BSフジ競馬中継

BSフジ競馬中継の変遷

BSフジで放送されている中央競馬中継番組は、地上波との同時放送から独自制作へと変遷を遂げ、現在は『BSスーパーKEIBA』として放送されています。本稿では、その歴史と内容について詳しく解説します。

概要

BSフジの競馬中継は、大きく分けて以下の2つの形態があります。

1. 地上波同時放送版: FNS系列の地上波競馬中継番組を同時放送する形式。
2. BSフジ独自制作版: BSフジが独自に制作する形式。

地上波同時放送版

主に以下の地上波番組をネット受けしていました。

フジテレビ系列: 『スーパー競馬』→『みんなのケイバ』→『みんなのKEIBA』
関西テレビ系列: 『ドリーム競馬』→『DREAM競馬』→『競馬BEAT』
北海道文化放送: 『ドラマチック競馬』

放送開始時には「本日のBSフジ競馬中継は、（放送局）制作（番組名）を放送します」とテロップ表示されていました。

放送するレースは、原則として最も格の高い重賞レースが開催される地区のものを優先していました。ただし、同じ格の場合はFNS各局の社杯や産経系の社杯、それ以外は関東開催のレースを優先していました。

しかし、例外も多く存在しました。

日経新春杯: 京都競馬場で開催されるGIIレースですが、同日に中山競馬場で行われるGIIIの京成杯が皐月賞へ繋がる重要なレースであるため、フジテレビ制作版が放送されました。
その他: 新潟大賞典（GIII）開催日に京王杯スプリングカップ（GII）を放送したり、札幌記念（JpnII）・小倉2歳ステークス（JpnIII）開催日に新潟2歳ステークス（JpnIII）を放送したり、天皇賞（春）（GI）開催日に『みんなのケイバ』を放送したりするなど、様々なケースが見られました。
2010年以降: 『みんなのKEIBA』中心の放送となり、他地区の中継はGI開催日が中心となりました。また、他地区のメインレースは番組内で結果のみ伝えられることが多くなりました。

放送時間は毎週日曜日15:00 - 16:00でしたが、地上波の放送開始時間によってはそれに準じていました。

BSフジ独自制作版

かつて放送されていた『競馬大王』の内容を一部引き継ぎ、独自の視点で競馬中継を行っていました。通称「BSオリジナルバージョン」または「元・競馬大王」と呼ばれていました。

特徴として、自場のパドックは独自映像・音声で放送し、レース映像は地上波と同じものを使用（字幕スーパーは一部独自）していました。

2010年までは、日本ダービー、七夕賞、天皇賞（秋）、ジャパンカップと、FNS系地上波で競馬中継が放送できない日（例：FNSの日、F1日本グランプリ）の代替として放送されていました。

2011年以降は放送日程が異なり、フェブラリーステークス、ヴィクトリアマイル、安田記念などが独自制作版で放送されるなど、多様なレースが取り上げられました。

基本放送時間は14:00 - 16:00でしたが、F1グランプリ中継などにより、放送時間が変更されることもありました。また、FNSの日と重なる場合は、東日本地区の主場（新潟競馬場が多い）から中継していました。

2012年3月11日には、地上波放送が東日本大震災関連の報道特別番組となったため、BSフジのみで特別放送が行われましたが、内容は地上波の『みんなのKEIBA』をベースにしたものでした。

しかし、2012年12月23日にBSフジの都合により放送が打ち切られ、フジテレビ系列を視聴できない地域では、日曜日の15時台発走のレースを無料放送で視聴することが困難になりました。

終了から6年後の2018年10月14日には、『BSスーパーKEIBA』として一部重賞競走施行日にBSオリジナルでの競馬中継番組が復活放送されました。

中継実績

各年の放送番組名と制作担当局は以下の通りです（略称を使用）。

BS: BSフジオリジナル
MK: みんなのKEIBA
S: スーパー競馬
DM: DREAM競馬
KB: 競馬BEAT
DT: ドラマチック競馬
NM: NSTみんなのKEIBA
BSF: BSフジ
UHB: 北海道文化放送
FTV: 福島テレビ
CX: フジテレビ
NST: 新潟総合テレビ
THK: 東海テレビ
KTV: 関西テレビ
TNC: テレビ西日本

（各年の中継実績表は省略）

BSフジ独自制作版の詳細

司会者

須田鷹雄（競馬ライター）
西島まどか（タレント）
長野翼（フジテレビアナウンサー）
相川梨絵（タレント）
梅津弥英子（フジテレビアナウンサー）
もりちえみ（タレント）
長谷川豊（フジテレビアナウンサー）

解説者

椋木宏（競馬エイトトラックマン）

ゲスト解説者

阿部幸太郎（競馬評論家）
東信二（競馬評論家）
鈴木淑子（競馬ジャーナリスト）
秋山響（海外競馬評論家）
井上オークス（競馬ライター）
山本潤（グリーンチャンネルキャスター）

使用曲

Five Colours In Her Hair（McFly）
空飛ぶ都市計画（capsule）
Adventure（capsule）
Eternity（capsule）
Garden City（John Tesh）
Viva La Vida（The Standard Club）

