ドルチェ

ドルチェ（dolce）

ドルチェ（dolce）は、イタリア語に由来する言葉で、多様な意味合いを持ちます。

言葉の由来と基本的な意味

イタリア語において、「ドルチェ」は「甘い」「甘美な」といった形容詞として使われます。また、「優しい」「柔らかい」といったニュアンスを含むこともあります。この言葉の複数形はドルチ（dolci）です。イタリアでは、特に女性に対してこの言葉を使う場合、褒め言葉として肯定的な意味合いで用いられることがあります。

一般名詞としての「ドルチェ」

イタリア語圏では、英語の「スイーツ」や日本語の「甘味」にあたる概念として、食後に提供されるデザートや、甘い菓子全般を指す名詞としても広く使われています。

固有名詞としての使用例

「ドルチェ」という言葉や「DOLCE」といった名称は、その響きや意味合いから、様々な分野で固有名詞やブランド名として採用されています。

食品関連

食品分野では、幾つかの製品名に見られます。

ハーゲンダッツの商品名：既存の洋菓子をモチーフにしたアイスクリームのシリーズ名として採用されています。
サッポロビールのブランデー：サッポロビールが販売するブランデーの一つに「ドルチェ」という名前が冠されています。
江別製粉の小麦粉：製菓用に開発された小麦粉の商品名として採用されており、幅広い種類の菓子作りに適しています。

音楽関連

音楽の世界でも、「ドルチェ」は重要な役割を果たしています。

演奏記号：楽譜上で用いられる演奏記号の一つで、イタリア語の原義通り「甘美に、優しく」といった表情で演奏することを指示する際に使われます。
楽曲・アルバム名：この言葉が持つポジティブなイメージから、多くのアーティストが楽曲やアルバムのタイトルに使用しています。
鈴木亜美のアルバム『DOLCE』
嘉陽愛子のアルバム『Dolce』
テレビアニメ『D.C. 〜ダ・カーポ〜』シリーズのボーカルアルバム『dolce』、『dolce2』、『dolce3』
中原薫のアルバム『Dolce』
椎名恵のアルバム『Dolce』
西村由紀江のアルバム『Dolce』
鈴木雅之のアルバム『Dolce』
Hysteric Blueのシングル『DOLCE〜夏色恋慕〜』
音楽団体：日本の音楽制作ユニット「Dolce Triade」がこの名称を用いて活動しています。

ブランド・企業関連

ファッションや電子機器など、幅広い業種のブランド名や企業名にも採用されています。

ドルチェ&ガッバーナ：イタリアを代表する高級ファッションブランドとして、衣服、アクセサリー、香水などを手掛けており、世界的に広く知られています。
DOLCE (携帯電話)：NTTドコモがかつて展開していた携帯電話機の特定のブランド名、そして型番SH851iの愛称として使われました。シンプルで使いやすいデザインが特徴でした。
セイコーの腕時計：セイコーが展開する男性向け腕時計のブランドの一つで、エレガントなデザインや高品質な作りが特徴です。
伊藤忠商事のグループ会社：伊藤忠商事の子会社や関連会社の中に、社名の一部に「ドルチェ」を含む企業が存在します。
日本ビクターのスピーカー：日本ビクター（現在のJVCケンウッド）が過去に製造していたオーディオ機器の中でも、特に音質にこだわった高級スピーカーのブランド名として「DOLCE」が使われていました。
アダルトゲームブランド：日本の成人向けゲームソフトウェアを開発・販売するブランドの一つとして「DOLCE」という名称のものが存在します。

その他の使用例

上記以外にも、「ドルチェ」の名は様々な分野で見られます。

ドルチェ (小説)：作家・誉田哲也氏による警察小説シリーズ、およびそれを原作としてフジテレビ系の『金曜プレステージ』枠で放送された松下由樹主演のテレビドラマシリーズのタイトルです。
ドルチェー（Dolcé）：イタリア北東部、ヴェネト州ヴェローナ県に位置するコムーネ（基礎自治体）の名前です。アディジェ川沿いの美しい景観を持つ地域です。
日産・モコ ドルチェ：日産自動車が販売していた軽ハイトワゴンであるモコの特別仕様車・派生グレード名として使用されていました。これはスズキ・MRワゴンWitのOEM供給を受けた兄弟車にあたります。
ドルチェ 甘い被写体：2013年に製作されたアメリカ映画の日本公開時の邦題です。原題は『Broken Side of Time』とされています。
* DOLCE (雑誌)：かつて白夜書房から刊行されていた、主にグラビアアイドルを掲載する成人向けグラビア雑誌の誌名でした。

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