LibraryThing

LibraryThingは、書籍の目録を作成し、様々なメタデータを保存・共有するためのソーシャルカタロギングウェブアプリケーションです。このプラットフォームは、個人の読書愛好家だけでなく、作家、図書館、そして出版社といった幅広いユーザー層に利用されています。アメリカ合衆国メイン州ポートランドを拠点とし、ティム・スパルディングによって開発され、2005年8月29日にサービスが開始されました。

2011年10月の時点で、LibraryThingは140万人ものユーザーと、6600万冊にも及ぶ書籍が登録されています。この数字からも、その規模と影響力が伺えます。

機能

LibraryThingの主な機能は、Amazon.comの6つのストアやZ39.50プロトコルを通じて接続された図書館からインポートしたデータに基づいて書籍の目録を作成することです。データはDublin Coreや機械可読目録（MARC）形式で記録されます。ユーザーは、アメリカ議会図書館、オーストラリア国立図書館、カナダ国立図書館・文書館、大英図書館、エール大学など、世界中の690の図書館から情報をインポートできます。

もし、これらの情報源から該当する書籍のデータが見つからない場合は、ユーザー自身がブランクフォームから書籍情報を登録することができます。これにより、あらゆる書籍の情報を網羅的に登録できる柔軟性を持っています。

ソーシャル機能

LibraryThingは、ソーシャル機能も充実しています。ブックマークマネージャーの「delicious」や音楽サイトの「Last.fm」との同期機能も備えています。これにより、ユーザーは自身の読書記録だけでなく、他のソーシャルメディアや音楽の好みと連携した使い方が可能です。

類似の書籍目録サイトとしては、Goodreads、Shelfari、aNobii、 BookJetty、weReadなどが挙げられます。

株主

オンライン書店「AbeBooks」（現在はAmazon傘下）は、2006年5月にLibraryThingの株式を40%買収しました。買収金額は公表されていません。

さらに、2009年1月には、ケンブリッジ・インフォメーション・グループも少数の株式を取得しました。これにより、同社の子会社であるボーカーが図書館向けの公式配給元となりました。

宣伝

2006年6月、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事がきっかけで、LibraryThingはスラッシュドット効果（特定のウェブサイトへのアクセスが急増する現象）に見舞われました。サイトの開発者は、急増するトラフィックに対応するためにサーバーを増強しました。

同年12月には、ユーザーが好みでない書籍を元におすすめの書籍を探索できる「UnSuggester」機能がスラッシュドットで再度注目を集めました。これにより、LibraryThingは単なる目録作成ツール以上の、新たな発見を提供する場として認知されました。

関連項目

LibraryThingに関連する概念としては、以下のものが挙げられます。

フォークソノミー
タギング
文献データベース
OPAC (Online Public Access Catalog)

関連文献

Wenzler, J. LibraryThing and the library catalog: adding collective intelligence to the OPAC. A Workshop on Next Generation Libraries. San Francisco State University CARL NITIG; September 7, 2007.

外部リンク

日本語版LibraryThing
* 英語版LibraryThing

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