競馬大王

BSフジ開局直後の2000年12月3日から2004年12月26日まで放送されていた競馬中継番組です。『ハイビジョン競馬』の流れを汲んでおり、独自の番組作りが特徴でした。

当初は競馬場のスタジオから中継を行っていましたが、JRAの予算削減により、フジテレビのスタジオからの放送に変更されました。番組キャラクターには大王の格好をした馬が使用されていました。

番組内容

従来の競馬中継の枠にとらわれない斬新な番組であり、多くのファンに支持されました。番組コンセプトは「競馬ファン同士で競馬場に行って競馬を観戦している様子をそのまま放送する」でした。

主なコーナーは以下の通りです。

仕上げキッチリ、見た目ガッカリ: パドック解説で、人気馬でも容赦なく斬る辛口評価が特徴。
アベコーの万券予報: 阿部幸太郎が、万馬券が出そうなレースを独自の視点で予想するコーナー。
フジの馬っ券王: 視聴者参加型の馬券購入ゲーム。
がっちり消しまショー!: 出演者共同で、レースで絡まないであろう馬を消していくコーナー。
各競馬場メインレース優先放送: GIの本馬場入場などと重なってもメインレースを優先して放送。

出演者

須田鷹雄（競馬ライター）
長谷川豊（フジテレビアナウンサー）
相川梨絵（タレント）
津島亜由子（タレント）
長野翼（フジテレビアナウンサー）
椋木宏（競馬エイトトラックマン）
佐藤寿恭（競馬評論家）
阿部幸太郎（競馬評論家）
東信二（競馬評論家）

BSスーパーKEIBA

2018年10月14日に放送開始した、BSオリジナル競馬中継番組。『スーパー競馬』のオマージュであり、BGMも多くが地上波のスーパー競馬と同様の形で使用されています。

内容は、当日の準メイン・メインレースの中継が中心で、地上波のような主要レースのVTRは放送せず、注目馬の情報などに絞ったコンパクトな内容となっています。

毎回CM明けには、当日のメインレースの過去の開催を振り返る「○○ Memories」というコーナーがあります。

当初は月1回程度の放送でしたが、2021年に通年レギュラー放送枠となりました。

中継映像は、原則としてグリーンチャンネルと同じJRA公式映像を使用していますが、関東主場は『みんなのKEIBA』と同じ映像を使用しています。JRAが主導する中央GI競走が民放BSで放送されるのは、極めて稀なケースです。

2022年以降は、関東主場の中継は『みんなのKEIBA』をもとにした独自テロップ送出が行われています。

司会

福原直英（フジテレビアナウンサー）
青嶋達也（フジテレビアナウンサー）
小澤陽子（フジテレビアナウンサー）
小山内鈴奈（フジテレビアナウンサー）
酒主義久（フジテレビアナウンサー）
倉田大誠（フジテレビアナウンサー）
立本信吾（フジテレビアナウンサー）
小室瑛莉子（フジテレビアナウンサー）
梅津弥英子（フジテレビアナウンサー）
岸本理沙（フジテレビアナウンサー）

解説者

競馬エイトトラックマンが各日1人起用されています。
片桐靖弘
佐藤ゆきあき
沢田知希
高尾幸司
椋木宏
横山英二
翔太郎

ゲスト

岩瀬仁紀
黒澤ゆりか
杉本清
鈴木淑子
ほのか
松田丈志
安田美沙子
山本昌
横山ルリカ
Lynn|lynn

使用曲

Running From Dinosaurs（Immediate Music）
WALL STREET（服部隆之）
スーパー競馬メインタイトル（千住明）
BIG CHANCE（服部隆之）

中継実績（BSスーパーKEIBA）

（各年の中継実績表は省略）

日曜以外での特別編成

『競馬大王』放送時、2002年5月3日（金）に特別編成で放送されたことがあります。

また、地方競馬のダートグレード競走の中継をBSフジで放送することがあります。

地方競馬中継の編成

2019年以降、地方競馬のダートグレード競走（JBC競走、東京大賞典など）をBSフジで中継することがあります。特にBSフジ賞（東京大賞典）は、BSフジに加え、地上波でも放送されます。

各年の中継実績は以下の通りです。

2019年: JBC競走、東京大賞典
2020年: JBC競走、東京大賞典
2021年: 東京大賞典
2022年: JBC競走、東京大賞典
2023年: JBC競走、東京大賞典
2024年: 東京大賞典（予定）

その他

『競馬大王』放送時、地上波で出走馬テロップが出ないときはBSフジから表記することがあった。
2008年3月30日の放送では提供読みを間違えて放送してしまった。
同年10月12日の放送では、勝利騎手インタビュー時にフジテレビのカメラが騎手を捉えられなかったため、BSフジのレース映像が急遽挿入された。
2009年10月18日からは、GIレース当日の関西テレビ制作『競馬BEAT』放映時に5.1サラウンド放送を実施している。
2011年5月15日からは、WIN5の対象レースを全て放送するようになった。
連動データ放送では、全競馬場の全レースのオッズと確定結果を表示しているが、馬単・三連複・三連単には対応していない。

関連番組

BSイレブン競馬中継（BS11）: 2011年開始の競馬番組。

外部リンク

* 『BSスーパーKEIBA』公式サイト

以上が、BSフジ競馬中継の変遷と詳細です。

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