ケール (Kale)
ケール(
学名: Brassica oleracea var. acephala)は、
アブラナ科アブラナ属に属する緑
葉野菜です。
キャベツの
原種であるヤセイカンランに近い品種で、
地中海沿岸が原産とされています。
和名ではリョクヨウカンラン(緑
葉甘藍)やハゴロモカンラン(羽衣甘藍)と呼ばれます。
語源
英語の「Kale」は、中世
英語の「cale」(様々な
キャベツを意味する)に由来し、
ラテン語の「caulis」が起源です。コラード(Collard)は、中世
英語の「colewort」(頭のないBrassica属を意味する)に由来します。
起源と地理的分布
ケールの原産は
地中海沿岸で、
古代ギリシア時代には薬用や食用として栽培されていました。その後、
ヨーロッパ各地に広がり、多くの品種が生まれました。耐暑性・耐寒性が強く、世界中で栽培されています。
ヨーロッパ:中世には一般的な野菜として栽培され、食糧難の時代には重要な食料源となりました。
アフリカ:
東アフリカや
南部アフリカでは重要な
葉野菜の一つです。
アメリカ:17世紀に伝わり、近年
スーパーフードとして注目されています。
日本:江戸時代に伝わりましたが、当初は観賞用として栽培され、
青汁の原料として利用されるようになりました。
栽培
ケールは種子または挿し木で栽培され、一年を通して栽培可能です。冷涼な気候を好み、排水性の良い土壌が適しています。
連作は避ける必要があります。
1. 種まき: 春から秋にかけて種まきが可能です。
2. 育苗: 育苗ポットまたは苗床で育てます。
3. 定植: 本
葉が5-6枚になったら定植します。
4. 管理: 肥料を適切に施し、土寄せを行います。
5. 収穫: 外側の
葉から順次収穫します。
品種
ケールには様々な品種があり、
葉の形状や色、茎の長さなどが異なります。代表的な品種としては、以下のものがあります。
コラード:
葉が幅広く、縮れが少ない品種です。
カーリーケール:
葉が縮れた、一般的なケールです。
シベリアンケール:耐寒性が高い品種です。
トスカーナケール:
葉が細長く、濃い緑色をしています。
ツリーケール:大型で、草丈が2-4
メートルにもなります。
マローステムケール:茎が太く、髄を食用とします。
サウザンドヘッドケール:よく枝分かれし、多数の
葉を生やします。
また、メ
キャベツや
ブロッコリーなどとの交配種も存在します。
調理法
ケールは独特の風味と苦味があるため、日本では
青汁や
スムージーの材料として利用されることが多いです。しかし、
ヨーロッパやアフリカなどでは、様々な料理に使われています。
サラダ:若い
葉は生のまま
サラダとして食べられます。
炒め物:他の野菜と一緒に炒めて食べます。
煮物:煮込み料理の具材として使われます。
スープ:ポタージュや
ミネストローネなどの
スープに使われます。
ケールチップス:オーブンで焼いて、チップスとして食べます。
栄養価
ケールは栄養価が非常に高い野菜です。
ビタミンK、
ビタミンA、
ビタミンC、
ビタミンB6、
葉酸、
マンガン、
鉄、
カルシウム、
カリウム、
食物繊維などが豊富に含まれています。
ケールには、
ルテイン、
ゼアキサンチン、スルフォラファンなどの
ファイトケミカルも豊富に含まれています。これらの成分は、健康に良い影響を与える可能性があります。
安全性
通常の食品として摂取する場合は安全ですが、妊婦・授乳婦は多量摂取を控えるようにしましょう。また、ワルファ
リン(
抗凝固薬)を服用している方は、摂取に注意が必要です。