Rhinoceros 3D
Rhinoceros 3D（ライノセラス、通称Rhino）は、ロバート・マクニール＆アソシエイツが開発した、製造業向け3次元CADソフトウェアです。特にフリーフォームNURBSモデリングに強みを持ち、工業デザイン、建築、造船、ジュエリーデザイン、カーデザインなど、多岐にわたる分野で活用されています。バージョン7以降では、3DCG分野で一般的なサブディビジョンサーフェス（細分割曲面）にも対応し、より柔軟なモデリングが可能になりました。
Rhinoは、単なるモデリングツールとしてだけでなく、マルチメディアデザインやグラフィックデザインの分野でも利用されています。その特徴の一つが、ビジュアルプログラミング言語であるGrasshopperの統合です。Grasshopperは、ジェネラティブアルゴリズムを構築するための強力なツールであり、特に建築意匠分野におけるパラメトリックモデリングの発展に大きく貢献しています。Rhino 6からは、物理エンジンKangarooもGrasshopperに標準搭載され、より高度なシミュレーションが可能になりました。
Rhinoは、プラグインによる機能拡張が容易である点も魅力です。公式プラグインとして、Flamingo（レイトレーシングレンダラー）、Penguin（ノンフォトリアリスティックレンダラー）、Bongo（アニメーションツール）などが提供されています。また、サードパーティー製のプラグインも100以上開発されており、ザハ・ハディッド建築事務所が東大門デザインプラザで使用したEvolute Toolsや、多くのレンダリングプラグインが利用可能です。さらに、CAMやコンピュータ数値制御用の外部プラグインも豊富に存在し、ツールパスGコードを直接Rhinoに読み込むことができます。
Rhinoは、Microsoft Visual Basicを基盤としたスクリプト言語をサポートしており、SDKも一般公開されています。これにより、ユーザーは自身のニーズに合わせたカスタマイズや機能拡張を行うことができます。
Rhinoの開発は、1992年頃に船舶デザイン向けのAutoCADプラグインとして始まりました。しかし、AutoCADのユーザーインターフェースがフリーフォームモデリングに適していないと判断されたため、スタンドアロンのCADソフトウェアとして開発されることになりました。当初はフリーのクローズドソースベータ版として配布され、ユーザーからのフィードバックや機能追加によって開発が進められました。
現在も開発は継続されており、Rhino 5以降は毎週自動で大小のアップデートが行われるようになっています。また、プレリリース版を事前に試すことも可能です。
Clayooは、Rhinoでサブディビジョンサーフェスを扱うためのプラグインです。スカルプト機能やエンボス作成機能も備えています。もともとTDM Solutionsが開発し、ジュエリー用プラグインRhinoGoldにも同梱されていましたが、後にGemvisionに移管されました。Rhino 7でサブディビジョンサーフェスが標準対応したため、Clayooは単独製品としては廃止され、現在はMatrixGoldの一部となっています。
T-splines for Rhinoは、RhinoでT-スプライン曲面を扱うためのプラグインです。T-spline社が開発していましたが、Autodeskによる買収後、Fusion 360に技術が取り込まれ、2016年に開発が終了しました。Rhino 6以降では動作しません。
Shape Modelingは、RhinoでクラスAサーフェスを扱うためのプラグインです。VSR Analysisという形状解析ツールが統合されていました。こちらも、VSR社がAutodeskに買収されたことにより、2016年に開発が終了しました。
Rhino Render: Rhino内蔵の簡易レンダラーです。
RhinoCycles (Raytraced): Rhino 6以降に搭載された写実的レンダラーで、BlenderのCyclesをベースにしています。
GPUレンダリングに対応したレンダラーとして、V-ray、Maxwell Render、Thea Render、KeyShotなどが利用可能です。その他にも、Ocean（フルスペクトルレンダリング対応）、Artlantis（REDsdkエンジンを使用）などが提供されています。ただし、ArtlantisやFluidRay RTなど、最新バージョンに対応していないレンダラーも存在します。
また、開発が終了したレンダラーとしては、Hayabusa Renderer、Autodesk Realtime Renderer、Neon、Arion、AIR、Radeon ProRender、Brazil for Rhino、Penguin、Flamingo nXt、Iray for Rhinoなどがあります。
Rhinoのファイルフォーマットである.3dmは、NURBSジオメトリのやり取りに特化して開発されました。McNeel社が提供するオープンソースツールキットopenNURBSを用いることで、他のソフトウェアでも.3dmファイルを開いたり編集したりすることが可能です。openNURBSは、Windows、Mac、Linuxで利用できます。
Rhinoは、以下のファイルフォーマットを直接読み書きできます。
ラスター画像形式: BMP、TGA、TIFF
ベクター画像形式: AI、SVG、WMF
CAD形式: DWG/DXF、SAT、DGN、X_T (エクスポートのみ)、STEP、VDA-FS、IGES、Tebis、ESPRi
3DCG形式: 3DS、FBX、COLLADA、DirectX .x、LWO、UDO、OBJ、PLY、SKP、GTS、XGL
レンダラー向け: POV、RIB
3Dプリンター向け: STL、VRML、AMF、ZRP
Web3D向け: CD、VRML、X3D、XAML
その他: E57、CSV、GHS、KML、PDF、PTS、Recon M、SLC、NextEngine Scan、WAMIT GDF
DWFとDWFxはサポートされていません。
Autodesk Dynamo: Autodeskが開発するプロシージャルモデリングソフトウェアで、Grasshopperの競合です。
