小金井公園

東京都立小金井公園：花と緑、そして歴史が息づく憩いの空間

東京都小金井市を中心とした広大な敷地を誇る東京都立小金井公園は、都内でも有数の規模を誇る都市公園です。小平市、西東京市、武蔵野市にも一部がまたがり、その面積は約80ヘクタールにも及びます。これは日比谷公園の約4.8倍、上野公園の約1.4倍に相当する広さです。さらに広い国営[[昭和記念公園]]がありますが、それでも小金井公園はその半分近くの広さを有しています。

公園の周囲には、小金井街道や五日市街道といった主要な道路が走り、五日市街道沿いには玉川上水が流れています。公園の北側には、小金井カントリー倶楽部が隣接しています。

小金井公園の起源は、紀元二千六百年記念事業として計画された「小金井大緑地」に遡ります。1954年1月、公園としての開園を迎えるにあたり「花と緑のひろびろ空間」という基本テーマが掲げられました。現在では、広大な芝生や雑木林、そして約1800本の桜が植えられた花見の名所として知られ、日本さくら名所100選にも選ばれています。春には多くの観光客が訪れ、賑わいを見せます。正月には凧揚げを楽しむ人々も多く見られます。また、園内には「いこいの広場」があり、定期的なフリーマーケットも開催されています。

小金井公園の歴史：激動の時代を乗り越えて

小金井公園の歴史は、1940年、紀元二千六百年記念事業の一環として「小金井大緑地」の計画が始まったことに端を発します。翌年には約90ヘクタールの用地取得が完了しました。しかし、その後の歴史は平坦ではありませんでした。1941年には、光華殿（現・江戸東京たてもの園ビジターセンター）が移築され、国民練成所が設置されました。戦後は、文部省から宮内庁へと土地の管轄が移り、東宮仮寓所や学習院中等科が設置された時期もありました。農地解放の影響で、当初の用地の相当部分を失うという苦難も経験しています。それでも、宮内庁からの用地返還を経て、1954年1月14日、現在の小金井公園が開園しました。その後も、都市計画の変更や施設の増設、江戸東京たてもの園の開設などを経て、現在のような姿へと発展を遂げてきました。

小金井の桜：歴史と自然の調和

小金井公園における桜の歴史は古く、1737年、幕府によって玉川上水堤にヤマザクラが植樹されたことに始まります。吉野山や桜川から取り寄せられた苗木は、大切に育てられ、明治時代には三好学による調査で、ヤマザクラの変種が多数確認されるなど、その価値が再認識されました。1924年には、「小金井桜」として名勝に指定されるほど、重要な桜の産地として知られていました。明治天皇や皇族も訪れるほどの盛況を極めた時期もありましたが、戦後の五日市街道拡幅工事の影響で、桜並木は衰えました。しかし、小金井公園の整備開園によって、新たな桜の名所が誕生し、現在では公園内に約440本の桜が植えられた「桜の園」が、春には多くの花見客で賑わっています。1988年には、公園内で新たな桜の品種『小金井薄紅桜』が発見されるなど、今もなお桜との関わりは続いています。

公園内の主な施設：多様な楽しみ方ができる

小金井公園内には、多様な施設が整備されています。歴史的建造物を移築保存した野外博物館「江戸東京たてもの園」をはじめ、小金井市総合体育館、野球場、テニスコート、弓道場、ゲートボール場など、スポーツ施設も充実しています。また、子どもたちが楽しめる遊具が揃った「わんぱく広場」や、バーベキュー広場、ドッグランなども備え、家族連れでも一日中楽しめます。バードサンクチュアリでは、豊かな自然環境を体感できます。さらに、SL展示場では、C57形蒸気機関車と客車が静態保存されており、公開日には往時の姿を見ることができます。

アクセスとその他

小金井公園へのアクセスは良好です。JR中央線武蔵小金井駅、西武新宿線花小金井駅、JR中央線東小金井駅から徒歩や自転車でアクセスできます。バス路線も充実しており、CoCoバス、はなバス、関東バス、西武バスなどが利用可能です。マイカー利用者向けには、公園の南側と東側に有料駐車場が用意されていますが、桜の季節などには満車となる場合があるので注意が必要です。年間を通して様々なイベントが開催されており、四季折々の自然と歴史、そしてレクリエーションを満喫できる公園です。

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