手取川

手取川について

手取川は、石川県の主要な河川であり、白山に端を発し、日本海へと注ぐ一級河川です。その流域は、白山市を中心として、能美市や川北町などにも広がっています。古くは「石川」とも呼ばれ、石川県や石川郡の名の由来にもなっています。

地理的特徴

手取川は、白山南部の岐阜県境付近を源流とし、北へと流れます。上流部には手取川ダムがあり、中流域では手取峡谷という深い渓谷を形成しています。その後、鶴来市街地で西へと流れを変え、金沢平野へと扇状地を形成します。平均河床勾配が非常に急で、日本有数の急流河川として知られています。河口付近では、手取川が運んだ土砂が堆積し、千里浜海岸を形成しています。

名称の由来

手取川の名前は、源義仲の軍勢が倶利伽羅峠の戦いの後、増水した川を渡る際に、兵士たちが互いに手を取り合って渡ったという故事に由来すると言われています。また、度重なる氾濫によって、川を渡るのに苦労したことに由来するという説もあります。かつては「比楽河（ひらかがわ）」とも呼ばれ、河口の港は「比楽湊」から「本吉湊」へと名前を変え、室町時代には三津七湊の一つとして栄えました。

支流と用水

手取川には、柳谷川、三ツ谷川、大道谷川など、多くの支流があります。特に重要なのが、金沢平野を潤す七ヶ用水です。これは、手取川の旧河道を利用して作られた用水路群で、2006年には疎水百選、2014年にはかんがい施設遺産に登録されています。また、大水門などの施設が国の重要文化財に指定されています。

七ヶ用水は以下の7つから構成されています。

富樫用水
郷用水
中村用水
山島用水
大慶寺用水
中島用水
新砂川用水

災害の歴史

手取川は「暴れ川」として知られ、過去に何度も洪水や氾濫を引き起こしてきました。1934年の大水害では、上流の別当谷で大崩壊が発生し、甚大な被害をもたらしました。また、2004年にも吊り橋が流失するなどの被害が出ています。これらの災害を受け、国直轄の砂防事業が進められており、白山砂防科学館では、その歴史や対策について学ぶことができます。

百万貫の岩

白峰地区の河床には、「百万貫の岩」と呼ばれる巨大な岩があります。これは、1934年の大洪水で流出したもので、大災害の様子を伝える貴重な資料として、県の天然記念物および日本の地質百選に選定されています。

河川施設と水利用

1980年に完成した手取川ダムは、上水道、工業用水、電力、治水など、多岐にわたる目的で利用されています。特に上水道は、石川県の広範囲に供給されています。また、農業用水としても、各地で取水されています。

主な橋梁

手取川には、多くの橋が架けられています。主な橋梁としては、赤谷大橋、鴇が谷大橋、手取川大橋、川北能美大橋などが挙げられます。

水力発電

手取川水系では、1911年に最初の水力発電所が建設されました。現在では、20以上の発電所が稼働しており、地域の電力供給に貢献しています。

環境

手取川の河口では、毎年秋にサケが遡上します。手取川サーモンフィッシングとして、遊漁も行われています。

文化

手取川は、映画「将軍家光の乱心 激突」のロケ地としても使用されました。また、手取川の戦い、島集落、手取フィッシュランド、清酒「手取川」など、様々な文化的な要素と関連しています。

関連情報

白山手取川ジオパーク
白山国立公園
篠原の戦い
手取川の戦い
島集落
三津七湊
手取フィッシュランド
清酒「手取川」
石川県道302号手取川自転車道線（手取キャニオンロード）

外部リンク

手取川 - 国土交通省水管理・国土保全局
手取川の概要 - 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所
* 手取川七ヶ用水土地改良区

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