W61H

W61Hは、日立製作所（現・日立コンシューマエレクトロニクス）とカシオ日立モバイルコミュニケーションズ（現・NECカシオ モバイルコミュニケーションズ）が共同で開発し、KDDIおよび沖縄セルラー電話（各auブランド）から発売されたCDMA 1X WIN方式の携帯電話です。

この機種は、実質的にW53Hの後継機種、あるいは姉妹機種と位置づけられます。しかし、メインディスプレイには有機ELではなくIPS液晶が採用されている点が大きな違いです。最大の特徴は、背面部に搭載された2.7インチの電子ペーパーディスプレイ「シルエットスクリーン」です。これは当時の国内携帯電話としては初の試みで、本体カラーによって異なるデザインが施されました。このシルエットスクリーンは、時刻や着信通知、カレンダーなどの情報を表示することができ、省電力にも貢献していました。

また、W61Hはワンセグにも対応しており、W52Hから搭載されている高画質映像技術「Picture Master for Mobile」により、美しい映像を楽しむことができました。ただし、W53Hのようにワンセグ機能に特化した端末ではないため、「Woooケータイ」という愛称は付いていません。

W61Hの卓上スタンド（充電台）と電池パックは、W53Hと共通のものが使用されています。この共通化は、ユーザーにとって利便性を高めるための配慮でした。

2009年春モデルから、auは端末の型番ルールを大幅に変更したため、W61Hは日立製の現行型番端末としては最後の液晶搭載機種となりました。その後、日立製の端末は一年後のH001まで液晶を搭載することはありませんでした。これは、当時の携帯電話市場におけるトレンドの変化を示す出来事でした。

さらに、W61Hは日立製のEV-DO Rel.0/KCP対応機種としては最終機種となります。この点からも、W61Hが日立製携帯電話の歴史において重要な位置を占めていることがわかります。

発売日と販売終了日

2008年1月28日：KDDIおよび日立製作所より公式発表
2008年3月6日：沖縄地区にて先行発売
2008年3月11日：北陸地区にて発売
2008年3月18日：中国地区にて発売
2008年3月19日：北海道地区にて発売
2008年4月1日：東北地区、中部地区、関西地区にて発売
2008年4月2日：四国地区、九州地区にて発売
2008年4月3日：関東地区にて発売
2008年8月：販売終了

対応サービス

W61Hは以下のサービスに対応していました。

au Smart Sports（アプリのダウンロードが必要）
au LISTEN MOBILE SERVICE（ビデオクリップ対応）
EZナビウォーク（声de入力・3D対応）
EZ助手席ナビ
安心ナビ
災害時ナビ
緊急通報位置通知
EZ FeliCa
EZチャンネルプラス
IrDA'>[赤外線]][[通信]
EZケータイアレンジ
PCサイトビューアー
EZアプリ (BREW)（オープンアプリプレイヤー対応）
デコレーションメール
絵しゃべりメール
ラッピングメール
Touch Message
SD-Video
SD-Audio (AAC)

これらのサービスにより、W61Hは多機能な携帯電話として、さまざまな用途に利用されていました。

W61Hは、その革新的なデザインと多機能性から、当時の携帯電話市場において注目を集めた機種の一つです。特に背面ディスプレイの採用は、他機種との差別化を図る上で大きなポイントとなりました。

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