UC90 (潜水艦)

UC90 - ドイツ海軍の潜水艦

UC90はドイツ海軍のUCIII型潜水艦の一隻であり、第一次世界大戦中に建造された小型の機雷敷設潜水艦です。1918年1月19日に進水し、同年7月15日に竣工しました。この潜水艦は、戦争の終結が近づく中で就役したため、特に戦闘実績を持たないことが特徴です。

建造と艦歴

UC90はブローム＆フォス社によって建造され、当時の最新鋭の技術が投入されました。排水量は490トン、全長は56.5メートルで、機動性を重視した設計がなされています。この潜水艦は、ディーゼルエンジンと電動機を主動力としており、水上での出力は600馬力、水中での出力は770馬力を誇ります。

速力に関しては、水上で11.5ノット、水中で6.6ノットの性能を発揮します。また、兵装としては10.5センチの単装砲1門、魚雷発射管2門、そして機雷を14個搭載する能力を有しています。これにより、敵艦への攻撃や機雷敷設といった任務に対応できる設計となっていました。

戦後の動向

UC90は第一次世界大戦の末期に就役しましたが、戦後の時代においては他のドイツ製の潜水艦同様、日本に戦利品として引き渡されました。具体的には、1918年12月19日に日本に受領され、マルタ島から第二特務艦隊の護衛の下、横須賀まで回航されました。

ただし、日本海軍には正式に編入されることはなく、潜水艦の実験や試験に利用される形で運用されました。最終的には、呉において解体される運命を辿りました。そのため、UC90は限られた期間しか実戦を経験せず、特に戦史における位置づけは薄いといえます。

日本におけるこの潜水艦の呼称は「〇四潜水艦（仮称）」とされていますが、正式な艦名を持たないまま終焉を迎えました。

諸元まとめ

• - 常備排水量: 490トン
• - 全長: 56.5メートル
• - 主機: ディーゼル/電動機
• - 出力: 水上600馬力、水中770馬力
• - 速力: 水上11.5ノット、水中6.6ノット
• - 兵装: 10.5cm単装砲1門、魚雷発射管2門、機雷14個

このように、UC90はドイツ海軍の技術を集結した潜水艦であり、その設計や性能は当時としては先進的なものでしたが、運用歴が短いためにその存在は歴史の中であまり語られることがありません。特に日本においての地位は、試験艦というごく特殊な立場でした。今後も、関連する文献や資料に注目していくことが望まれます。

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