EVEシリーズ

EVEシリーズ

『EVEシリーズ』は、シーズウェア（姫屋ソフトのゲームブランド）が開発したアドベンチャーゲームシリーズです。1995年にPC-9800シリーズ用ソフトとして第1作『EVE burst error』が発売され、アダルトゲーム市場で大きな成功を収めました。

概要

マルチサイトシステム

本作の特徴は、私立探偵の天城小次郎と国家エージェントの法条まりなという、立場の異なる2人の主人公を交互に操作し、それぞれの視点から物語を読み解く「マルチサイトシステム」です。このシステムにより、複雑に絡み合った事件の真相が徐々に明らかになる、推理サスペンス要素の強いアドベンチャーゲームとなっています。

シリーズ展開

『EVE burst error』のヒット後、シリーズは様々な続編やリメイク版が制作されました。主な作品としては、以下のようなものがあります。

『EVE The Lost One』（1998年）
『ADAM THE DOUBLE FACTOR』（1999年）
『EVE ZERO』（2000年）
『EVE The Fatal Attraction』（2001年）
『EVE new generation』（2006年）
『EVE rebirth terror』（2019年）
* 『EVE ghost enemies』（2022年）

特に1作目は多くのプラットフォームに移植・リメイクされており、その人気ぶりが伺えます。

スタッフの変遷

シリーズが進むにつれて、主要スタッフの変更がありました。『EVE The Lost One』以降は、企画・脚本・ゲームデザイン・プログラムを担当した剣乃ゆきひろ、キャラクターデザイン担当の田島直、音楽担当の梅本竜などがシーズウェアを退職し、シリーズを重ねるごとに中核スタッフは変更されるようになりました。ゲームの売り上げも、『EVE The Lost One』をピークに下降線をたどりました。

ブランドの変遷

シーズウェアブランドは2003年以降事実上活動を停止し、販売元のゲームビレッジ（ネットビレッジ）もゲーム事業部が縮小されました。2006年以降は角川書店から発売されています。なお、同シリーズの版権は他社へ移譲されたといわれていましたが、2006年8月31日発売の『EVE new generation』には著作権者としてシーズウェアの名が記されています。

ノベライズ

本シリーズはノベライズもされており、『EVE The Lost One』のシナリオライターである桜庭一樹（山田桜丸名義）が執筆しています。

主要登場人物

天城小次郎（あまぎ こじろう）

私立探偵。『EVE burst error』をはじめとする多くのシリーズ作品で主人公を務めます。驚異的な推理力を持つ名探偵ですが、女性好きで、どこか抜けた一面も持ち合わせています。

法条まりな（ほうじょう まりな）

内閣情報調査室所属の1級捜査官。『EVE burst error』をはじめとする多くのシリーズ作品で主人公を務めます。普段は明るくいい加減な性格ですが、任務遂行のためには手段を選ばない有能なエージェントです。

桂木弥生（かつらぎ やよい）

桂木探偵事務所の所長で、小次郎の元恋人。小次郎をサポートする一方で、複雑な感情を抱えています。

氷室恭子（ひむろ きょうこ）

元教育監視機構のエージェントで、現在はあまぎ探偵事務所の事務員。エリート意識が強く、高圧的な部分もありますが、小次郎に愛情を抱いています。

甲野三郎（こうの さぶろう）

まりなの上司で、内閣調査室（JCIA）所属。オネエ言葉が特徴的な、ダンディな中年男性です。

柴田茜（しばた あかね）

ルポライター。小次郎とは旧知の仲で、情報提供や依頼を通じて関わります。

プリシア・レム・クライム

エルディア共和国の女王候補。日本での王位継承事件の際、小次郎に助けられます。

御堂真弥子（みどう まやこ）

エール外国人学校に通うエルディア国駐日大使の令嬢。まりなとの出会いが彼女の人生に大きな影響を与えます。

二階堂進（にかいどう　すすむ）

桂木探偵事務所の所員。所長である弥生に気があり、小次郎をライバル視しています。

香川美純（かがわ みすみ）

国家機関の内務調査官。まりなの御堂真弥子護衛任務に不手際があったとして監査することになります。

桂木源三郎（かつらぎ げんざぶろう）

弥生の実の父親で、元・桂木探偵事務所の所長。天涯孤独になった小次郎に探偵としてのあらゆるノウハウを叩き込んだ養父です。

まとめ

『EVEシリーズ』は、魅力的なキャラクターと重厚なストーリー、そして斬新なゲームシステムで、今もなお多くのファンを魅了し続けているアドベンチャーゲームです。

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