MRTブルーライン (バンコク)

MRTブルーライン（チャルーム・ラチャモンコン線）

MRTブルーラインは、バンコク・メトロが運営する主要な地下鉄路線であり、正式名称をチャルーム・ラチャモンコン線と言います。バンコク首都圏における都市鉄道網の一部を構成し、地下区間と高架区間を組み合わせた路線となっています。

概要

この路線は、バンコク・エクスプレスウェイ・アンド・メトロ(BEM)によって運営されています。BEMは、ブルーラインとパープルライン（チャローン・ラチャタム線）の2路線を運営しており、この記事ではブルーラインについて詳しく解説します。

ブルーラインは、標準軌（1,435mm）を採用し、直流750Vの第三軌条集電方式で運行されています。最高時速は80km/hです。

2004年7月3日にバーンスー駅からフアランポーン駅間が先行開業し、その後2017年8月11日にタオプーン駅が開業したことで、パープルラインとの乗り換えが可能になりました。2022年現在、路線はタープラ駅から時計回りにバーンスー、フアランポーン、再びタープラ、そしてラックソーンへと続く環状運転を行っており、東京の都営大江戸線のような6の字型をしています。車両基地は、開業時にラーマ9世駅の東側約1kmの場所に、延伸時にペチャカセム48駅の南側約500mの場所に設けられました。

建設

ブルーラインの建設は、バンコクの軟弱な地盤や地下に埋設されたインフラ、そして先に開業していたスカイトレイン(BTS)との兼ね合いなどから、多くの困難を伴いました。しかし、1997年に建設が開始され、総工費約27億ドルの大部分は日本の円借款によって賄われました。

建設は、大衆電車公社が指揮を執り、イタリアン・タイ・デベロップメント、チョーカンチャン、大林組、鹿島建設、熊谷組、東急建設、西松建設などの企業が請け負いました。初開業区間の本線はすべて地下区間で、主に単線双設シールド工法が用いられました。

車両

ブルーラインの車両は、当初三菱電機とアルストム社が共同で担当する予定でしたが、BTSとの接続を考慮し、最終的にシーメンス社製のモジュラー・メトロ（IBL型）が採用されました。19編成57両が導入され、1編成3両で構成されています。車両のデザインは、タイの国旗をイメージした白、青、赤の三色が使用され、内装はBTSとほぼ同様です。開業当初の編成では、混雑緩和のため、車両中央部のドア間の座席が撤去されています。また、優先座席も設けられています。

2017年には、増備車としてモジュラー・メトロの次世代型となるInspiroが35編成105両発注され、2019年4月から納入が開始されました。この車両はBLE型とも呼ばれ、ドア上部には横長の液晶モニタが設置され、路線図や次駅案内を表示します。

駅

各駅の共通事項については、バンコク・メトロの駅に関する一般的な情報を参照してください。各駅の詳細については、それぞれの駅に関する記事を参照してください。

運賃

ブルーラインとパープルラインは、タオプーン駅で接続されており、両線を乗り通す場合は通し運賃が適用されます。全線乗り通した場合の運賃は70バーツです（割引制度あり）。運賃検索は、バンコク・メトロの公式ホームページで行うことができます。

ブルーラインの運賃は、乗車距離に応じて17〜42バーツです（2022年1月時点）。子供と高齢者は50％割引、学生は学生用ICカード利用で10％割引となります。BTSとは異なり、1日乗車券は販売されていません。

歴史

初期の開業区間

2004年7月3日に、バーンスー駅からフアランポーン駅までの区間が開業しました。当初は2003年のAPEC首脳会議に間に合わせる予定でしたが、遅れて2004年8月12日の「母の日」の開業を目指しました。しかし、試運転で問題が発生しなかったため、予定を繰り上げての開業となりました。その後、2017年にバーンスー駅からタオプーン駅まで延伸されるまで、長らくこの区間のみで運行していました。

フワランポーン以西

2019年7月29日から、フアランポーン駅からタープラ駅間において無料試運転が開始されました。その後、無料区間はバーンワー駅まで延長され、9月7日からは全線で通し運転が開始されました。さらに、バーンワー駅からラックソーン駅間も、開業直前の9月21日から無料試運転が開始され、9月29日に正式開業しました。

タオプーン以南

タオプーン駅からシリントン駅までの4駅が2019年12月4日に先行開業し、残りのシリントン駅とタープラ駅間の4駅も同月23日に先行開業しました。タオプーン駅からタープラ駅間は、2020年3月30日に正式開業し、現在の全線が開通しました。

年表

1997年：建設工事着工
2004年7月3日：バーンスー - フアランポーン開業
2017年8月11日：タオプーン - バーンスー開業（パープルラインと接続開始）
2019年4月25日：第2世代車両（BLE型）第1編成がバンコク到着
2019年7月29日：フアランポーン - タープラ間 試運転（無料運行）開始
2019年8月24日：タープラ - バーンワー間 試運転（無料運行）開始
2019年9月7日：タオプーン - バーンワー間の連続運転を開始
2019年9月21日：バーンワー - ラックソーン間 試運転（無料運行）開始
2019年9月29日：フアランポーン - ラックソーン間 開業
2019年12月4日：タオプーン - シリントン間 試運転（無料運行）開始
2019年12月23日：シリントン - タープラ間 試運転（無料運行）開始（当面は日中のみ8分間隔で運行）
2020年3月30日：タオプーン - タープラ間 正式開業（運賃徴収開始）
2020年10月17日：バンコク市内の学生デモの影響で1日中運行停止

駅一覧

■ブルーライン（チャルーム・ラチャモンコン線）

※駅の詳細については、バンコク・メトロの公式サイト等を参照してください。

延伸計画

現在、ラックソーン駅からさらにクラトゥムベーン郡方面への延伸が計画されており、調査が進められています。

関連項目

バンコク・スカイトレイン
タイ国有鉄道
タイの鉄道駅一覧

外部リンク

The M.R.T. Chaloem Ratchmongkhon Line (THE BLUE LINE) - Mass Rapid Transit Authority Of Thailand（タイ語）（英語）
Bangkok Expressway and Metro Public Company Limited（タイ語）（英語）

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