公式サイト（英語）
* 公式サイト（日本語）
概要
Rhinoは、単なるモデリングツールとしてだけでなく、マルチメディアデザインやグラフィックデザインの分野でも利用されています。その特徴の一つが、ビジュアルプログラミング言語であるGrasshopperの統合です。Grasshopperは、ジェネラティブアルゴリズムを構築するための強力なツールであり、特に建築意匠分野におけるパラメトリックモデリングの発展に大きく貢献しています。Rhino 6からは、物理エンジンKangarooもGrasshopperに標準搭載され、より高度なシミュレーションが可能になりました。
Rhinoは、プラグインによる機能拡張が容易である点も魅力です。公式プラグインとして、Flamingo（レイトレーシングレンダラー）、Penguin（ノンフォトリアリスティックレンダラー）、Bongo（アニメーションツール）などが提供されています。また、サードパーティー製のプラグインも100以上開発されており、ザハ・ハディッド建築事務所が東大門デザインプラザで使用したEvolute Toolsや、多くのレンダリングプラグインが利用可能です。さらに、CAMやコンピュータ数値制御用の外部プラグインも豊富に存在し、ツールパスGコードを直接Rhinoに読み込むことができます。
Rhinoは、Microsoft Visual Basicを基盤としたスクリプト言語をサポートしており、SDKも一般公開されています。これにより、ユーザーは自身のニーズに合わせたカスタマイズや機能拡張を行うことができます。
開発過程
Rhinoの開発は、1992年頃に船舶デザイン向けのAutoCADプラグインとして始まりました。しかし、AutoCADのユーザーインターフェースがフリーフォームモデリングに適していないと判断されたため、スタンドアロンのCADソフトウェアとして開発されることになりました。当初はフリーのクローズドソースベータ版として配布され、ユーザーからのフィードバックや機能追加によって開発が進められました。
現在も開発は継続されており、Rhino 5以降は毎週自動で大小のアップデートが行われるようになっています。また、プレリリース版を事前に試すことも可能です。
モデリングプラグイン
Clayoo
Clayooは、Rhinoでサブディビジョンサーフェスを扱うためのプラグインです。スカルプト機能やエンボス作成機能も備えています。もともとTDM Solutionsが開発し、ジュエリー用プラグインRhinoGoldにも同梱されていましたが、後にGemvisionに移管されました。Rhino 7でサブディビジョンサーフェスが標準対応したため、Clayooは単独製品としては廃止され、現在はMatrixGoldの一部となっています。
T-splines for Rhino (Rhino 5以前)
T-splines for Rhinoは、RhinoでT-スプライン曲面を扱うためのプラグインです。T-spline社が開発していましたが、Autodeskによる買収後、Fusion 360に技術が取り込まれ、2016年に開発が終了しました。Rhino 6以降では動作しません。
Shape Modeling (Rhino 5以前)
Shape Modelingは、RhinoでクラスAサーフェスを扱うためのプラグインです。VSR Analysisという形状解析ツールが統合されていました。こちらも、VSR社がAutodeskに買収されたことにより、2016年に開発が終了しました。
レンダラー
公式レンダラー
Rhino Render: Rhino内蔵の簡易レンダラーです。
RhinoCycles (Raytraced): Rhino 6以降に搭載された写実的レンダラーで、BlenderのCyclesをベースにしています。
サードパーティー製レンダラー
GPUレンダリングに対応したレンダラーとして、V-ray、Maxwell Render、Thea Render、KeyShotなどが利用可能です。その他にも、Ocean（フルスペクトルレンダリング対応）、Artlantis（REDsdkエンジンを使用）などが提供されています。ただし、ArtlantisやFluidRay RTなど、最新バージョンに対応していないレンダラーも存在します。
また、開発が終了したレンダラーとしては、Hayabusa Renderer、Autodesk Realtime Renderer、Neon、Arion、AIR、Radeon ProRender、Brazil for Rhino、Penguin、Flamingo nXt、Iray for Rhinoなどがあります。
ファイルフォーマット
Rhinoのファイルフォーマットである.3dmは、NURBSジオメトリのやり取りに特化して開発されました。McNeel社が提供するオープンソースツールキットopenNURBSを用いることで、他のソフトウェアでも.3dmファイルを開いたり編集したりすることが可能です。openNURBSは、Windows、Mac、Linuxで利用できます。
Rhinoは、以下のファイルフォーマットを直接読み書きできます。
ラスター画像形式: BMP、TGA、TIFF
ベクター画像形式: AI、SVG、WMF
CAD形式: DWG/DXF、SAT、DGN、X_T (エクスポートのみ)、STEP、VDA-FS、IGES、Tebis、ESPRi
3DCG形式: 3DS、FBX、COLLADA、DirectX .x、LWO、UDO、OBJ、PLY、SKP、GTS、XGL
レンダラー向け: POV、RIB
3Dプリンター向け: STL、VRML、AMF、ZRP
Web3D向け: CD、VRML、X3D、XAML
その他: E57、CSV、GHS、KML、PDF、PTS、Recon M、SLC、NextEngine Scan、WAMIT GDF
DWFとDWFxはサポートされていません。
関連項目
Autodesk Dynamo: Autodeskが開発するプロシージャルモデリングソフトウェアで、Grasshopperの競合です。
外部リンク
公式サイト（英語）
* 公式サイト（日本語）
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