御嵩口駅

岐阜県可児郡御嵩町にある名古屋鉄道広見線の駅で、駅番号はHM09が付与されています。当駅は無人駅であり、manacaを含む各種ICカードはご利用いただけません。かつては広大な敷地を持つ貨物拠点として栄え、歴史的な変遷を重ねて現在の姿となりました。

歴史

御嵩口駅の歴史は、大正時代にさかのぼります。1920年（大正9年）8月21日、東濃鉄道（現在の太多線の前身とは異なる会社）の駅として「御嵩駅」の名称で開業しました。当時の広見線はここまでで、当駅が終着駅でした。

その後、1926年（大正15年）9月24日に東美鉄道へ営業が譲渡され、1943年（昭和18年）3月1日には名古屋鉄道が東美鉄道を合併し、名鉄の駅となりました。

大きな転機が訪れたのは1952年（昭和27年）4月1日です。広見線が現在の御嵩駅まで延伸されたことに伴い、駅名が「御嵩口駅」に改称されました。現在の御嵩駅は旅客専用駅として開業したため、主に亜炭の積み出しを行っていた貨物営業は、廃止されるまで引き続き当駅で行われていました。そのため、構内は現在も広く、かつての貨物用ホームの跡なども残されています。

貨物営業は1963年（昭和38年）度に廃止され、同年10月1日には駅の無人化が実施されました。

また、現在の駅所在地は御嵩町ですが、駅名が「御嵩駅」だった開業当時は可児郡中町に位置していました。

駅構造

御嵩口駅は、ホームが1面のみの単式1線を持つ地上駅です。現在は2両編成に対応した有効長となっています。前述の通り無人駅であり、駅舎は存在しません。ホームの中央部分には、屋根だけの簡素な待合室が設置されているのみです。

2008年（平成20年）6月29日のダイヤ改正で、この区間がワンマン運転化されたのに合わせ、乗車券を購入できるよう出入口付近に自動券売機が1台設置されました。駅員がいないため、異常発生時などに係員と連絡を取る必要がある場合は、ホームに設置されたインターホンを通じて犬山駅へつながる仕組みになっています。

現在運行されている6000系によるワンマン運転に対応するため、ホームの両端には運転士が乗降を確認するためのバックミラーが備え付けられています。かつて、ホームの有効長を超える4両編成の列車が停車していた時期には、後方の扉を締め切り、前2両の扉のみで乗降を取り扱う「締切」が行われていました。

利用状況

近年、御嵩口駅の利用者は減少傾向にあります。

名古屋鉄道が公表している「移動等円滑化取組報告書」によると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗降人員は257人でした。

過去のデータを見ると、『名鉄120年：近20年のあゆみ』によれば2013年度の1日平均乗降人員は336人であり、名鉄全駅（当時275駅）の中で270位、広見線内（当時11駅）では10位という位置づけでした。

さらに遡り、『名古屋鉄道百年史』に記載されている1992年度の1日平均乗降人員は405人でした。この数値は、当時岐阜市内線均一運賃区間内の各駅を除いた名鉄全駅（当時342駅）中283位、広見線・八百津線（当時16駅）の中では10位にあたります。

これらのデータから、かつてに比べて利用者は減少していることが分かります。名鉄の駅全体で見ても、こどもの国駅や顔戸駅と並んで、利用者が比較的少ない駅の一つとなっています。

御嵩検車区

御嵩口駅には、かつて車両基地である「御嵩検車区」が併設されていました。これは、東美鉄道が旧東濃鉄道から路線を引き継ぎ、電化を進めた頃に、当時の終点であった当駅に設けられたものです。名古屋鉄道に合併された後も、広見線や八百津線の車両の検査・整備を担当していました。

しかし、1952年（昭和27年）には組織再編が行われ、小牧駅にあった小牧車庫にその機能が編入される形で廃止されました。編入先の小牧車庫も、小牧線の昇圧に伴い1964年（昭和39年）に廃止されています。

駅周辺

御嵩口駅周辺は、江戸時代の主要街道である中山道のうち、「御嶽宿」に関連する様々な史跡や文化財が点在しています。

バス路線としては、駅前に御嵩町ふれあいバスと、みたけE-COバスの「名鉄御嵩口駅」バス停が設置されています。

隣の駅

名古屋鉄道広見線（新可児〜御嵩）

顔戸駅 (HM08) - 御嵩口駅 (HM09) - 御嵩駅 (HM10)

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