KAWADE道の手帖

『KAWADE道の手帖』は、河出書房新社が2005年から2014年にかけて刊行したムック・レーベルです。文芸誌「文藝別冊」の姉妹編として、思想、文学、歴史、民俗学、芸術など、多岐にわたるジャンルをテーマにした専門性の高い内容が特徴です。各号は、特定の人物やテーマに焦点を当て、その思想や業績、生涯などを深く掘り下げています。

特徴

多様なテーマ: 哲学者の西田幾多郎やドゥルーズ、仏教学者の中村元、作家の埴谷雄高や吉屋信子、思想家の丸山眞男や鶴見俊輔など、幅広い分野の人物を取り上げています。
専門的な内容: 各分野の専門家が執筆・編集に携わっており、学術的な深さと読みやすさを両立させています。
美しい装丁: 各号ごとに趣向を凝らした装丁が施されており、コレクションとしても楽しめます。
姉妹編: KAWADE夢ムック（文藝別冊）という姉妹編のシリーズも存在します。

主な刊行物

以下は、『KAWADE道の手帖』の主な刊行物の一部です。

宮本常一：旅する民俗学者
サンカ：幻の漂泊民を探して
西田幾多郎：永遠に読み返される哲学
中村元：仏教の教え 人生の知恵
ドゥルーズ：没後10年、入門のために
種村季弘：ぼくたちの伯父さん：追悼特集
靖国問題入門：ヤスクニの脱神話化へ
空海：世界的思想としての密教
丸山眞男：没後10年、民主主義の<神話>を超えて
唐十郎：紅テント・ルネサンス!
鈴木大拙：没後40年
ベンヤミン：救済とアクチュアリティ
埴谷雄高：新たなる黙示
武満徹：没後10年、鳴り響く音楽
長新太：こどものくにのあなきすと
中井英夫：虚実の間に生きた作家
横尾忠則：画境の本懐
小林多喜二と『蟹工船』
倉橋由美子：夢幻の毒想
安藤鶴夫：アンツル先生の落語演芸指南：生誕100年記念総特集
吉屋信子：黒薔薇の處女たちのために紡いだ夢
鶴見俊輔：いつも新しい思想家
中島敦：生誕100年、永遠に越境する文学
中平卓馬：来たるべき写真家
ハイデガー：生誕120年、危機の時代の思索者
谷川雁：詩人思想家、復活
マルクス『資本論』入門：危機の資本主義を超えるために
尾崎(おさき)翠：モダンガアルの偏愛
長谷川四郎：生誕100年時空を超えた自由人
鈴木しづ子：伝説の女性俳人を追って：生誕90年
ヘーゲル入門：最も偉大な哲学に学ぶ
メルロ=ポンティ：哲学のはじまり/はじまりの哲学
レヴィ=ストロース：入門のために神話の彼方へ
ニーチェ入門：悦ばしき哲学
田村隆一：20世紀詩人の肖像：全集刊行記念総特集：永久保存版
正岡子規：俳句・短歌革新の日本近代：永久保存版
マクルーハン：生誕100年、メディア(論)の可能性を問う
作家と戦争：太平洋戦争70年
ウィトゲンシュタイン：没後60年、ほんとうに哲学するために
竹中労：没後20年・反骨のルポライター
寺田寅彦：いまを照らす科学者のことば
親鸞：浄土真宗の原点を知る
吉田健一：生誕100年最後の文士
大杉栄：日本で最も自由だった男
深沢七郎：没後25年ちょっと一服、冥土の道草
柳宗理：「美しさ」を暮らしの中で問い続けたデザイナー：追悼特集
今和次郎と考現学：暮らしの"今"をとらえた〈目〉と〈手〉
石牟礼道子：魂の言葉、いのちの海
ドナルド・キーン：世界に誇る日本文学者の軌跡
谷川健一：越境する民俗学の巨人：追悼総特集
井筒俊彦：言語の根源と哲学の発生
木田元：軽妙洒脱な反哲学

これらの刊行物からもわかるように、『KAWADE道の手帖』は、単なる情報提供に留まらず、読者自身の思考を刺激し、新たな興味や関心を引き出すことを目指した、知的探求の道しるべとなるシリーズでした。現在では、一部の号が増補・再刊されており、電子書籍としても入手可能です。

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