冷苞

冷苞とは

冷苞（れい ほう、生没年不詳）は、中国後漢末期の著名な武将であり、劉璋に仕官していました。その活動は、特に劉備との関わりを通じて知られています。彼の物語は、歴史的事実と文学作品が融合した形で伝えられています。

劉璋との関係

冷苞は劉璋の元で重要な役割を果たし、彼の指揮下で軍事行動に参加しました。建安18年（213年）、劉璋は劉備との関係が悪化し、涪の地で劉備を迎撃する命令を出しました。しかし、冷苞はこの戦闘で敗北し、軍を退き綿竹へと逃れました。この時期が彼の運命を大きく変えることになります。

三国志演義における冷苞

冷苞の名は、羅貫中による小説『三国志演義』の中でも見られます。物語の第60回で、劉璋が張魯への対策として劉備を招き入れた際、冷苞は他の将軍たちと共に警戒するよう助言します。劉備側では、龐統が剣舞を通じて隙を見て劉璋を暗殺するよう命じましたが、冷苞はこの陰謀を察知し、劉璋を守るためにも剣舞に参加します。

内通の発覚とその後

しかし、冷苞の不運は続きます。張松の内通が発覚し、劉備の叛意が明らかになると、冷苞は鄧賢と共に雒城防衛のための砦を築き出陣しました。初めは魏延の攻撃を退け、彼を追い詰めましたが、黄忠の増援によって状況は逆転。ついには敗走を余儀なくされ、魏延に急襲され捕虜となります。しかし、劉備の意向を受けて張任らを条件に釈放されました。

冷苞の反撃と最期

釈放された冷苞は、再び敵対する態度を見せ、涪江の決壊による水攻めを画策します。しかし、この計画は劉備に与した彭羕によって見破られていました。冷苞が涪江に向かう途中、魏延に再び襲撃され、最終的には再捕虜となりました。その結果、今度は劉備からも許されず、処断されてしまいました。

まとめ

冷苞の物語は、敗北と反逆、そして運命に翻弄された一武将の悲劇を物語っています。彼は歴史に名を残した人物でありながら、最期は無情な運命の下に終わりました。三国志演義における彼の存在は、彼の勇気と忠誠心を示す一方で、無情な戦乱の中での人々の運命をも描写しています。

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