KOJI (ミュージシャン)

KOJI

日本のミュージシャン、ギタリスト。1973年4月12日に大阪府で生まれ、2022年4月15日に食道がんのため49歳でその生涯を終えた。ヴィジュアル系バンドの先駆けとして知られるLa'cryma Christi、そしてALvinoのギタリストとして活躍した。身長180cm、血液型はA型。既婚であり、没後に息子がギタリストとして活動していることが明らかになった。

音楽の軌跡

KOJIは、ヴァン・ヘイレンを好むなど洋楽からの影響も公言していた。音楽に興味を持つきっかけとなったのは、高見沢俊彦が手がけた小泉今日子の楽曲やHOUND DOGであったという。さらに、ギタリストを志す決定的なきっかけは、デイヴ・リー・ロス・バンドとLOUDNESSとの出会いだったと語っている。特にスティーヴ・ヴァイやエクストリームのヌーノ・ベッテンコートといった技巧派ギタリストから大きな影響を受けた。

彼のキャリアは、1991年にLa'cryma Christiの前身にあたるSTRIPPE-D-LADYを結成したことから始まる。バンド活動を経て、1997年5月8日にはシングル「Ivory trees」でLa'cryma Christiのギタリストとしてメジャーデビューを果たした。90年代のLa'cryma Christiのヒット曲の多くは彼の作曲によるものであり、「未来航路」「Without you」「永遠」「Lime rain」といった、バンドのポピュラーな側面を支えた楽曲を生み出した。特に自身が作曲した「未来航路」には強い思い入れがあり、バンド脱退後もソロ活動などで演奏リストに取り上げていた。

2005年3月21日のライブをもってLa'cryma Christiを脱退した後、PIERROTのギタリスト潤との楽曲制作を開始。同年12月にはボーカリストの翔太と出会い、ALvinoを結成した。ALvinoは2006年12月6日にシングル「snow line」で活動を開始した。

ALvinoでの活動と並行して、彼は他のミュージシャンとの交流やサポート活動も精力的に行った。2008年には高見沢俊彦のシングル「月姫」のプロモーションビデオに参加し、その後も高見沢のライブやレコーディングでサポートギタリストを務めた。また、2018年には元MASCHERAのボーカリストMICHIと共にユニット「ALICE IN MENSWEAR」を結成し、活動の幅を広げた。La'cryma Christi脱退後には、ジャズ音楽に深く傾倒していた時期もあったという。

2009年10月24日には、V-ROCK FESTIVAL '09の舞台で「一夜限り」と銘打たれたLa'cryma Christiの再結成に参加し、古巣のメンバーと共にパフォーマンスを披露した。このステージ上で、翌2010年にLa'cryma Christiとしてツアーを開催することも発表され、ファンを喜ばせた。

病との闘い、そして旅立ち

2020年7月13日、KOJIは自身が食道がんを患っていることを公表した。同年9月19日には手術が成功したことを報告し、回復に向けて歩みを進めているかに見えた。しかし、病状は再び厳しくなった。2022年2月22日、所属ユニットALICE IN MENSWEARの公式サイトを通じて、がんが再発し、すでに他の臓器にも転移している現状を明らかにした。抗がん剤治療の効果が限定的であり、放射線治療によって脳や胸膜への転移箇所の進行を抑制している状況であると、その時点での厳しい病状が伝えられた。闘病の末、2022年4月15日、食道がんにより享年49歳で永眠した。

人物像と legacy

KOJIは音楽活動の他にも、パソコンやカメラを趣味とする多才な一面を持っていた。著書として『ラクリマクリスティーKOJIのフロッピー買ってください!!』がある。

彼の家族については、長らく詳細が公表されていなかったが、没後の2024年4月12日、かつてのLa'cryma Christiでツインギターを組んでいたHIROが開催した追悼的なライブイベント「KOJI & HIRO Joint Live 2024」にて、彼の息子であるKAZUKI氏がゲストギタリストとしてステージに登場し、KOJIの音楽の遺伝子が受け継がれていることが示された。

KOJIは、La'cryma Christi時代のキャッチーなヒット曲を数多く生み出し、バンドの黄金期を支えた作曲家、そして個性的なプレイスタイルを持つギタリストとして、日本のロックシーンに確かな足跡を残した。彼の音楽は、今もなお多くのファンに聴き継がれている。

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