Mk 26 (ミサイル発射機)

Mk 26 GMLS (Guided Missile Launching System)

Mk 26 GMLSはアメリカ合衆国で開発されたミサイル発射システムであり、主に艦対空ミサイルの発射に特化しています。このシステムは、RIM-24ターターやRIM-66スタンダード（SM-1/2MR）などの中距離艦対空ミサイル、およびアスロック対潜ミサイルを発射することができます。Mk 26 GMLSは主に、連装方式で設計されており、複数のバリエーションが存在します。

概要

Mk 26は、ターター・システムの重要なサブシステムの一部として機能し、特にその発射能力の高さが特徴です。システムのバリエーションには、24発を収容できる改修型のMod 0や、44発収容のMod 1、64発を装填するMod 2があります。特にMod 1とMod 2は、後の改修型も存在し、使い勝手を向上させています。

当初、Mk 26 GMLSは、改良型のターター-D・システムに合わせた新世代のミサイル発射装置として開発され、従来のMk 13 GMLSを凌ぐ性能を目指していました。しかし、開発の遅延により、ターター-Dの初めての搭載艦であるカリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦には、改良前のMk 13 GMLSがそのまま取り付けられることになりました。

その後、Mk 26 GMLSは、バージニア級の原子力ミサイル巡洋艦や、スプルーアンス級駆逐艦の船体を使ったキッド級ミサイル駆逐艦などに搭載されていきます。さらに、先進的なMk 41の開発遅延に伴い、イージスシステムの初の搭載艦である「CG-47 タイコンデロガ」でも採用されました。これにより、同級の艦船ではMk 26 GMLSが広く使われることとなります。

ただし、Mod 2は原子力打撃巡洋艦の計画が中止されたため、実運用には至りませんでした。さらに、Mk 41 VLSが導入されるようになると、タイコンデロガ級の艦船にも、Mk 26の搭載は行われなくなりました。結果として、Mk 26 GMLSは、比較的大型のシステムであったため、イタリアや日本で建造されたターター-D・システム搭載艦には、よりコンパクトなMk 13が選択されました。

現在の運用状況

現在、アメリカ海軍におけるMk 26 GMLSを搭載した艦船は全面的に退役しています。しかし、このシステムを搭載したキッド級ミサイル駆逐艦が中華民国（台湾）に輸出されたことで、台湾海軍では未だに運用を続けています。台湾海軍がMk 26の換装を検討していることもあり、将来的にはMk 41に移行する可能性があります。

まとめ

Mk 26 GMLSは、アメリカ海軍における艦対空ミサイルシステムの一部として、重要な歴史を持っています。その高い発射能力は評価されましたが、新たなシステムへの移行に伴い、運用状況は変化しつつあります。今後の運用状況にも注目が集まっています。

関連項目

• - ウィキメディア・コモンズには、Mk 26 (ミサイル発射機)に関するカテゴリがあります。)
• - アメリカ海軍のミサイル発射装置一覧
• - [Mk 13 (ミサイル発射機)] - ターター・システム搭載艦で広く使われた、単装ミサイルランチャー。
• - [Mk 41 (ミサイル発射機)] - イージスシステム搭載艦で広く使われている、垂直発射装置。

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