イメージファイト

IMAGEFIGHT

『IMAGEFIGHT』（イメージファイト）は、日本のゲームメーカーであるアイレムによって開発・販売され、1988年にアーケードゲームとして登場した縦スクロールシューティングゲームです。同社の名作『R-TYPE』を手掛けたスタッフの一部が開発に携わり、音楽は『ミスターヘリの大冒険』や『最後の忍道』で知られる石田雅彦が担当しています。

概要

物語は20XX年を舞台に展開します。プレイヤーは最新鋭戦闘機「OF-1 ダイダロス」のパイロットとなり、月面ムーンベースを占拠したエイリアンを排除するための特殊訓練「イメージファイト」に参加します。この訓練を突破した後、実際の戦闘へと移行し、最終的にエイリアンの脅威を排除することがゲームの目的となります。

本作は、その高い難易度で知られており、緻密な攻略パターンの構築が求められる戦略的なゲームデザインが特徴です。全8ステージ構成で、前半5ステージが「訓練」、後半3ステージが「実戦」という流れになっています。「訓練」ステージの成績によっては、非常に難易度の高い補習ステージへの挑戦が必要となる場合もあります。全ステージクリア後には難易度が上昇する2周目が待ち受けており、これを制覇することで異なるエンディングを迎えることができます。

ゲームシステム

操作は8方向レバーと、ショット、そして「変速」ボタンの2ボタンを使用します。自機の速度を4段階にリアルタイムで切り替えることができる「変速」システムは、本作の最も特徴的な要素の一つです。変速ボタンを押すたびに速度が段階的に変化し、機体の外見も変わりますが、当たり判定に影響はありません。速度調整は、敵の攻撃を回避したり、特定の地形を攻略したりする上で非常に重要となります。また、変速時には自機尾部から攻撃判定を持つバックファイアーが発生する点も攻略の鍵となります。

自機の攻撃力を補強するオプションとして「ポッド」が存在します。POWボックスから出現し、最大3個まで機体の左右や後部に装備可能です。ポッドはノーマルショットと同威力の攻撃を行います。ポッドには青色（正面固定）と赤色（自機の移動方向と逆方向に旋回し、16方向に対応）の2種類があり、取得時のポッドの色で性質が決まります。特に赤ポッドは狭い場所での攻撃や、敵への接触によるダメージ狙いにも利用できます。また、ショットと変速ボタンを同時に押すことで、左右のポッドを前方に射出する「ポッドシュート」を行うことも可能です。

さらに、POWボックスからは様々な「パーツ」が出現します。パーツは機首に1つだけ装備でき、装備中はノーマルショットが使えなくなる代わりに、パーツ固有の特殊攻撃が可能となります。バリア、反射ボール、サーチレーザー、各種バルカン、ドリルレーザー、リングレーザー、サーチミサイルなど、全部で9種類のパーツが存在します。ただし、パーツは敵の攻撃を受けたり、敵や障害物、POWボックスに接触したりすると破壊されてしまうため、慎重な運用が求められます。

自機：OF-1 ダイダロス

プレイヤーが操作する「OF-1 ダイダロス」は、月面のマザーコンピューター暴走に対応するため開発された最新鋭の軌道戦闘機です。初の大気圏離脱・突入能力を持ち、変速時の安定した姿勢制御のために機体が変形します。「サイバーコネクター」や「P.L.D.」といったシステムにより、ポッドを遠隔操作する「P.O.D.」システムや、様々なエネルギーコンバーター（パーツ）を接続する「P.E.C.」システムによる多角的な攻撃が可能です。通常型以外にも、特定の環境に対応したバリエーション機が存在します。後の『R-TYPE FINAL』シリーズにも登場していますが、そちらではR戦闘機からの派生機と設定されています。

移植と展開

アーケード版の成功後、1990年にはファミリーコンピュータ、PCエンジン、FM TOWNS、X68000といった家庭用コンピューターに移植されました。また、後年にはセガサターンおよびPlayStationで発売された『アーケードギアーズ イメージファイト&エックスマルチプライ』（1998年）や、北米向けのWindows用ソフト『IREM Arcade Hits』（2011年）にアーケード版が収録されています。さらに、近年のプラットフォームでは、PlayStation 4|PlayStation_4およびNintendo Switch向けにアーケードアーカイブスとして2019年に配信が開始されました。PCエンジン版も、Wii（2007年）およびWii U（2015年）のバーチャルコンソール対応ソフトとして配信されています。

評価

アーケード版は、当時のゲーム誌『ゲーメスト』において高い評価を獲得しました。「第3回ゲーメスト大賞」では総合9位、ベストシューティング部門で3位にランクインしたほか、プレイヤー人気や年間ヒットゲームでも上位に入賞しています。ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では全アーケードゲーム中25位に選出され、「妥協を許さぬマニア好みのシューティング」と評されました。その緻密なゲームデザインと難易度は、多くのシューティングゲームファンを惹きつけ、「マニアの挑戦意欲をかきたてる最高のゲーム」として称賛されています。一方、移植版では、PCエンジン版が『ファミコン通信』のクロスレビューで合計30点を得てシルバー殿堂入りを果たすなど、比較的高く評価されました。

本作のゲーム性は、後のシューティングゲームにも影響を与えたと言われています。その高い戦略性と歯ごたえのある難易度は、今なお多くのファンに語り継がれています。

関連作品

イメージファイトII: PCエンジンSUPER CD-ROM2向けに発売された続編。
R-TYPE FINAL: アイレムを代表するシューティングシリーズで、本作の自機「OF-1 ダイダロス」が登場します（ただし設定は一部異なります）。
* レイディアントシルバーガン: 開発スタッフが本作から影響を受けたと語っています。

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