IMovie

iMovieとは

iMovieは、AppleのiLifeスイートに含まれる、直感的で使いやすい動画編集ソフトウェアです。コンシューマ向けとして初めてHDVフォーマットに対応し、iOS版も提供されるなど、幅広いユーザーに利用されています。ここでは、iMovieの主な特徴、機能、バージョン履歴などを詳しく解説します。

主な特徴・機能

iMovieは、豊富なエフェクトやトランジション、直感的な操作性が特徴です。具体的な機能は以下の通りです。

- 多様なエフェクト: クロスディゾルブなどの場面転換、ミラー、早回し/スロー/逆転などのエフェクトが利用可能。
- 多様なファイル形式: HEVC、avi、MPEG-4など、様々な映像ファイル形式での書き出しに対応。
- DVD作成: iDVDとの連携により、簡単な操作でDVDを作成可能（iMovie HD 6.0.4まで）。
- SNS連携: YouTubeなどへの直接アップロードに対応。

バージョン履歴と新機能

iMovieは、1999年の初代バージョン発表以来、数多くのバージョンアップを重ねてきました。各バージョンの主な新機能は以下の通りです。

- iMovie 1.0: ドラッグ&ドロップでの動画シーン入れ替えやカット、QuickTime形式での保存。
- iMovie 2.0: Aquaインターフェース採用、直感的なプレビュー、特殊効果パネルの追加、オーディオ編集機能の強化。
- iMovie 3.0: Ken Burnsエフェクト、強力な音響編集ツール、DVDチャプターマーカー機能。
- iMovie 4.0: タイムラインの追加、iSightからの取り込み、.Macでの共有機能。
- iMovie HD 5.0: HDV対応、Magic iMovie機能、ビデオインポート機能強化。
- iMovie HD 6.0: モーションテーマ、柔軟なタイトル表示、オーディオ補正ツール、iWeb連携。
- iMovie '08 (v7.0): UI大幅変更、ライブラリ機能、AVCHD規格対応。ただし、機能低下や互換性問題も発生。
- iMovie '09 (v8.0): 詳細編集、エフェクト強化、手ブレ補正、ライブラリブラウザ。Mac OS X v10.5.6以降対応。
- iMovie '11 (v9.0): 予告編作成、オーディオ編集刷新、ワンステップエフェクト、人物検出機能、スポーツ/ニューステーマ。
- iMovie 10.0: UI刷新、OS X Mavericks以降対応。
- iMovie 10.1: UI改善、4K対応、OS X Yosemite以降対応。
- iMovie 10.2: Appleシリコン搭載Mac対応、macOS Catalina 10.15.6以降対応、HDR対応。
- iMovie 10.3: シネマティックモード対応（macOS Monterey以降）、iOS/iPadOS向けiMovie 3.0のマジックムービーとストーリーボード対応。
- iMovie 10.4: macOS Sonoma以降で、Apple M1 Max、M1 Ultra、M2 Max、M2 Ultra、M3 Maxを搭載したMacでは、同時に処理によりHEVCファイルとH.264ファイルの高速なエンコード処理ができる。

iOS版iMovie

Appleは、iOSデバイス向けにもiMovieを提供しています。当初はiPhone 4のみの対応でしたが、後に第4世代iPod touchやiPad 2にも対応しました。macOS版とはインターフェースが異なりますが、基本的な機能は共通しており、直感的な操作でムービーを作成できます。

iOS版iMovieの主な特徴

- 直感的な操作: ビデオクリップの追加や長さ調節が簡単。
- テーマ: 雰囲気を加えるためのテーマが用意。
- 音楽: 音楽の追加も可能。
- 共有: ウェブ、Eメール、YouTubeなどへのアップロードに対応。

iOS版iMovieのバージョン履歴

- 1.0: iMovie for iPhoneの初代バージョン。
- 1.1: 第4世代iPod touch対応、ビデオクリップ分割、自動ループ再生、ヒントページ。
- 1.2: マルチタッチ詳細機能（iPad 2のみ）、マルチトラックオーディオ編集、オーディオ録音、YouTube/Facebook/VimeoへのHDビデオ公開、AirPlay対応。
- 1.3: 予告編作成、フリーズフレーム、GarageBand連携。
- 2.0: UI刷新、スローモーション対応、共有機能改善。
- 2.1: iOS 8対応、可変速編集、iCloud Drive対応。
- 2.2: 感圧タッチ対応、4K解像度対応、60fpsの1080p対応。
- 2.2.5: iPhone XのSuper Retinaディスプレイ対応、Metal対応。
- 2.2.6: 外部ディスプレイ対応。
- 2.2.10: フィルタ追加、サウンドトラック追加、iOS 13.4以降対応。
- 2.3: タイトル機能追加、背景追加、フィルタ強度変更、4K/60fpsビデオ対応、HDRビデオ対応。
- 3.0: マジックムービーとストーリーボード機能。
- 3.0.2: iMovieのプロジェクトをiPad用Final Cut Proで編集・活用できる。iPhone 15 Pro/Pro Maxで撮影されたLogエンコードビデオ