STNet

株式会社STNet(エスティネット)は、香川県高松市に本社を置く、四国電力グループの電気通信事業者であり、システムインテグレーター(ユーザー系)としての顔も持っています。

事業概要



同社は、SI(情報システム開発)事業、データセンターなどのプラットフォーム事業、そして法人・個人向け通信事業と、多岐にわたるサービスを提供しています。事業展開は四国地方にとどまらず、東京にも拠点を設け、四国以外の企業向けの営業やシステム開発も積極的に行っています。

通信事業においては、当初は法人向けサービスが中心でしたが、2004年10月に個人向け光ブロードバンドサービス「Pikara(ピカラ)」を開始し、2016年2月にはモバイルサービス「pikaraモバイル(ピカラモバイル)」を開始するなど、個人向けサービスも拡大しています。また、研究開発部門を設置し、自治体と連携してIoTを活用した「水位確認システム」などの実証実験を行うなど、IoTやAIを中心とした研究にも力を入れており、地域課題の解決にも貢献しています。

品質管理においても、ISO 9001(品質マネジメントシステム)、JISQ15001(プライバシーマーク制度)、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム認証)、ISO20000(ITサービスマネジメントシステム)など、数々の認証を取得しており、製品品質、個人情報保護、ITサービスにおける信頼性の高さが伺えます。

沿革



  • - 1984年7月:四国電力の情報システム部門が独立し、「株式会社四電情報ネットワークサービス」として設立。
  • - 1989年7月:「株式会社四国情報通信ネットワーク」(略称:STNet)に社名変更。
  • - 1989年10月:第一種電気通信事業を開始。
  • - 1992年5月:高松市春日町に情報通信センター(現本店ビル)を開設。
  • - 1996年2月:完全子会社として「株式会社ネットウェーブ四国」を設立、個人向けISPサービスを開始。
  • - 1996年11月:東京営業所(現・首都圏営業部)を設置。
  • - 1997年4月:全国の電力系通信事業者との相互接続により、全国への専用サービスを開始。
  • - 1997年10月:法人向けインターネットサービス「STCN」を開始。
  • - 1999年3月:資本金を100億円に増資。
  • - 2000年10月:品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証を取得。
  • - 2001年6月:広域イーサネットサービス「ST-WAN」を開始。
  • - 2002年2月:プライバシーマーク制度(JISQ15001)の認証を取得。
  • - 2002年3月:アステル四国からPHS事業を譲受。
  • - 2002年4月:「株式会社STNet」に社名変更。
  • - 2002年8月:情報セキュリティマネジメントシステムの認証を取得。
  • - 2004年10月:個人向け光サービス「ピカラ光ネット」「ピカラ光でんわ」を開始、ネットウェーブ四国を合併。
  • - 2005年5月:アステル四国PHSサービスを終了。
  • - 2006年10月:小規模法人向けインターネットサービス「お仕事ピカラ」を開始。
  • - 2010年10月:クラウドサービス「STクラウドサーバー」を開始。
  • - 2012年4月:法人向け高速インターネットサービス「STIA」を開始。
  • - 2013年12月:新高松データセンター「Powerico(パワリコ)」サービスを開始。
  • - 2014年5月:ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の認証(新高松データセンター)を取得。
  • - 2014年8月:情報セキュリティ適合証(JQAIS0011)の認証(新高松データセンター)を取得。
  • - 2015年3月:マンション向け電力提供サービス「STあんしん電力」を開始。
  • - 2015年12月:環境マネジメントシステム(EMS)の認証(新高松データセンター)を取得。
  • - 2016年2月:モバイルサービス「Fiimo(フィーモ)」(現・ピカラモバイル)を開始。
  • - 2019年11月:新高松データセンター第2棟「Powerico-S」サービス開始。

各事業の詳細



法人向け通信事業


1989年10月、電気通信事業制度の変革期に、電力系通信事業者として第一種電気通信事業に参入。当初は専用線サービスが中心でしたが、顧客のニーズの変化に伴い、法人向けインターネット接続サービス「STIA」や広域イーサネットサービス「ST-WAN」が主力となっています。また、2006年10月からは、四国内の中小規模事業所をターゲットとした光インターネット/光IP電話サービス「お仕事ピカラ」を提供し、契約数を伸ばしています。

個人向け通信事業


1996年2月に設立した子会社「ネットウェーブ四国」を通じてインターネット接続サービスを開始し、2001年3月にはADSLメニューも提供。2004年10月には、光ファイバー(FTTH)によるインターネットと電話サービス「Pikara(ピカラ)」を開始。2018年12月には「ブロードバンドアワード2018 キャリア部門(四国)」で高い評価を得るなど、顧客からの信頼も厚く、2018年2月には契約者数が25万件を突破しています。

ピカラモバイル


2016年2月に個人・法人向けMVNOサービス「Fiimo(フィーモ)」を開始(現在はピカラモバイルに名称変更)。オプテージ関西電力系)がMVNEとして回線を提供。au回線を使ったAプランとNTTドコモ回線を使ったDプランが選択可能で、四国を中心に販売活動を行っており、直営ショップも展開しています。

あんしん電力


2015年3月より、マンション入居者向けに電気を提供するサービス「STあんしん電力」を開始。電力会社から高圧電力を一括購入し、変圧して各入居者に供給するシステムを採用しています。

システム開発事業


四国電力向けの業務システム開発・運用をはじめ、法人向け業務用ソフトウェアの開発受託やERPソリューションの提供を行っています。

プラットフォーム事業


システム開発事業と通信事業の中間領域として、LANやデータセンターなどの利用基盤構築、セキュリティやクラウドサービスなど、IT業務基盤を提供する事業を展開。2013年12月に開設した「新高松データセンター(Powerico)」では、ハウジングやシステム監視・保守などのサービスを提供しています。

STNet中期戦略



同社は、5年ごとに中期戦略を策定し、個人向け光サービス「ピカラ」や新高松データセンター「Powerico」などの事業拡大に注力。デジタル化の進展に伴うデータ活用拡大に対応するため、ICTを「データインフラ」と捉え、通信と放送の融合、ソフトウェアと通信の一体化など、業界構造の変化に対応した事業戦略を進めています。

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