トローチ

トローチの概要

トローチは、唾液によって徐々に溶解することで、口腔や咽頭の粘膜に対して直接的な効果を発揮するために設計された医薬品の一形態です。英語では「troche」と呼ばれ、語源はギリシャ語の「trochos」で、これには「車輪」という意味が含まれています。日本薬局方では、トローチを「医薬品を一定の形状に製したもので、口中で徐々に溶解又は崩壊して、口腔や咽頭に適用する製剤」と定義しています。

アメリカ合衆国では、トローチはサプリメントとしても利用されています。特に亜鉛を含むトローチや、鎮痛剤（例：フェンタニル）の形態としてトローチを用いる例も見られます。

トローチの効能

風邪などの症状に伴う喉の痛みや腫れを和らげる働きがあり、口腔内の殺菌や消毒、口臭の除去にも寄与します。トローチは口の中で長時間かけて溶かすことが重要であり、これによりその効果を最大限に引き出すことができます。噛み砕いたり飲み込むと効果が薄れるため、甘味料や香料といった添加物がしばしば使用されます。また、口の中で溶ける速度を調整するために、トローチには空気の通り道として小さな穴が開けられています。これは誤って飲み込むことによる窒息の危険性を軽減するための工夫です。

トローチの成分

トローチには主に、殺菌剤や抗生物質、局所麻酔剤が含まれます。殺菌剤系では、臭化ドミフェンや塩化デカリニウム、クロルヘキシジンがよく用いられます。抗生物質としては、テトラサイクリンやフラジオマイシン、グラミシジン、バシトラシンが含まれます。また、局所麻酔剤として、アミノ安息香酸エチルも一般的です。

処方箋[[医薬品]]のトローチ

トローチの中でも特定の処方箋[[医薬品]]について考えてみましょう。以下に主な成分とその特徴、用途を紹介します。

• - ドミフェン（代表薬：オラドール）

嗅覚を刺激し、脂肪を可溶化し、タンパク質を変性させる性質があります。これによって、咽頭炎、扁桃炎、口内炎、口腔内の感染予防に利用されます。トローチの味にはハッカやイチゴなどがあります。

• - デカリニウム（代表薬：SPトローチ）

デカリニウム塩化物は、咽頭や口腔の感染の予防に使用され、効果的に症状を和らげます。

• - セチルピリジニウム（代表薬：スプロール）

ブドウ球菌などのグラム陽性菌に対して強い殺菌作用を持ち、咽頭や口内炎などの治療に役立ちます。

まとめ

トローチは、風邪や喉の痛みなどの症状を緩和するための効果的な医薬品です。成分の選択や効能によって、患者の状態に合わせた適切な製剤を選ぶことが重要です。さまざまな味や形状があり、使いやすいのも魅力の一つです。

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