上白滝駅

上白滝駅：石北本線の歴史を刻んだ小さな駅

北海道紋別郡遠軽町上白滝にあった上白滝駅は、北海道旅客鉄道（JR北海道）石北本線の駅として、1932年10月1日に開業しました。当初は一般駅として、石北線の延伸開業と共にその歴史が始まりました。その後、1949年には日本国有鉄道（国鉄）に移管され、1961年には所属路線が石北本線と改称されました。

時代の流れとともに、上白滝駅も変化を遂げました。1978年には貨物輸送、1983年には荷物輸送がそれぞれ終了し、同時に無人駅となりました。利用者の減少は避けられず、1986年のダイヤ改正では、上川駅と白滝駅間の普通列車が1日1往復に削減され、土曜日の登校日以外はさらに本数が減りました。1992年のダイヤ改正では、土曜日の登校日に行われていた白滝駅-遠軽駅間の定期列車の奥白滝駅延長が廃止され、毎日1日1往復のみの運行となりました。

2015年7月、JR北海道は2016年3月ダイヤ改正での上白滝駅の廃止方針を遠軽町に通知。そして、2016年3月26日、利用者減少とダイヤ改正を理由に、上白滝駅は廃止されました。廃止時点での1日あたりの停車本数はわずか1往復2本。JR東日本山田線の浅岸駅と並び、国内で最も停車本数の少ない駅の一つでした。同年6月下旬には、木造の駅舎とトイレが解体されました。

上白滝駅の駅構造は、開業当初は相対式ホーム2面2線でしたが、合理化が進み、廃止時点では単式ホーム1面1線の地上駅となっていました。遠軽駅の管理下にある無人駅であり、駅舎とは別に木造のトイレが設置されていました。

利用状況については、年を追うごとに減少傾向にあったことが記録に残っています。詳細な数値は文献によりますが、最終的には1日1往復という極めて少ない運行本数にまで減少しました。

駅周辺は、国道333号沿いに小さな集落や商店が点在する静かな環境でした。駅舎のすぐ前には小さな工場がありました。また、東白滝牧場や合気道ゆかりの地も近隣に位置しています。

上白滝駅の隣駅は、上川駅と白滝駅でした。駅間には中越信号場、上越信号場、奥白滝信号場がありました。

上白滝駅の廃止は、地方の過疎化や交通事情の変化を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。かつて多くの人々の生活を支えたこの小さな駅は、その歴史に幕を閉じ、今ではその面影を探るのみとなっています。しかし、合気道ゆかりの地として、また、地域の記憶として、その存在はこれからも語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索