伊勢志摩

伊勢志摩とは

伊勢志摩は、三重県南東部に位置する、旧令制国の伊勢国と志摩国にまたがる地域です。現在の行政区分では、主に三重県の南勢地域に相当しますが、観光名称として広く用いられています。この地域には、伊勢神宮や志摩半島といった著名な観光地があり、多くの観光客が訪れます。

概要

三重県は、伊勢国、志摩国、伊賀国の全域と紀伊国の一部を合わせて県域が構成されています。観光における「伊勢志摩」という場合、厳密な旧国境にとらわれず、伊勢神宮と志摩半島、およびその周辺地域を指すことが一般的です。南勢地域とほぼ重なりますが、南勢に含まれる大紀町は伊勢志摩の範囲から除外される傾向があります。

伊勢志摩地域（大紀町を除く）の人口は2024年11月1日時点で約20万6千人、面積は約912平方キロメートル、人口密度は1平方キロメートルあたり約226人です。この地域には、伊勢[[市]]、鳥羽市、志摩市の3市があり、これらを総称して「伊勢・鳥羽・志摩」と紹介されることもあります。

気象予報においては、伊勢[[市]]、鳥羽市、志摩市、度会郡（大紀町を除く）を「伊勢志摩」と称します。また、近畿日本鉄道（近鉄）では、鳥羽駅や賢島駅方面への旅客案内で「伊勢志摩方面」とアナウンスされます。

範囲

「伊勢志摩」の範囲には明確な定義がなく、使用者によって多少変動します。以下にいくつかの例を示します。

伊勢志摩観光コンベンション機構: 伊勢[[市]]、鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、南伊勢町。
三重県総合計画: 伊勢[[市]]、鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町。
三重県庁「伊勢志摩生活創造圏」: 伊勢[[市]]（旧二見町、旧小俣町、旧御薗村）、鳥羽市、志摩市（旧浜島町、旧大王町、旧志摩町、旧阿児町、旧磯部町）、玉城町、度会町、南伊勢町（旧南勢町、旧南島町）。
地理用語集: 三重県東部、熊野灘に突き出た志摩半島とその付け根の伊勢地方。
タウンページ「伊勢・志摩版」: 伊勢[[市]]、志摩市、鳥羽市、多気郡（明和町）、度会郡（玉城町、南伊勢町、度会町）。
ご当地ナンバー「伊勢志摩」: 伊勢[[市]]、鳥羽市、志摩市、多気郡（明和町）、度会郡（度会町、玉城町、南伊勢町）。
『伊勢志摩と近代文学』: 紀伊半島の東端、熊野灘に面する志摩半島一帯。
『中部圏』: 伊勢[[市]]、鳥羽市、志摩市、玉城町、南伊勢町。

このように、「伊勢志摩」の範囲は、対象とする分野や目的によって若干の違いが見られます。

観光

伊勢志摩は、年間を通じて多くの観光客が訪れる人気の観光地です。高度経済成長期以前は年間400万人から500万人程度でしたが、1973年の伊勢神宮の式年遷宮を機に1200万人を突破し、その後1300万人から1400万人程度で推移しました。

1994年には、世界祝祭博覧会の開催や志摩スペイン村の開業により、過去最高の1954万人を記録しましたが、バブル崩壊や観光施設のマンネリ化などの影響で観光客は減少し、2004年には1017万人まで落ち込みました。

しかし、2006年から始まった伊勢神宮の式年遷宮に関連する行事「お木曳き」を契機に、観光客は回復傾向に転じ、8年ぶりに1100万人を突破しました。現在では、観光客誘致のための様々な取り組みが展開されています。

まとめ

伊勢志摩は、伊勢神宮と美しい海岸線で知られる志摩半島を中心に、豊かな自然と歴史、文化が融合した魅力的な地域です。観光客は減少した時期もありましたが、近年は回復傾向にあり、今後も多くの観光客が訪れることが期待されます。伊勢志摩の観光資源をさらに活用し、地域の活性化を目指す取り組みが重要になるでしょう。

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