ナビダイヤル

ナビダイヤルとは

ナビダイヤルは、NTTコミュニケーションズが提供する電話の付加サービスで、全国共通の電話番号で複数の着信先への接続を可能にするサービスです。一般的に「0570ダイヤル」と呼ばれ、企業が顧客からの問い合わせ窓口を効率的に運営するために利用されています。

1997年5月1日にサービスが開始されて以来、多くの企業で導入されていますが、利用者からは通話料がかかる点や、無料通話の対象外となる点などから、不満の声も多く聞かれます。特に、問い合わせ窓口の混雑時には、通話料が発生したまま長時間待たされるケースもあり、問題視されています。

ナビダイヤルの仕組みと特徴

ナビダイヤルは、転送電話サービス「ボイスワープ」を高度化したもので、電話番号は通常「0570-0xxxxx」の形式ですが、消費者ホットライン188番のような局番なし番号でも利用されることがあります。企業は、発信地域に応じて問い合わせ窓口を振り分けることができ、全国規模で事業を展開する企業のカスタマーセンターなどで多く利用されています。

しかし、ナビダイヤルには、通話料が強制的に発生するという特徴があります。通話料金は、発信地から拠点までのNTTコミュニケーションズの料金が適用され、定額プランの対象外です。通話開始前に「ナビダイヤルでおつなぎします。〇〇秒ごとに、およそ〇〇円でご利用いただけます。なお、通話料定額プランの対象外となります。」というアナウンスが流れます。このアナウンス後、呼び出し中から通話料が発生します。

携帯[[電話]]からは、平日昼間で4.5秒ごとに10円～20秒ごとに10円、固定[[電話]]からは60秒ごとに10円～22.5秒ごとに10円、IP電話の場合は一律で180秒ごとに8円の通話料がかかります。また、自動音声や待機状態でも通話料が課金されるため、注意が必要です。

ナビダイヤルの通話料に関する注意点

ナビダイヤルの通話料は、電話会社の通話料割引サービス、携帯[[電話]]の無料通話プラン、各種キャンペーンなどが一切適用されません。請求書には、NTTコミュニケーションズ扱いの請求として別途記載されます。

2021年には、新型コロナウイルスワクチン接種の電話予約でナビダイヤルが利用された際、オペレーターに繋がるまでの待ち時間にも課金されるため、高額な電話料金が請求されるケースが問題となりました。これを受けて、NTTコミュニケーションズは課金開始前に、かけ放題サービスなどの対象外であることをアナウンスする音声ガイダンスを追加しました。

2024年1月からは、公衆交換[[電話網]]のIP網への移行に伴い、通話料が改定され、固定[[電話]]との通話料は180秒ごとに9.35円、携帯[[電話]]からの通話料は20秒ごとに11円に実質値下げされました。しかし、無料通話の対象外である点は変わっていません。

ナビダイヤルに掛けられない電話回線

ナビダイヤルには、NTT東・西の固定[[電話]]や公衆電話からは掛けられますが、その他の電話からは一部掛けられないものがあります。

直収[[電話]]（一部の電力系通信事業者など）
050番号のIP電話（NTTコミュニケーションズ以外）
一部の0AB-J番号のIP電話
全事業者のプリペイド式[[携帯[[電話]]]]
一部の船舶電話
海外からの国際[[電話]]
NTT東西のISDN回線でも一部機種
KDDIスーパーワールドカード等のプリペイドカード
構内交換機を経由する場合
NTTコミュニケーションズのカードCやソフトバンクのIDキャッシュレスカード

企業によっては、発信端末を選択して、携帯[[電話]]からナビダイヤル番号に掛けられないように設定している場合もあります。また、無料通話プランの対象外であるため、注意が必要です。

ナビダイヤルの問題点と代替策

ナビダイヤルは、企業にとっては問い合わせ窓口の一元化に役立ちますが、利用者にとっては高額な通話料や無料通話の対象外となることが問題視されています。そのため、多くの企業では、ナビダイヤルだけでなく一般の電話番号も併記するケースが多くなっています。

一般電話番号が併記されている場合、高額な請求を避けるために、あえて一般電話番号に掛ける人も少なくありません。しかし、その場合は問い合わせが特定の窓口に集中し、待ち時間が長くなる可能性もあります。

他社の類似サービス

かつては、NTT東日本・西日本のナビアクセス・APナビ、KDDIのアクセスコール、ソフトバンクテレコムのアドコール、平成電電のナビチョッカなどの類似サービスが存在しましたが、現在ではNTTコミュニケーションズのみが提供しています。これらのサービスは番号ポータビリティの対象外です。

ナビダイヤルの使用例

ナビダイヤルは、企業のカスタマーセンターや、プロバイダのダイヤルアップ接続用アクセスポイント、プレイガイドのチケット予約番号など、様々な用途で利用されています。また、テレビ朝日の番組「朝まで生テレビ!」のアンケート電話番号などにも用いられています。

まとめ

ナビダイヤルは、企業にとっては効率的な問い合わせ窓口の運営に役立つ便利なサービスですが、利用者にとっては通話料が高額になる可能性があるため注意が必要です。特に、無料通話プランの対象外となるため、通話時間や待機時間にも注意して利用するようにしましょう。

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