Audiomachine

Audiomachine（オーディオマシン）: 映画音楽の最前線

Audiomachineは、2005年にポール・ディンレティアとキャロル・ソヴィンスキーによって設立された、アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするプロダクション音楽レーベルです。主に映画予告編向けの音楽を制作しており、その楽曲は、数多くの映画予告編や、広告、スポーツイベントなど、幅広いメディアで利用されています。近年では、商業アルバムもリリースし、一般にもその名が知られるようになりました。

概要

Audiomachineの楽曲の特徴は、1分から3分程度の短い時間で、映画本編さながらの迫力を表現する点です。楽曲は、オーケストラやシンセサイザーを駆使して制作され、クライマックスシーンのような濃密な構成が特徴です。業界向けの音楽レーベルであるため、一般販売されていない楽曲も多数存在します。また、映画の多様なジャンルに対応するため、時に不協和音に近い実験的な楽曲も制作されます。商業アルバムは、ビルボードのクラシックチャートで上位にランクインするなど、業界内外から高い評価を得ています。スター・ウォーズ、マーベル、ディズニーといった有名映画シリーズの予告編にも、数多くの楽曲が使用されています。

歴史

2005年、ポール・ディンレティアとキャロル・ソヴィンスキーは、ライブラリー音楽専門のレーベルとしてAudiomachineを設立しました。主要メンバーはディンレティアとケビン・リックスですが、多くの作曲家がAudiomachine名義で楽曲をリリースしています。当初はトレーラー音楽を中心に制作していましたが、近年ではスポーツメディアでの使用も増えています。2010年、2012年、2014年のオリンピックでは、「Epic Music」という公式プログラムで楽曲が紹介されました。

設立当初は楽曲の一般販売は行われていませんでしたが、2012年にコンピレーション・アルバム『Chronicles』をリリースしたことをきっかけに、定期的に楽曲が販売されるようになりました。2016年まではコンピレーションアルバムが中心でしたが、それ以降はオリジナルアルバムのリリースが中心となっています。業界向けのアルバムは、YouTube Musicで公開されているほか、公式サイトで無料で試聴することができます。

2014年には、PlayStation 4|PlayStation_4のゲーム『Call of Duty: Advanced Warfare』のサウンドトラックを、ハリー・グレッグソン＝ウィリアムズと共同で作曲しました。アルバム収録曲のうち19曲がAudiomachineの作曲です。また、2019年からは、モバイルゲーム『Call of Duty: Mobile』の各シーズンのテーマ曲も担当しています。Call of Dutyシリーズは、FPSゲームの中でもトップクラスの人気を誇ります。

Audiomachineは、2017年にレーベルロゴを一度変更しています。それに伴い、『Drumscores 2』以前のオリジナルアルバムと商業用コンピレーションアルバムのアートワークが新しく作り直されました（一部の販売サイトでは変更されていない場合もあります）。シングル、EP、プロモーション用コンピレーションアルバムは、旧ロゴのデザインのまま変更されていません。また、スタジオシリーズのアートワークには、専用のデザインが使用されています。

Audiomachineは、リミックスアルバムもリリースしています。2014年の『Remixed』では、既存の楽曲を他の作曲家がリミックスするという試みが行われました。また、他のアーティストの楽曲のリアレンジも行っており、2018年の『Trailerized: Covers and Originals』では、ジョン・レノンやビリー・ウィリアムズなどの有名アーティストの楽曲をリアレンジし、4曲のオリジナル曲も収録しています。2019年には、シューベルトやバッハなどクラシック音楽家の楽曲をリアレンジした『Reimagined』、2021年には、クリスマスの定番曲をリアレンジした『Twas the Night』をリリースしています。

2020年以降は、通常のアルバムとは異なるジャンルのスタジオシリーズを定期的にリリースしています。通常のアルバムがオーケストラや電子音楽による壮大なインストゥルメンタルが中心であるのに対し、スタジオシリーズは落ち着いたテンポのインストゥルメンタルや、歌のあるポップミュージックに近いジャンルが中心です。

