UFC 21

UFC 21: Return of the Champions 大会詳報

1999年7月16日、アメリカ合衆国アイオワ州シーダーラピッズのファイブシーズンズ・イベントセンターにて開催されたUFC 21「Return of the Champions」は、総合格闘技の歴史に新たな1ページを刻む大会となりました。この大会では、ライト級（後のウェルター級）タイトルマッチをはじめ、数々の激戦が繰り広げられ、ルール変更も発表されるなど、UFCの発展に大きく貢献しました。

ライト級タイトルマッチ：ミレティッチの防衛成功

メインイベントを飾ったのは、UFC世界ライト級王者パット・ミレティッチと挑戦者アンドレ・ペデネイラスによるタイトルマッチでした。5分5ラウンドという激闘の末、ミレティッチが1ラウンド2分20秒、ドクターストップによるTKOで勝利。見事2度目の王座防衛を果たしました。この試合は、ミレティッチの卓越したテクニックと、ペデネイラスの粘り強い戦いぶりが見ものでした。激しい打撃戦と、一瞬の隙も見逃さない攻防が、会場を熱狂の渦に巻き込みました。

ルール改正：新たな時代の幕開け

UFC 21では、ルールの大幅な改正が発表されました。それまでまちまちだった1ラウンドの時間を5分に統一。ノンタイトル戦は5分3ラウンド制、タイトルマッチは5分5ラウンド制となりました。さらに、判定方法にも変更が加えられ、ラウンドマスト制が導入されました。これらの変更は、より戦略的で、より公平な試合展開を促すものとして、大きな注目を集めました。このルール改正は、UFCの進化と、より安全で観戦しやすい競技を目指す、大きな転換点となりました。

注目カード：高阪剛のUFC参戦

この大会では、日本の格闘家、高阪剛選手が出場しました。高阪選手は、ヘビー級でティム・レイシック選手と対戦。2ラウンド終了時にタオル投入によるTKO勝ちを収めました。日本の格闘技界から世界最高峰の舞台に挑んだ高阪選手の活躍は、日本国内でも大きな話題となり、UFCの知名度向上にも大きく貢献しました。

その他の注目試合

この大会では、タイトルマッチ以外にも多くの注目カードが組まれました。ヘビー級では、トラビス・フルトン選手がデビッド・ドッド選手に判定勝利。アンドレ・ロバーツ選手はロン・ウォーターマン選手をKOで下すなど、重量級の選手たちが激しい戦いを繰り広げました。ミドル級では、ユージーン・ジャクソン選手がロイス・アルジャー選手をKOで破るなど、各階級で白熱した試合が展開されました。

大会結果まとめ

以下、UFC 21の全試合結果です。

第1試合：○ トラビス・フルトン vs. × デビッド・ドッド (判定3-0)
第2試合：○ アンドレ・ロバーツ vs. × ロン・ウォーターマン (1R 2:51 KO)
第3試合：○ ユージーン・ジャクソン vs. × ロイス・アルジャー (2R 1:19 KO)
第4試合：○ 高阪剛 vs. × ティム・レイシック (2R終了時 TKO)
第5試合：○ ポール・ジョーンズ vs. × フラービオ・モウラ (1R 4:20 チョークスリーパー)
第6試合：○ ジェレミー・ホーン vs. × 高瀬大樹 (1R 4:41 TKO)
第7試合：○ パット・ミレティッチ vs. × アンドレ・ペデネイラス (1R 2:20 TKO)
第8試合：○ モーリス・スミス vs. × マルコ・ファス (1R終了時 TKO)

UFC 21は、ルール変更と、数々の名勝負によって、総合格闘技の歴史に大きな足跡を残しました。この大会を機に、UFCはさらなる発展を遂げ、世界的な人気スポーツへと成長していきました。

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