天神山駅

天神山駅：久大本線沿線の静寂に佇む駅

大分県由布市庄内町西長宝に位置する天神山駅は、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線に属する駅です。周囲は自然豊かな環境に囲まれ、のどかな田園風景が広がっています。駅舎はなく、ホーム上に簡素な待合所があるだけの無人駅ですが、独特の雰囲気と周辺の観光資源から、鉄道ファンや自然愛好家にも人気があります。

歴史と変遷

天神山駅が開業したのは1923年（大正12年）9月29日。大湯線の小野屋駅～湯平駅間の開通と同時に開業しました。開業当初は貨物や荷物の取扱も行われていましたが、1962年（昭和37年）に貨物取扱を廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止され無人化となりました。駅舎もその後取り壊され、現在の簡素な姿となりました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化により、JR九州が駅を継承しています。利用者の利便性向上のため、2001年（平成13年）2月9日には駅前に公衆トイレが設置されました。

駅構造と設備

天神山駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅です。駅入口からホームへは線路を横断する通路を通る必要があり、列車接近時には警告機が作動して安全を促します。無人駅であるため、駅舎はなく、ホーム上の待合所と自動券売機が主な設備です。切符は自動券売機で購入します。また、トイレは駅前に設置された公衆トイレを利用することになります。待合所の傍らには小さな滝があり、自然の風景を間近に感じることができます。静かで落ち着いた雰囲気の中で、列車の到着を待つことができます。

利用状況と変遷

開業当初は多くの利用者がありました。1965年（昭和40年）度の年間乗車人員は195,149人、降車人員は190,216人に上り、手荷物や小荷物の取扱いも行われていました。しかし、時代の流れとともに利用客は減少。2015年（平成27年）度の乗車人員は40,304人、降車人員は38,950人と、大幅に減少しています。これは、自動車の普及や人口減少といった社会情勢の変化による影響が考えられます。それでも、地域住民の生活路線としての役割、観光客の利用など、一定の需要は存在しています。

駅周辺の環境

天神山駅周辺は、自然豊かな環境に恵まれています。駅周辺には由布市立庄内中学校、庄内郵便局、由布市役所本庁（旧・庄内町役場）、由布市立東庄内小学校などの公共施設に加え、国道210号や大分県道719号東長宝西線も通っています。また、自然の名所として有名な男池（名水百選選定）や黒岳（日本自然百選選定）も比較的近く、観光の拠点としても利用できます。さらに、阿蘇野鉱温泉という冷鉱泉も存在し、周辺地域には豊かな自然と歴史が共存しています。

天神山駅の未来

利用者数の減少という課題を抱えながらも、天神山駅は地域の生活路線としての役割、そして観光の拠点としての役割も担っています。自然豊かな環境と静かな雰囲気は、多くの人の心を掴む魅力です。今後も、地域住民や観光客にとって、かけがえのない存在であり続けることでしょう。周辺の観光資源と合わせて、より魅力的なスポットとして発展していくことが期待されます。

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