L-02C

L-02C：Xiサービスと共に登場した革新的なUSBデータ通信端末

LGエレクトロニクスジャパンが開発し、NTTドコモから発売されたL-02Cは、2010年12月24日、ドコモの第3.9世代移動通信システムXi（クロッシィ）サービス開始と同時に登場したデータ通信端末です。XiはLong Term Evolution (LTE) 技術を採用しており、L-02Cはその高速通信を可能にする重要な役割を担いました。

超高速通信とサービスエリア

L-02Cは、下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsの超高速データ通信を誇りました。これは当時としては画期的な速度であり、モバイルインターネットの利用体験を大きく変える可能性を秘めていました。しかし、サービス開始当初は東京、神奈川、千葉、名古屋、大阪の一部地域に限られており、それ以外のエリアではHSPA方式（下り7.2Mbps、上り5.7Mbps）による通信となっていました。さらに、HSPAや3G方式での接続時はFOMAプラスエリアの利用も可能で、国際ローミング（WORLD WING）エリアでも3G/GPRS通信を利用できました。

USB接続とゼロインストール機能

端末はUSB接続型という特徴的なデザインを採用していました。USBポートのキャップは本体に装着されているため、紛失の心配がありませんでした。また、L-05Aなどと同じくゼロインストール機能を搭載。パソコンにL-02Cを接続するだけで、通信設定ファイル（ドライバー）とL-02C接続ソフトのインストールが自動的に行われるという利便性を提供しました。

料金プランと提供ISP

L-02C利用時の料金プランは、「Xiデータプランにねん」と「Xiデータプラン」の2種類が用意されました。サービス開始を記念したキャンペーンでは、「Xiデータプランにねん」が月額4,935円（上限価格）で使い放題となる2段階定額プランが提供され、これは2012年4月まで継続されました。サービス開始当初、利用可能なインターネットサービスプロバイダ（ISP）はmopera Uのみでした。

開発発表から発売、そしてソフトウェア更新

L-02Cの開発発表は、2010年11月8日に行われました。この発表には、F-01CからSH-08C、そしてBlackBerry Curve 9300など、多くの機種が含まれていました。その後、11月18日に電気通信端末機器審査協会（JATE）を通過し、12月24日に正式に発売されました。発売後も、2011年2月9日にはソフトウェア更新が提供されるなど、継続的なサポートが行われました。

まとめ：Xi時代の幕開けを象徴する端末

L-02Cは、単なるデータ通信端末ではなく、Xiサービス開始という新たなモバイル通信時代の到来を象徴する存在でした。高速通信への期待と、同時にサービスエリアの制限や料金プランといった課題も抱えていた、その複雑な立ち位置も、当時のモバイル通信環境を反映する重要な要素といえます。USB接続という斬新なデザイン、ゼロインストール機能による手軽さ、そして超高速通信の可能性は、ユーザーに大きなインパクトを与え、後のモバイル端末の発展に影響を与えたと言えるでしょう。L-02Cは、日本のモバイル通信の歴史において重要な役割を果たした機器のひとつと言えるでしょう。

関連情報

Xi（クロッシィ）
第3.9世代移動通信システム
Long Term Evolution
L-05A
F-06C
mopera U

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