Audiomachineは、楽曲だけでなく効果音も制作しており、『Tools of the Trade』シリーズを中心に、さまざまな効果音が収録されています。これらの効果音は、数秒程度の短いものから、1分程度の環境音まで、幅広い種類があります。

楽曲が使用された作品

Audiomachineの楽曲は、数多くの映画予告編、テレビドラマ、広告、スポーツイベントなどで使用されています。

映画予告編:
ハンコック
ファンタスティック・フォー:銀河の危機
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
カンフー・パンダ
スパイダーマン3
トランスフォーマー
天使と悪魔
ヴェノム
アバター
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー|ヘルボーイ_ゴールデン・アーミー
ヒューゴの不思議な発明
アイ・アム・レジェンド
ダイ・ハード4.0
プライド&グローリー
プロメテウス
ガーディアンズ 伝説の勇者たち
ホビット 思いがけない冒険
ホビット 竜に奪われた王国
カールじいさんの空飛ぶ家
マイティ・ソー: ダーク・ワールド
ノア 約束の舟|ノア_約束の舟
エクソダス: 神と王
ヒックとドラゴン2
インクハート/魔法の声|インクハート_魔法の声
ブラッド・ダイヤモンド
プレステージ
美女と野獣
ドリーム
ローグ・ワン: スター・ウォーズ・ストーリー
キュア 〜禁断の隔離病棟〜
ロスト・シティZ 失われた黄金都市
スパイダーマン: ホームカミング
スプリット
モンスタートラック
コウノトリ大作戦!
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
オデッセイ
アベンジャーズ: インフィニティ・ウォー
プーと大人になった僕
アベンジャーズ: エンドゲーム
アナと雪の女王2
ブラック・ウィドウ

テレビドラマ予告編:
iBoy
プリズン・ブレイク
ゲーム・オブ・スローンズ
ウエストワールド
ヴォルトロン
ラスト・キングダム

広告:
ボルボ
アディダス
アクアフレッシュ
アウディ
クライスラー
コカ・コーラ
Dairylea
Flonase
ガルニエ
メルセデス・ベンツ
ナイキ
ニベア
ポルシェ
ジープ
ライダー
Visit London
フォルクスワーゲン
デルタ航空
ボストン・セルティックス
グレート・ウェスタン・レールウェイ
イー・トレード
スタンダードチャータード銀行
パンドラ - ザ・ワールド・オブ・アバター
スタークラフト2
Mass Effect Legendary Edition

フィギュアスケート:
佐藤 駿
周 凱翔
ヴィクトール・ファイファー
アダム・シャオ・イム・ファ

具体的な楽曲の使用例

アルバム『Phantasm』収録の「Carpe Diem」は、2016年のFIA 世界耐久選手権でのポルシェ勝利シーンで使用されました。
アルバム『Trailer Acts 2』収録の「An Unfinished Life」は、2016年のル・マン24時間レースの動画クリップで使用されました。
アルバム『Decimus』収録の「Warland's Fury」、「The Lion's Heart」、「Voyage of Dreams」は、2016年リオデジャネイロオリンピックの開会式モンタージュで使用されました。
アルバム『Phenomena』収録の「Gathering of the Clans」は、第88回アカデミー賞のオープニングモンタージュで使用されました。
アルバム『Terminus』収録の「Akkadian Empire」は、ビデオゲーム『スタークラフト2』のCMで使用されました。
アルバム『Ascendance』収録の「Dauntless」は、ビデオゲーム『Mass Effect Legendary Edition』のCMで使用されました。

ディスコグラフィー

Audiomachineのディスコグラフィーには、スタジオアルバム、リミックスアルバム、スタジオシリーズ、コンピレーションアルバム、シングルとEP、サウンドトラックなど、幅広いジャンルが含まれています。具体的なタイトルについては、公式ウェブサイトや音楽配信サービスで確認できます。

まとめ

Audiomachineは、映画音楽の分野で独自の地位を確立した音楽レーベルです。その迫力あるサウンドは、多くの映像作品に深みと感動を与えています。今後も、Audiomachineの音楽は、さまざまなメディアで私たちの耳を楽しませてくれることでしょう。

外部リンク

公式ウェブサイト
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