D-subminiature

D-subminiatureコネクタ：コンピュータ周辺機器接続のスタンダード

D-subminiatureコネクタ、通称D-sub（ディーサブ）は、コンピュータと周辺機器を接続するためのコネクタ規格として広く普及しています。その名の通り、アルファベットのD字型をした金属シールドに、複数のピンコンタクトまたはソケットコンタクトが2列～3列に並んだ構造が特徴です。この形状が名前の由来となっています。

D-subコネクタは、DIN 41652、MIL-DTL-24308、IEC 807-3といった国際規格にも準拠しており、1952年にアメリカのキャノン社によって開発されました。長年にわたり、様々なコンピュータや周辺機器で採用されてきた歴史を持つ、信頼性の高いインターフェースです。

種類と用途

D-subコネクタは、シェルサイズとピン数によって分類されます。一般的には、1文字目がD-subを表し、2文字目がシェルサイズ（A=15ピン、B=25ピン、C=37ピン、D=50ピン、E=9ピン）、続く数字がピン数を示す命名法が用いられます。例えば、DA15は15ピンコネクタ、DE15は3列配列の15ピンコネクタを表します。

コンピュータ周辺機器においては、以下の種類が特に多く使用されてきました。

9ピン（DE-9コネクタ）: RS-232Cなどのシリアルポートで広く利用されました。ゲーム機のジョイスティック端子としても採用された歴史があり、特にAtari 2600のジョイスティック端子は「ATARI仕様」として、PC-8801、PC-9801、MZ-2500、MSX、X68000、FM TOWNSといった日本の機種にも受け継がれました。一部のPC-9801機種では、バスマウスのコネクタとしても用いられました。

15ピン（DA-15/DE-15コネクタ）: 2列配列のDA-15コネクタはゲームポートとして使用されることが多く、日本の独自規格機やMacintoshの一部機種ではアナログディスプレイ接続にも用いられました（ピンアサインは機種によって異なります）。3列配列のDE-15コネクタ（ミニD-sub15ピン）は、AT互換機でのアナログディスプレイ接続に広く使われ、この用途においてはVGA端子と呼ばれることもありました。Atari Jaguarのジョイスティック端子としても使用されましたが、ネジ止めができないため抜けやすく、問題視されました。

23ピン（DB-23Fコネクタ）: Amigaコンピュータの専用ディスプレイ接続端子「Amiga video connector」として知られています。日本では馴染みが薄く、自作ケーブル用コネクタの入手も困難だったため、25ピンコネクタを改造して利用するユーザーもいました。近年では、3[[Dプリンター]]用データが公開されるなど、自作ケーブル作成のハードルが下がっています。

25ピン（DB-25コネクタ）: セントロニクス方式のパラレルポート、RS-232Cなどのシリアルポートで使用されました。MacintoshなどではSCSIコネクタとしても使われていました。

* 37ピン（DC-37コネクタ）:日本ではアイシーエムがSCSI機器接続に使用していました。

ハーフD-sub

「ハーフD-sub」と呼ばれるコネクタも存在しますが、これらはD-subとは異なる規格です。代表的なものとして、SCSI機器接続用の50ピン（HDB-50コネクタ）と68ピン（HDB-68コネクタ）があります。

D-subコネクタは、その長い歴史と幅広い用途から、現代においてもその存在感を示しています。ただし、近年はより高性能なインターフェースが登場しており、徐々に使用頻度は減少傾向にあります。しかし、レトロゲーム機や古い機器との接続においては、依然として重要な役割を担っています。

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