視化、ドローン、3Dモデリング、ロボット、スマートホームなど、多岐にわたる分野の企業を買収しました。
2018年: リングスマートホームセキュリティ企業を買収しました。
2022年: メトロ・ゴールドウィン・メイヤー映画スタジオを買収し、エンターテイメント分野での存在感を高めました。

まとめ

Amazonの買収戦略は、単なる電子商取引の枠を超え、テクノロジー、エンターテイメント、小売、クラウドサービスなど、多岐にわたる分野に及んでいます。これらの買収を通じて、Amazonは事業ポートフォリオを拡大し、競争力を高めています。今後もAmazonの動向から目が離せません。

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