中型ゾイド

中型ゾイド：多様なメカニカルライフ

『ゾイド』シリーズに登場する中型ゾイドは、主にゼンマイまたは電動モーターで駆動する、中型サイズの架空兵器です。1983年のシリーズ開始当初は、サイズ分類がなく、ゼンマイ駆動8種と電動駆動1種の計9種類がラインナップされました。しかし、後年の商品カタログや関連書籍では、価格帯や動力源、そして登場媒体によって中型ゾイドの定義が曖昧になり、表記に揺らぎが見られます。

ゾイド分類の変遷：定義の曖昧性

初期のカタログではサイズ区分がされておらず、電池使用の有無のみが記載されていました。後に『ゾイドバトルストーリー』シリーズでは、ゼンマイ駆動ゾイドを価格帯で「中型マイクロゼンマイタイプ」に分類し、電動モーター駆動ゾイドを「中型電動タイプ」として扱うようになりました。しかし、『ゾイドバトルストーリー』シリーズ内でも、小型ゾイドとの分類が異なる記述が見られ、整合性に欠ける部分も存在します。

『ゾイド公式ファンブック』シリーズでは、「中型ZOIDS＜モーター駆動タイプ＞」「中型ZOIDS＜ゼンマイ駆動タイプ＞」として分類されていますが、個別解説ではサイズ表記が矛盾している場合もあります。また、ゲーム作品では、ユニットサイズとして「中型」「M」などが設定され、部隊編成に影響を与えるものの、ゼンマイ駆動と電動駆動で扱いが異なる場合も存在します。

『ゾイドワイルド』シリーズでは、1/35スケールを採用しているため、従来の1/72スケールの中型ゾイドとはサイズ感が異なります。このように、中型ゾイドの定義は、シリーズの展開や媒体によって変化し、明確な基準がないことがわかります。

代表的な中型ゾイド：個々の特徴と活躍

ここでは、代表的な中型ゾイドについて、その特徴と作中での活躍を詳細に解説します。

アロザウラー：共和国軍の重装甲攻撃メカ

アロザウラーは、ヘリック共和国軍がゴドスの後継機として開発したアロサウルス型のゾイドです。重装甲と高い機動性を両立し、同クラス最高の格闘能力を誇ります。中央大陸戦争で主力として活躍しましたが、惑星Zi大異変で絶滅寸前に。その後、再生産され、ネオゼネバス帝国との戦いで再び第一線に復帰しました。武装は、2連ビーム砲、火炎放射器、電磁ハンド（エレクトロンクロー）など。キットはゼンマイ駆動で、リンク機構による膝と足首の可動ギミックが特徴です。

ヴァルガ：帝国軍のダンゴムシ型ゾイド

ヴァルガは、惑星Zi大異変でゾイドを失ったガイロス帝国が開発したダンゴムシ型のゾイドです。キングゴジュラスの残骸を解析し、宇宙船グローバリー3世号の技術を採用。エネルギーフィールドと小型重力発生器によるグラビティアタックが特徴です。武装は、地対地ミサイルポッド、対ゾイドレーザー機銃、小口径ビームガトリング砲など。キットは特徴的な丸まり移動ギミックが再現されています。

ウオディック：帝国軍の水中戦の切り札

ウオディックは、ゼネバス帝国が開発した魚型のゾイドです。1万2000mの深海の水圧にも耐え、新型ハイパワーユニットを搭載。中央大陸戦争では共和国軍の水中戦ゾイドを凌駕する圧倒的な水中戦能力を誇りました。短時間であれば陸上でも活動可能ですが、戦闘力は低下します。武装は、音波砲、中口径ビーム砲、対艦ミサイルランチャーなど。キットはゼンマイ駆動で、胸びれと腹びれを使って歩行、尾部を振って遊泳させるギミックがあります。

エクスグランチュラ：共和国軍のタランチュラ型ゾイド

エクスグランチュラは、ヘリック共和国軍がグランチュラをベースに開発したタランチュラ型のゾイドです。大型化とオプションパーツの追加により、サイズに比して重武装を実現。高い不整地走破能力も持ちます。武装は、ハイパーレーザーファング、マクサー20mmビーム砲、チタンスパイク、ポイズンジェットスプレーなど。キットはHiパワーユニットを使用し、多くの武器パーツが付属します。

カノンフォート：共和国軍のバッファロー型ゾイド

カノンフォートは、ヘリック共和国軍が開発したバッファロー型のゾイドです。軽量硬質装甲と高い機動性を持ち、胸部には格納庫があります。武装は、ビームホーン、二連ガンランチャー、四連速射砲、重撃砲、ジャミングテイルなど。キットはゼンマイ駆動で、重撃砲塔の旋回と俯仰ギミックが特徴です。

その他の中型ゾイド

上記以外にも、多くの魅力的な中型ゾイドが存在します。ガル・タイガー、キングライガー、ゴッドカイザー、コマンドウルフ、ゴルヘックス、ハウンドソルジャー、バトルクーガー、パンドス、バンブリアン、ハンマーヘッド、ブラキオス、ブラックライモス、ベアファイター、ヘルディガンナー、シャドーフォックス、レイノス、レドラーなど、それぞれ独自の個性と役割を持つゾイドが数多く登場します。これらのゾイドは、それぞれの媒体で独自の活躍を見せており、ゾイドの世界観をより豊かに彩っています。

まとめ：多様性と魅力あふれる中型ゾイドの世界

中型ゾイドは、シリーズを通して様々なデザインと性能、そして活躍を見せてきました。サイズや動力源、武装など、明確な定義がないため、その分類は曖昧ですが、各ゾイドの個性が際立ち、魅力的な存在であることに変わりはありません。それぞれのゾイドの活躍を、様々な媒体を通して楽しむことができるのも、このシリーズの魅力の一つと言えるでしょう。

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