HJ重工業

HJ重工業について

HJ重工業（エイチジェイじゅうこうぎょう）は、韓国における造船業と建設業を中心とした企業です。元々は韓進重工業という社名で知られ、2021年に現在の名称に変更されました。その歴史は1937年にさかのぼり、当初は朝鮮重工業として設立されました。会社は日本統治時代に設立されたことから始まりましたが、1945年の第二次世界大戦後には大韓造船公社という形に再編成され、1968年には極東海運の傘下となりました。

1988年には経営問題から会社整理が始まり、1990年代に入ると韓進グループが買収し、韓進重工業として新たに操業を開始しました。しかし、2005年には公正取引法の影響を受けて、韓進グループから独立し、現在のHJ重工業としての道を歩み始めました。

造船部門

造船部門は、創業から続くHJ重工業の中心的なビジネスの一つです。特に、釜山広域市影島区に位置する影島造船所は、大韓民国で最も古い造船所として知られています。これに加えて、フィリピンのスービック湾にも70万坪の広さを持つ造船所を設立し、現在では2つの造船所を運営しています。これらの造船所では、各種の商船や軍艦が建造されています。

2007年度の受注残量は、191万CGTを記録し、業界内で14位に位置付けられました。また、1991年には馬山市にある韓国タコマ造船所を買収しましたが、2007年にはその施設を城東造船海洋に売却しています。

2010年代初頭の造船不況の影響を受け、経営が厳しくなった時期もありましたが、2018年には、フィリピンのスービック湾工場で世界最大級のコンテナ船（20600TEU級）を竣工させるなどの成果を上げました。しかし、その一方で、韓国海軍の独島級揚陸艦を建造した際に不正疑惑が報じられるなど、問題も抱えていました。2019年には、フィリピンにある法人が会社更生法の適用を申請し、負債の総額が約4億ドルに達したことも注目を浴びました。

建設部門

HJ重工業の建設部門は、1967年から浚渫工事を行い、1992年から2001年にかけて仁川国際空港の建設に参加するなど、多岐にわたって展開しています。特に、永宗大橋の建設は大規模なプロジェクトとして評価されています。また、マンション開発においては、2006年から「へモロ」というブランド名で事業を開始しました。

鉄道事業

アジア通貨危機を契機に企業構造の見直しが行われ、HJ重工業は鉄道製造事業を現代ロテムと統合する決定をしました。この統合により、鉄道車両の製造がより専門的に行われるようになりました。

国内競争

韓国の造船業界には多くの競合他社が存在しています。特に、HD現代重工業やサムスン重工業、現代三湖重工業、STX造船海洋などが挙げられます。これらの企業は、造船業界での競争を激化させており、HJ重工業もその競争環境の中で成長を目指しています。

HJ重工業の今後の展開に期待が寄せられる中、市場のニーズに応じた革新を続けることが求められています。

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