J-16 (航空機)

J-16（殲撃十六型）

J-16、正式には殲撃十六型は、中華人民共和国の瀋陽飛機工業集団によって開発された戦闘爆撃機です。この機体は、2014年1月時点で中国海軍で25機が運用されており、その中には試作機も含まれています。その後、同年4月からは中国空軍でも受領して運用が開始されました。

設計と開発

J-16はJ-11B（Su-27SKを基にした中国版）を複座型として改良したJ-11BSをベースにしています。さらに、Su-30MK2と同様の仕様にアップグレードされており、航続距離が増加し、アビオニクス（航空機搭載機器）の性能も強化されています。中国のメディアによると、J-16は2000年に売却されたロシアのSu-30MKKの影響を受けて開発されたとされています。J-16の存在は2012年の初めから中国のネット上に公開されました。

外見の特徴としては、J-11BSやJ-15とほぼ同じですが、主な変更点として垂直尾翼の形状や空中給油装置の追加があります。また、PL-8ミサイルの運用能力を備えています。

技術的特長

この戦闘機には、1760型アクティブフェーズドアレイレーダーが搭載されていて、これはJ-11やJ-15と同じ607研究所によって開発されています。先進的な電波吸収体と複合材の使用により、機体のステルス性が強化されており、搭載能力の向上に伴って機体構造も強化されています。さらに、ミサイル警報装置や電波妨害装置（ECM）のアップデート、WS-10Aエンジン、新型電子機器の導入といったさまざまな改良が施されています。また、YJ-91などの空対艦ミサイルを運用する能力も持ち合わせています。

特筆すべきは、2015年12月18日に初飛行したJ-16の電子戦型です。この型は、翼端の短距離ミサイルランチャーが電子戦ポッドに置き換えられており、IRSTや機銃を除去しているため、電子戦に特化した仕様になっています。

機体仕様

• - 乗員: 2
• - 全長: 21.9 m
• - 全高: 6.36 m
• - 翼幅: 14.7 m
• - 翼面積: 62.04 m²
• - 空虚重量: 17,700 kg
• - 運用時重量: 26,000 kg
• - 最大離陸重量: 35,000 kg
• - 動力: WS-10Bターボファンエンジン

この機体は、最大で89.17 kNの推力を持ち、アフターバーナー使用時には132 kNまで引き上げることが可能です。このため、J-16は最高速度マッハ2.0を達成し、航続距離は3900 km、実用上昇限度は17,300 mに達します。

武装

J-16はさまざまな武器を搭載可能で、具体的には以下のような装備があります。

• - 固定武装: GSh-30-1 30mm機関砲（150発）
• - 空対空ミサイル: PL-12×8、PL-15×8、PL-21×4、PL-8×4、PL-10×4
• - 対艦ミサイル: YJ-91、YJ-81、YJ-83、YJ-12
• - 対レーダーミサイル: LD-10
• - 爆弾: GPS誘導爆弾（FT-1/-3、LS-6）、レーザー誘導爆弾（FT-2、LT-2）

派生型

• - J-16: 基本の複座型で、多用途戦闘機や戦闘爆撃機として使用されます。
• - J-16D: 電子戦型で、電子戦ポッドが装備され、IRSTや機銃が除去されています。

関連機体

J-16は、Su-30MKKやJ-11Bと同様、第4.5世代のジェット戦闘機に分類され、F-15E ストライクイーグル、ユーロファイター タイフーン、ラファール、F/A-18E/F スーパーホーネットなど、他の多用途機と似た設計思想を持っています。

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