TGV Reseau

TGV Réseauの概要

TGV Réseau（TGVレゾ、TGV-R）は、フランス国鉄（SNCF）が導入した準動力集中方式による高速鉄道用車両です。TGV Atlantique編成を基にして設計され、1992年から1996年にかけてアルストムで製造され、1993年に営業運転が開始されました。「Réseau」という名称は、フランス語で「ネットワーク」を意味しています。

編成の特性

TGV Réseauは、LGV北線の開通に際して、その長距離運用を意図して設計されました。この車両は、ベルギーやイタリアといった海外への直通列車運用も可能にするため、さまざまな電気方式に対応しています。SNCFが使用する交流25,000Vおよび直流1,500Vに対応した編成（28000形）と、さらにベルギー国鉄（SNCB）とイタリアFSの直流3,000Vにも対応した編成（38000形）の2種類があります。28000形は1992年至1996年の間に50本（編成番号501 - 550）、38000形は1994年から1996年にかけて30本（編成番号4501 - 4530）、そしてThalys PBA編成の10本（編成番号4531 - 4540）が製造されました。

Réseau編成は、両端に動力車を配置し、中間に8両の客車を持つ構成となっています。全長は200.190m、車幅は2,904mmであり、重量は28000形が383トン、38000形が388トンです。最高速度は、LGV区間では320km/hに達することができます。

技術的な特徴

Réseau編成は、基本的にAtlantique編成と同じく、共通の台車やブレーキシステムを持つものの、主電動機は新型のSM47型に変更されました。交流25,000V区間での定格出力は8,800kWに設定されており、って言うことで運用の安定性が向上しています。また、客車は一等車（Première classe）3両、二等車（Seconde classe）4両、そして二等座席とバーの合造車1両から構成されています。

Réseau編成は、LGV大西洋線で起こったトンネル通過時の気圧変動問題を解決するため、客車が気密構造となっている点が特徴的です。

客車の改修と転用

運行開始から10年以上が経過し、利用する客車内装が古くなったため、2007年のLGV東ヨーロッパ線開業に備えた改修が行われました。候補としては、デザインを手がけたレカロ社やMDB、クリスチャン・ラクロワ、ケンゾーなどの作品が挙げられ、最終的にはMBDデザインとクリスチャン・ラクロワによるデザインが採用されました。

改修作業は、2004年から2006年にかけて行われ、特に2電源対応編成がリール近郊のSNCFエレーム工場で施工されました。3電源対応編成については、2008年から2009年にかけて別のデザインで改修が施されています。また、2電源対応編成の一部は、スイス連邦鉄道・ドイツ鉄道区間への直通運転に対応するTGV POS編成に転用されました。

その結果、Réseau編成の動力車の一部は、Duplex編成に転用されるなど、様々な形で運用され続けています。最終的に、「TGV Réseau Duplex」として知られる新たな編成が組成されました。また、特定の編成は試験車両として改造され、検測業務に活用されています。

2009年の状況

2009年7月時点での状況では、2電源対応編成の33本はパリ東郊のTechnicentre Est Européenで運用されており、主として東ヨーロッパ線系統の列車で使用されています。3電源対応編成は、パリ・リヨン駅からイタリアへの国際列車であるアルテシアに利用されるなど、依然として多くの運行が行われています。

これらの特徴により、TGV Réseauはフランス国内外を結ぶ重要な交通手段となっています。

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