勅撰集

勅撰集とは

勅撰集（ちょくせんしゅう）とは、帝王、特に日本の場合は天皇や上皇の命によって編纂された書物のことを指します。これに対し、帝王の命によらずに編纂されたものを私撰集（しせんしゅう）と呼びます。勅撰集は、帝王の権威を示すとともに、その時代の文化や価値観を反映する重要な文献として位置づけられています。

日本の勅撰集

日本では、単に勅撰集という場合、和歌の歌集、すなわち勅撰[[和歌集]]を指すことが多いです。しかし、実際には和歌に限らず、漢詩、連歌、俳諧など、様々なジャンルの勅撰集が存在します。

勅撰[[和歌集]]

勅撰[[和歌集]]は、延喜5年（905年）に成立した『古今[[和歌集]]』を嚆矢とし、その後、永享11年（1439年）に成立した『新続古今[[和歌集]]』まで、計21集が編纂されました。これらは総称して「二十一代集」と呼ばれています。これらの歌集は、日本の和歌の歴史を語る上で欠かせない存在であり、各時代の歌風や文化を知るための重要な資料となっています。

さらに、准勅撰[[和歌集]]として『新葉和歌集』も存在します。これは、勅撰集に準ずる扱いを受けた歌集であり、勅撰[[和歌集]]の研究においても重要な位置を占めています。

勅撰漢詩集

勅撰漢詩集としては、『凌雲集』、『文華秀麗集』、『経国集』の三つが特に有名です。これらの漢詩集は、当時の貴族社会における漢詩の隆盛を示しており、中国文学の影響を受けつつも、日本独自の漢詩文化が形成されていく過程を窺い知ることができます。

勅撰連歌集

連歌の分野では、准勅撰の連歌集として『菟玖波集』、『新撰[[菟玖波集]]』が挙げられます。連歌は、複数の作者が句を付け合って一つの作品を完成させる形式の文芸であり、これらの連歌集は、中世における連歌の流行とその芸術性を示す貴重な資料です。

中国の勅撰集

中国においても、勅撰集は重要な文化財として位置づけられています。代表的なものとしては、『文館詞林』や『御覧詩』などがあります。これらの勅撰集は、中国の文学や歴史、文化を研究する上で欠かせない文献となっています。

まとめ

勅撰集は、帝王の権威のもとに編纂された書物であり、その時代の文化や価値観を反映する重要な文献です。日本の勅撰[[和歌集]]は特に有名ですが、漢詩や連歌など、様々なジャンルの勅撰集が存在します。これらの勅撰集は、過去の文化や歴史を理解する上で欠かせない資料であり、現代においてもその価値は失われていません。

参考文献

* 丸谷才一『日本文学史早わかり』

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