千住新橋

千住新橋について

千住新橋は、東京都足立区の千住と足立の間、荒川（荒川放水路）に架かる国道4号（日光街道）の橋です。上り線と下り線の2本の橋が並行しており、それぞれ建設された時期が異なります。上り線は1976年、下り線は1981年に竣工しました。

概要

荒川の河口から12.6km地点に位置し、右岸は足立区千住五丁目、左岸は足立区足立一丁目に接続します。下り線（1981年竣工）の橋は全長446メートル、幅15.75メートルで、最大支間長は120メートルの鋼連続箱桁橋です。橋の前後の取付道路は高架橋となっており、右岸側は千住新橋右岸取付高架橋に接続しています。左岸側では首都高速中央環状線がオーバークロスしており、千住新橋出入口が近くにありますが、橋とは直接接続していません。また、橋とその前後の区間は自転車の通行が禁止されており、道路標識で明示されています。

橋の管理は関東地方整備局東京国道工事事務所が行い、東京都の特定緊急輸送道路にも指定されています。

橋の構造

上部工: 鋼連続鋼桁橋（主径間）、鋼単純箱桁橋（側径間）
下部工: ニューマチックケーソン基礎
橋長: 446.2メートル
幅員: 15.75メートル（車道13メートル、歩道2.75メートル）×2
最大支間長: 120メートル
支間割: 72.0m + (89.5m + 120m + 89.5m) + 72.0m

主径間と側径間の間には1メートルの伸縮継手、橋と橋台の間には0.6メートルの伸縮継手が設けられています。

歴史

1924年の橋

1911年から1930年にかけて行われた荒川放水路の開削工事に伴い、国道4号（陸羽街道）に架けられた最初の永久橋です。当初は木橋として計画されていましたが、道路法の改正により鉄橋として建設されました。1921年12月に着工し、上部工は横河橋梁、下部工は東洋道路工事が担当しました。

1923年9月には関東大震災の影響を受けましたが、1924年5月に完成しました。橋長は約457.2メートル、総幅員は約11.582メートルで、23径間の単純鋼鈑桁橋でした。床版は鉄筋コンクリート製で、松木塊舗装が施されていました。また、将来の拡張を考慮し、歩道増設や都電の軌道敷設のスペースも確保されていました。

1924年6月20日に開通し、開通式典は盛大に行われました。以後、千住町では開通を記念して毎年花火が打ち上げられるようになりました。橋の名前は、以前からあった千住大橋との対比で付けられました。

その後、地盤沈下の影響で橋が沈下したため、1956年から嵩上げや拡幅工事が行われました。しかし、老朽化が進み、交通量の増加も相まって架け替えが必要となりました。

1976年・1981年の橋

1968年から架け替えの調査が始まり、1972年に第一期工事として下り線側の橋が着工されました。1976年に竣工し、1978年5月に開通しました。この橋は幅15.75メートルで4車線の暫定供用でした。上部工は日本鋼管と宮地鉄工所が、下部工はニューマチックケーソン工法で施工しました。

その後、旧橋が撤去され、1981年に上り線側の橋が完成しました。上部工は川田工業、日本鉄塔工業、三井造船が、右岸側の取付高架橋は桜田機械が担当しました。この2本の新しい橋は、1983年3月7日に開通しました。

周辺施設

千住新橋周辺には、以下の施設があります。

荒川河川敷運動公園
荒川千住新橋緑地
西新井橋緑地
千住新橋出入口
足立区立図書館
足立区立足立小学校
足立区立千寿双葉小学校

また、毎年7月頃には、千住新橋周辺の河川敷で「足立の花火」が開催されます。この花火大会は、明治時代に千住大橋の落成を祝って打ち上げられた花火や、1924年の千住新橋開通を記念した花火大会が起源となっています。

隣の橋

荒川における千住新橋の隣の橋は以下の通りです。

上流: 日暮里・舎人ライナー荒川橋梁 - 西新井橋
下流: 東京メトロ千代田線荒川橋梁 - 常磐線荒川橋梁

関連情報

千住新橋周辺の河川敷は、「荒川アンダー ザ ブリッジ」という漫画の舞台にもなっています。

参考資料

浅間達雄、沼沢成馬、戸部隆司、久保田勉「千住新橋の設計と施工について」『橋梁』第12巻第3号、橋梁編纂委員会、1976年3月
竹ケ原輔之夫、安田伊三郎「荒川新荒川長大橋梁整備計画について」『道路建設』第156巻、日本道路建設業協会、1960年12月
内務省土木試験所「本邦道路橋輯覧」1925年
東京府「東京府郷土教育資料. 郊外篇」1930年
東京府土木課「千住新橋架橋の由來と其の構造」『道路の改良』第6巻第10号、道路改良會、1924年
* セメント界彙報発行所「千住新橋竣工」『セメント界彙報 第九拾五號』第95巻、1924年

足立区公式ホームページの渡し舟と橋梁のページも参考になります。

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