PlayStationのゲームタイトル一覧 (1999年)

1999年 PlayStationゲームタイトル概観

1999年は、PlayStationが最も盛り上がりを見せた年であり、バラエティ豊かなゲームソフトが数多く発売されました。本記事では、その背景と主要なタイトル、そして当時のゲーム業界の動向について解説します。

発売ソフトの形態・変遷

1999年はPlayStationにとって最盛期であり、毎週のように新作ソフトが発売され、9月2日だけでも10タイトルを超えるゲームがリリースされました。本体発売から4年が経過し、各ゲーム会社は開発ノウハウを蓄積。『バイオハザード3 LAST ESCAPE』のような人気シリーズの続編が続々と登場しました。

新規タイトルでは、ホラーゲーム『サイレントヒル』(コナミ、1999年3月4日発売)が、人間の心の闇に迫るストーリーと、ジャンプスケアに頼らない演出で高い評価を得てシリーズ化されました。また、映像作家 秋元きつねが開発に携わった『せがれいじり』(エニックス、1996年6月3日)は、PlayStation時代のバカゲーとして異彩を放っています。

ソニー・コンピュータエンタテインメント（SCE）は、1999年1月23日に携帯ゲーム機PocketStationを発売。同年7月30日には、PocketStationとの連動機能が特徴の『どこでもいっしょ』を発売し、プレイヤーと「ポケットピープル」とのコミュニケーションが人気を博し、シリーズ化されました。『サルゲッチュ』（1999年6月24日発売）は、ユニークなCMとDUALSHOCK専用タイトルであることが話題を呼び、SCEの看板タイトルの一つとなりました。こちらもPocketStationとの連動機能があり、本編で捕まえたピポサルを転送してミニゲームを楽しめました。

他にも、SCEからは『俺の屍を越えてゆけ』（1999年6月17日）や、パーツを組み合わせてオリジナルのゲームを作れる『パネキット』（1999年8月5日発売）といった意欲的な作品が登場しました。

アダルトゲーム移植と表現規制

当時のSCEは、アダルトゲームなどの成人向け要素を含む作品の移植には慎重な姿勢を取っていました。そのため、『輝く季節へ』（原題：ONE 〜輝く季節へ〜）のように、タイトルを変更して発売されるケースもありました。Leafが自社作品『痕』の移植をSCEに提案したものの、実現には至りませんでした。

その後、LeafはPlayStation用ソフト『To Heart』の企画をSCEに持ち込み、PC版（成人向け）を制作。PC版のヒットを受けてPlayStation版の企画が通り、タイトルを変更せずに1999年3月25日に発売されました。PlayStation版では、成人向け描写の排除に加えて大幅な加筆修正が行われ、PC版とは異なるシナリオが展開。恋愛ゲーム市場で大きな成功を収め、二次創作も活発に行われました。

レーティング制度の導入とCEROの発足

1999年には、コンピュータエンターテインメント協会（CESA）によって、「A区分（注意喚起不要）」「B区分（注意喚起が必要）」「C区分（発売禁止）」という3段階のレーティング制度が設けられました。しかし、その後、ゲームソフトの審査はCESAから独立した組織が行うべきとの結論に至り、コンピュータエンターテインメントレーティング機構（CERO）の発足へと繋がっていきます。

1999年はPlayStationのゲーム史において、非常に重要な転換期でした。数々の名作が生まれ、新たなゲーム体験が提供されただけでなく、業界の構造や表現のあり方にも大きな変化が見られた年と言えるでしょう。

もう一度検索