PSL狙撃銃

PSL（ルーマニア語: Pușcă Semiautomată cu Lunetă）は、1970年代にルーマニアで開発された狙撃銃であり、FPKとも呼ばれます。

概要

PSLは、小隊の選抜射手（マークスマン）向けに設計されたマークスマンライフルです。その設計・運用思想は、ソビエト連邦製のドラグノフ狙撃銃に類似しています。外見もドラグノフとの類似点が多く、弾薬もドラグノフと同型の7.62x54mmR弾を使用しますが、内部構造には相違点も多く、AKMやRPK軽機関銃との類似点が多いのが特徴です。

設計と構造

PSLの作動方式は、ガスピストンとボルトキャリアーが一体化したロングストロークピストン式を採用しています。レシーバーはAKMと同様に板金プレス加工によって製造され、ブロックなどの内部部品はリベットで固定されています。レシーバー左右の先端部分にはRPKやツァスタバ M70と同様に強化リブが突き出ており、この内側には銃身を取り付けるためのブロック（フロントトラニオン）が内蔵されています。

銃口部のフラッシュサプレッサーは、マズルブレーキ兼用とするため、銃身と横方向に溝が刻まれています。弾倉後部に位置するマガジンキャッチは、トリガーガード前端部に密着しています。前部ハンドガードは、ガスシリンダーを覆う上部と銃身を覆う下部に分割可能です。頬当ては銃床と一体化されています。

マガジン左右側面部にはX字型のプレス強化リブがつけられており、ドラグノフとの互換性はありません。光学照準器や暗視式照準器は、レシーバー左側面部のアリ溝式レール（Doveteil Rail）を介して取り付けるものであり、レールはドラグノフのものと互換性があります。また、スコープの破損に備えてアイアンサイトも用意されています。

ルーマニアで製造されているPSL用の標準的な光学照準器はLPS T2（ルーマニア語: Luneta Puṣca Semiautomată Tip 2）と呼ばれ、ルーマニアのIOR（Întreprinderea Optică Română）で生産されています。LPS T2はロシア製のPSO-1を基にしており、外見、基本性能・内部照準線のデザインも同一ですが、内部照準線の蛍光塗料の発光源にはトリチウムが使用されています。

ドラグノフとの比較

PSLとドラグノフ狙撃銃との外見上の細かい差異として、マガジン位置がトリガー位置に寄っている点、ハンドガードの構造が異なる点、そして前述の通り頬あてと銃床が一体化しているため、銃床のデザインが異なる点などが挙げられます。

関連項目

狙撃銃
狙撃手
選抜射手
AK-47
* ドラグノフ狙撃銃

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