小高区

福島県南相馬市小高区

小高区（おだかく）は、福島県南相馬市を構成する地域自治区の一つです。かつては小高町として独立した自治体でしたが、2006年に南相馬市に編入され、現在の形となりました。この地域は、伝統的な騎馬武者行列「相馬野馬追」で広く知られています。

区域

小高区は、旧小高町を基盤とし、以下の3つの地区から構成されています。

小高地区: 旧小高村の中心部で、区の中央に位置します。
金房地区: 旧金房村にあたり、区の西部に広がっています。
福浦地区: 旧福浦村の領域で、区の東端に位置しています。

自然

小高区は、太平洋に面した沿岸部と、内陸部の丘陵地帯が混在する地形です。豊かな自然に恵まれ、農業や漁業が営まれてきました。

概要

2006年に南相馬市が発足した際、旧小高町の区域がそのまま小高区として設置されました。住所表示は、一部を除き「南相馬市小高区」と、市名に続けて区名が用いられています。例えば、小高区役所（旧小高町役場）の所在地は「南相馬市小高区本町2-78」と表記されます。

2011年の福島第一原子力発電所事故の影響により、区内全域に避難指示が出されましたが、2016年7月12日には帰還困難区域（1世帯のみ）を除き、避難指示が解除されました。これにより、住民の帰還が進められています。

また、地域経済の活性化に向け、東邦銀行、福島銀行、あぶくま信用金庫、相双五城信用組合によるシンジケートローンや、損保ジャパン、第一生命福島銀行による出資のもと、出力8.6MWの大規模太陽光発電所（メガソーラー）の建設が進められています。

歴史

小高区の歴史は、明治時代に遡ります。

1889年（明治22年）：町村制施行により、行方郡小高村、福浦村、金房村の3村が成立しました。
1896年（明治29年）：行方郡が宇多郡と合併し、相馬郡となりました。
1898年（明治31年）1月19日：小高村が町制を施行し、小高町となりました。
1954年（昭和29年）3月31日：小高町、福浦村、金房村が合併し、新たに小高町となりました。
2006年（平成18年）1月1日：小高町が鹿島町、原町市と合併し、南相馬市が誕生、同時に小高区が設置されました。
2011年（平成23年）3月11日：東日本大震災が発生し、小高区は震度6弱の揺れを観測し、甚大な被害を受けました。同年7月には、被災者向け情報発信のため、地上デジタルテレビ放送の実験試験局「南相馬チャンネル」が開局しました。
2016年（平成28年）3月31日：環境省による生活圏の除染作業が完了。同年7月12日には、避難指示が解除され、JR常磐線小高駅が営業を再開しました。

教育

小高区には、以下の教育機関があります。

高等学校

福島県立小高産業技術高等学校: 2017年4月に小高商業高等学校と小高工業高等学校が統合して発足しました。

中学校

南相馬市立小高中学校

小学校

南相馬市立小高小学校
南相馬市立金房小学校
南相馬市立鳩原小学校
南相馬市立福浦小学校

これらの小中学校は、福島第一原子力発電所事故の影響により鹿島区に仮設移転していましたが、2017年4月1日に再開しました。

史跡

小高区には、歴史的な価値のある史跡が数多く存在します。

大悲山の石仏: 日本三大磨崖仏の一つとして知られ、国史跡に指定されています。また、丘陵にある「大悲山の大スギ」は福島県天然記念物です。
浦尻貝塚: 縄文時代前期中葉から中期末にかけて形成された貝塚で、国史跡に指定されています。
小高城址: 小高氏の居城跡であり、現在は小高神社が鎮座しています。

祭事・観光名所

相馬野馬追: 国の重要無形文化財に指定されている、勇壮な騎馬武者行列です。
塚原海水浴場: 夏には多くの海水浴客で賑わいます。

神社

小高区には、以下のような神社があります。

小高神社: 小高城址に鎮座しています。
日鷲神社
益多嶺神社（甲子大国社）
蛯沢稲荷神社

施設

小高区には、以下のような公共施設や文化施設があります。

浮舟文化会館（小高生涯学習センター）: 小高図書館や埴谷・島尾記念文学資料館が併設されています。
小高郵便局（集配局）
南相馬市小高保健福祉センター
小高交流センター
La MaMa ODAKA: 柳美里が支配人を務める劇場です。
小高パイオニアヴィレッジ: 和田智行が運営する複合施設です。
HARIOランプファクトリー小高: 和田智行が代表を務めるガラス製品工房です。
小高診療所

金融機関

東邦銀行 小高支店
あぶくま信用金庫 小高支店
ふくしま未来農業協同組合 小高総合支店
ふくしま未来農業協同組合 福浦支店

福島第一原子力発電所事故の影響で、一時的に営業を休止していた金融機関も、2016年4月現在では東邦銀行を除いて営業を再開しています。

交通

鉄道路線

東日本旅客鉄道（JR東日本）
常磐線: 小高駅 - 桃内駅
※太字は中心駅

道路

一般国道
国道6号

バス路線

福島交通
新常磐交通

東日本大震災および福島第一原子力発電所事故の影響により、福島交通および新常磐交通の小高区内での運行は一部休止されています。

東北アクセス
南相馬市内路線仮設住宅への巡回バスなどが運行されています。

その他

相馬野馬追: 野馬懸や火の祭などの神事が行われます。
大悲山の石仏: 「薬師堂石仏（附:阿弥陀堂石仏）」「観音堂石仏」の名称で国の史跡に指定されています。
小高城址（相馬小高神社）
小高村上海水浴場
和田智行: 小高区(旧小高町)出身の実業家・インキュベーター・エンジニアで、株式会社小高ワーカーズベース代表取締役、株式会社相馬藩代表取締役を務めています。
ラーメン: 小高町のラーメンは全国的にはあまり知られていませんが、震災前は多くのラーメンファンが訪れていました。

双葉食堂 （震災後、同地で営業）
山川食堂 （閉業）
亀井食堂 （閉業）
まんてん食堂 （閉業）
丸幸食堂 （閉業）
フルハウス: 柳美里による書店です。

外部リンク

南相馬市
小高観光協会 (odakakankou) - Facebook
小高観光協会（福島県南相馬市）Twitter
小高観光協会(公式）チャンネル・YouTube
南相馬市観光情報サイト観光スポット南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-
* 南相馬観光協会

もう一度検索