新和町

新和町（しんわまち）は、かつて熊本県の天草諸島、下島の東部に位置していた町です。「竜と楊貴妃の里・新和」というキャッチフレーズを掲げ、独自の歴史と文化を育んでいました。2006年3月27日に本渡市、牛深市、天草郡有明町、御所浦町、倉岳町、栖本町、五和町、天草町、河浦町と合併し、天草市の一部となっています。現在では、その区域は天草市新和町としてその名残をとどめています。

楊貴妃伝説

新和町には、中国の絶世の美女として知られる楊貴妃にまつわる伝説が残されています。安史の乱で命を落としたとされる楊貴妃が、実は生き延びて日本へと逃れ、その途上で天草沖にて船が難破。新和町に流れ着き、竜洞山でひっそりと暮らしていたというロマンあふれる物語です。この伝説が町のシンボルとなり、地域を特徴づける要素の一つとなっていました。

地理

新和町は天草諸島の下島東部に位置し、豊かな自然に囲まれていました。町のシンボル的な存在である竜洞山や、美しい神掛けの滝など、自然景観にも恵まれていました。

歴史

1954年（昭和29年）11月1日 - 天草郡宮地村・中田村・碇石村・大多尾村が合併し、新和村が発足。
1961年（昭和36年）4月1日 - 新和村が町制を施行し、新和町となる。
2006年（平成18年）3月27日 - 本渡市・牛深市・天草郡御所浦町・倉岳町・栖本町・五和町・天草町・河浦町・有明町と合併し、天草市となる。

経済と産業

新和町は、農業や漁業が盛んな地域でした。特産品としては、新和焼酎「天草」、お茶、アオサ、醤油、みそ、そして天草地方の伝統的なお菓子であるこっぱ餅などが知られています。こっぱ餅は、乾燥させたサツマイモともち米、上白糖を材料とした素朴な味わいが特徴で、地域の人々に愛されてきました。

教育

町内には、新和小学校、大多尾小学校（2011年に新和小学校へ統合）、新和中学校がありました。これらの学校は、地域の子どもたちの成長を支え、地域社会の繋がりを育む重要な役割を担っていました。

交通

新和町には鉄道は通っていませんでしたが、九州産業交通バスが運行しており、本渡市を経由して熊本駅や三角駅へとアクセスすることができました。また、天長フェリーが諸浦港（鹿児島県長島町）と中田港を結び、海上交通の便も確保されていました。

名所・旧跡・観光スポット

新和町には、竜洞山公園（みどりの村）、歴史民俗資料館、五輪塔、麟仙宮、天附古墳、立海水浴場、惣津島など、歴史や自然に触れることができるスポットが点在していました。また、年間を通して様々な祭事やイベントが開催され、地域住民や観光客で賑わっていました。

新和町一周駅伝（1月中旬）
天草ロードレース（2月中旬）
天草下島一周サイクルマラソン（3月上旬）
大宮地祇園大祭（4月上旬）
虫追い祭り（4月下旬）（町内4地区）
竜洞山フェスティバル（5月上旬）
サマーフェスティバル（8月下旬）
青年団ふるさとの祭典（10月中旬）
大宮地八幡宮大祭（10月第三日曜日）
大多尾えびす祭り（11月中旬）
しんわ楊貴妃祭り（11月下旬）

新和町は天草市の一部となりましたが、その歴史、文化、そして美しい自然は今も息づいています。楊貴妃伝説に彩られたこの地は、訪れる人々に豊かな物語と安らぎを与えてくれるでしょう。

もう一度検索