Archos

Archos (アルコス)とは

Archosは、1988年にHenri Crohasによってフランスで設立された家電メーカーです。社名は創業者Crohasの姓のアナグラムであり、同時にギリシア語で「支配者」を意味する言葉に由来します。創業当初のスローガンは「Think Smaller」でしたが、後に「On The Go」へ、そして最近では「Entertainment your way」へと変化しています。

Archosはポータブルオーディオプレーヤー、ポータブルメディアプレーヤー、PVP（ポータブルビデオプレーヤー）、ハードディスクレコーダー、携帯情報端末など、幅広い製品を開発・製造しています。

2019年4月29日には、ベトナムのビングループとの間で資本業務提携が締結され、ビングループがArchosの株式60%を取得しました。

現行製品

Archos 10

2009年1月にArchos初のネットブック「Archos 10」をリリースしました。このネットブックはIntel Atom N260 CPU、10.2インチWSVGA画面、1GBのRAM、160GBのハードディスクを搭載し、Windows XPをプリインストールした一般的な構成でした。Hasee MJ125のOEM販売でしたが、プリインストールされているソフトウェアに違いがありました。Archosのウェブサイトでは、「ミニPC」と称されています。

Internet Media Tablet

2008年8月19日、ArchosはWiFiと3G携帯インターネット機能を備えた第6世代ポータブルメディアプレーヤーを発表しました。これらは「Internet Media Tablets (IMT)」と称され、ウェブブラウザやウェブTV、ラジオ機能を備えた多機能携帯端末でした。また、ハードディスクを内蔵し、大容量の記憶容量を誇っていました。例えば、Archos 5では60GB、120GB、250GBのモデルが、Archos 7では160GBと320GBのモデルが、Archos 5Gでは30GBのモデルが用意されていました。Archos 5Gでは3.5G HSDPA無線接続も可能でした。

第5世代ポータブルメディアプレーヤー

2007年6月14日、Archosは新たな主力製品である「605 WiFi」の詳細を発表しました。同時に「105」、「405」、「705」プレーヤーも発表されました。

「605 WiFi」と「405」は2007年9月1日に発売されました。「605 WiFi」には30GB、80GB、160GBのモデルがあり、他にSDHCスロットを装備した4GBモデルも存在しました。「405」はSDHCスロットを装備した2GBモデルでしたが、後に30GBモデルも追加されました。「105」はビデオ再生機能も持つ小型で安価なMP3プレーヤーであり、「705」は1世代前の704とほぼ同じ仕様でした。

このシリーズの主なアップグレードは、Archos Content Portals (APC) 対応機能の追加でした。

Archos TV+

Archos TV+は独立型のハードディスクレコーダーで、リモコンにQWERTY配列のキーを搭載し、インターネット利用も可能でした。第5世代ポータブルメディアプレーヤーの一環として発表され、Apple TVに対抗する製品として紹介されました。Archos TV+は2008年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショーでお披露目された後、1月に発売されました。

販売終了した製品

第4世代ポータブルメディアプレーヤー

AVシリーズの後継として、404、504、604、604 WiFi、704 WiFiなど8機種が2006年から2007年に発売されました。これらはMicrosoft PlaysForSure互換であり、別売りのDVR StationやDVR Travel Adaptorを接続することで、テレビなどを録画することができました。

PMA400

2005年 5月26日に発売されたPDAで、ハードディスクを装備し、音声/映像の録再が可能で、Qtopia Embeddedが動作しました。

AVシリーズ

第3世代のポータブルメディアプレーヤーで、AV300は2004年 3月22日から発売されました。別売りのAVCam 300を接続することでデジタルカメラとしても利用できました。AV400はコンパクトフラッシュカードスロットを標準装備し、DRM WMAをサポートしていました。WMVも再生可能でした。AV500はPMA400の直前に発売され、携帯可能でディスプレイを備えたハードディスクレコーダーでした。

Gminiシリーズ

Gmini 400は2004年10月に登場し、カラー液晶ディスプレイを備え、デジタル写真やオーディオ、ビデオを再生できました。後継のGmini 402はPlayForSure互換でした。Gmini 402 Camcorderには撮影機能とビデオ録画機能がありました。Gmini 500はAV500の直後に発売され、PlaysForSureに対応していました。Gmini 120およびGmini SPはDRM非対応でしたが、別売りのFMラジオアタッチメントを装備するとFMラジオを聴いたり録音したりできました。Gmini XS 100は1.5インチディスプレイを装備し、PlaysForSureに対応していました。Gmini XS 200はモノクロ画面を持ち、ギャップレス再生をサポートしました。Gmini XS 204はカラーディスプレイを装備し、画像を表示できました。

Jukeboxシリーズ

Jukebox 6000はArchos初のポータブルメディアプレーヤーの1つで、6GBのハードディスクを内蔵していました。MP3のみを再生でき、Musicmatch Jukeboxを搭載していました。後継はJukebox Studioでした。Jukebox Recorderには録音機能があり、Jukebox MultimediaはArchos初のポータブルメディアプレーヤーで、ビデオ録画フォーマットはDivX MPEG-4でした。

初期のプレイヤー

FM Recorder - FMチューナー付きのレコーダー
Recorder v2 - 録音可能なポータブルオーディオプレーヤー
Ondio SP - Archos製でも最小のMP3プレーヤー。Rockboxでサポートされています。
Ondio FM - Ondio SPにFMチューナー（録音）機能を追加したもの。

ポータブルストレージデバイス

主力製品ではありませんでしたが、Archosはこれまでいくつかのポータブルストレージデバイスを販売してきました。この系列の最後の製品は2005年発売のArcDiskでした。

協業

Content Protals

第5世代ポータブルメディアプレーヤーとArchos TV+に合わせて2007年にリリースされました。Archos Content Portals (ACP) は、ビデオのオンデマンド購入やレンタルを、これらの機器から直接行うための仕組みでした。しかし、iTunesのようなPC上のソフトウェアは用意されていませんでした。名称が複数形になっているのは、複数のディストリビュータが同じサービスを提供しているためで、例えば北米ではCinemaNowがありました。Archosは世界中にACPパートナーを配置していました。

MoovyPlay

MoovyPlayは2007年にフランスのCinebankが開始したサービスです。映像ソフトを格納したハードディスクドライブをレンタルし、Archos製の専用プレーヤーに接続して視聴できました。フランスではそれなりの成功を収めました。

PocketDish

ディッシュ・ネットワークは2005年からArchosの株式の19%を保有しており、Archos製プレーヤーをPocketDishのブランドで販売していました。現在は605 WiFiと705 WiFi用にディッシュ・ネットワーク向けのプラグインを無料で提供しています。

その他

アメリカン航空

2007年5月、アメリカン航空は、Archos 604および704sをファーストクラスの座席に配備する計画を発表しました。

Opera

オペラ・ソフトウェアは、PMA400からArchos機器向けにウェブブラウザを提供しています。Wiiなどに対応しているOpera Devicesの一バージョンです。第5世代プレーヤーでは、Adobe Flashサポートが追加されました。

SFR

2007年末、フランスの携帯電話会社SFRは、Archosと共同で新たに3G通信機能を利用した機器を開発することを発表しました。それがArchos 5gであり、SFRからは割引価格で購入できました。