Mk 7 5インチ砲

Mk 7 5インチ51口径砲について

Mk 7 5インチ51口径砲は、アメリカ海軍が1907年から1920年代にかけて主に軽巡洋艦や戦艦の副砲として採用していた火器です。この砲は、直径5インチの砲弾を、51倍の長さを持つ砲身から発射する設計になっています。これは、当時の海軍のニーズに適した火力を提供するためのものでした。

構造と性能

この砲は、組立砲方式で構成され、内筒に外筒が覆いかぶさるという形状をしています。片開きの隔螺式鎖栓とスミス・アズベリー機構が搭載されており、重さは約5トンです。内筒には、テーパーが施されているタイプも存在します。砲の装薬には無煙火薬を使用し、約11kgを装填します。そして、約23kgの砲弾を発射することで、初速は約960m/sに達し、最大射程は仰角20度の場合で約15kmです。砲身の寿命は900発とされています。

対空火力の必要性

太平洋戦争が進行する中、特に真珠湾攻撃以降、海軍は対空火力の強化の必要性を強く認識しました。このため、より高度な火器である5インチ38口径両用砲への移行が進められ、古い戦艦からはMk 7 5インチ51口径砲を取り外し、新たに装備されました。これにより、5インチ38口径両用砲や5インチ25口径対空砲といった優れた火器が主力となっていきました。

しかし、Mk 7 5インチ51口径砲は全く廃れてしまったわけではありません。近代化改装された戦艦から発生した余剰砲は、アメリカ沿岸警備隊のカッターや補助艦艇、護衛空母、沿岸砲台、さらには潜水艦や武装商船に搭載され続けました。特に1941年12月に行われたウェーク島攻略戦では、この砲を用いたアメリカ海兵隊の沿岸砲兵部隊が大きな成功を収めたと伝えられています。

搭載された艦艇

Mk 7 5インチ51口径砲は、以下のような艦艇に搭載されました：

• - オリンピア (防護巡洋艦)
• - チェスター級軽巡洋艦
• - フロリダ級戦艦
• - ワイオミング級戦艦
• - ニューヨーク級戦艦
• - ネヴァダ級戦艦
• - ペンシルベニア級戦艦
• - ニューメキシコ級戦艦
• - テネシー級戦艦
• - コロラド級戦艦
• - バラクーダ級潜水艦
• - ラングレー型航空母艦
• - ロング・アイランド級護衛空母
• - サンガモン級護衛空母
• - チャージャー型護衛空母
• - ボーグ級護衛空母
• - タンバー級潜水艦

また、イギリス軍にも供与され、第一次世界大戦時にはスカパ・フローの沿岸砲台として用いられました。さらに、第二次世界大戦中にはレンドリース法に基づいて数基がイギリスに送られ、いくつかはニュージーランドの沿岸砲台として配備されました。

参考文献

• - Breyer, Siegfried (1973). Battleships and Battle Cruisers 1905 - 1970. Doubleday and Company.
• - Campbell, John (1985). Naval Weapons of World War Two. Naval Institute Press.
• - Fahey, James C. (1939). The Ships and Aircraft of the U.S. Fleet.
• - Friedmann, Norman (1983). U.S. Aircraft Carriers. Naval Institute Press.
• - Preston, Anthony (1980). Cruisers. Prentice Hall.

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